雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

大切に守って行こう

2019-04-01 19:28:41 | 日々これ好日
        『 大切に守って行こう 』

     新元号「令和」に決定
     万葉集から引用されたということが嬉しい
     商魂たくましい動きも 盛んだが
     新しい元号を 大切に守り 育てていきましょう

                    ☆☆☆
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つま待つ宵の

2019-04-01 08:25:53 | 新古今和歌集を楽しむ
     いかばかり 身にしみぬらん 七夕の
                 つま待つ宵の 天の川風   


                  作者  入道前関白太政大臣

( No.322  巻第四 秋歌上 )

     いかばかり みにしみぬらん たなばたの
                    つままつよひの あまのかはかぜ



* 作者は、藤原兼実のことで、平安時代から鎌倉時代へと移り行く激動の時代の公家社会の中心人物の一人である。(1149-1207)享年五十九歳。

* 歌意は、「 どれほど 身にしみることだろう。 夫を待つ宵の織女星に吹き付ける 天の川の川風は。」といったものか。この和歌は、歌合いの席で詠まれたもので、いわゆる七夕歌といわれるものだろう。

* 作者の藤原兼実は、作者名として示されているように、官位は、従一位摂政関白太政大臣にまで上り詰めており、この時代の政治の中心人物の一人である。
藤原北家に生まれた兼実の父は、関白藤原忠通の六男であるが、母は同家の女房として仕えていた加賀局で、家柄としては見劣りした。しかし、兼実は同母の兄弟の長子であり、激しい公家社会を勝ち抜いた人物である。同母の弟には、太政大臣にまで上った兼房、新古今和歌集の有力歌人であり天台座主に就いた慈円がいる。

* また、兼実は九条家を名乗っているが、九条家と共に後に枝分かれした一条家と二条家の祖となった人物でもある。
兼実は、若い時から和歌をたしなみ歌人としても知られていたようであるが、この人物を知るためには、和歌を通じてよりも平氏から源氏に移っていく時代、あるいは、貴族政治から武家政治に移っていく時代にあって、その担った役割を学ぶことの方が本筋と思われる。
そして、兼実は、自らの歴史上の役割を知っていたかのように「玉葉」という四十年に渡る日記を残しており、これは、今日私たちが当時を知る上での第一級の資料として重視されているのである。

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