雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

ネギ坊主

2019-04-19 19:26:35 | 日々これ好日
        『 ネギ坊主 』

     昨年春に蒔いたネギが まだ10株ばかり残っている
     どの株からも ネギ坊主が顔を出し
     どんどん逞しくなってきている
     先日蒔いた種からは 糸のような苗が出ており
     世代交代の季節になってきた
     わが菜園の 数少ない食べられる作品も
     1年余りの役割を 終えようとしている

                  ☆☆☆  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しみはタコの足

2019-04-19 08:18:13 | 私の好きなフレーズ
   『 わたしは、タコの足をしゃぶりながら、とっても幸せだったよ。 』  


てて親がウリとかスイカとかナンキンなどを売りに行くと、わたしは一人で瓜小屋の番をしていた。
退屈しながら、虫を捕まえたり、草花を摘んだりして遊んでいたが、てて親が帰ってくるのが待ち遠しかった。
それは、町へ行った帰りのてて親の籠の中には、いつも何かおみやげが入っていたからなんだ。
てて親の姿を見ると、わたしは一番に籠の中を覗きこんだ。
たいした物など入っていないんだが、せんべい二、三枚か、干したタコの足一、二本か、ごくたまには飴玉もあった。
「咲は、いつも籠の中を覗きに来るから、何ぞ買って来んわけにはいかん」と、てて親は笑っていたが、わたしは、タコの足をしゃぶりながら、とっても幸せだったよ。 
 


                        ( 「さても このごろは」 より )     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする