雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

そろりそろりと ・ 心の花園 ( 23 )

2013-01-11 08:00:28 | 心の花園
            心の花園 ( 23 )

          そろりそろりと


心の中では決心がついているのですが、最初の一歩がなかなか踏み出せない。
いつものことながら、自分の気の弱さが、つくづくと嫌になる。
このままいつまでもじっとしていることなど出来ないことは、よく分かっているのだ。でも、ついつい逡巡してしまう・・・


そろりそろりと、そうです、そろりそろりと進めばいいではありませんか。
人はさまざま、目をつぶってでも飛び込んでいける人と、石橋を叩いてもなお何かが不安で、逡巡してしまう人。どちらが良いとも、一概に言えることでもないはずですよ。

でも、進まなくてはならないのであれば、一歩踏み出さざるを得ないでしょう。そう、そろりそろりで良いではありませんか。

心の花園で「フジバカマ」を見つけてみてはいかがですか。
淡い赤紫色の小さな花をいっぱいつけるこの花は、秋の七草の一つとして知られています。
もともとは中国原産のものらしいのですが、わが国でも万葉の時代から歌の中に登場しいます。それほど美しいというほどの花ではなく、野草というか雑草の類に入りそうな感じです。
かつては、河原などには群生が見られるありふれた花だったようですが、今では準絶滅危惧種に指定されています。園芸店などで見られる花の多くは、同族の別種だそうです。

そして、この花の花言葉は「ためらい」です。
あまりにもそのまますぎますか? でも、「フジバカマ」もそうですが、放っておいても育ちそうな花でも、あまりに粗雑に扱えば絶滅の危機となるのですよ。
あなたも同じことです。そろりそろりも良いですが、あまりに逡巡が過ぎますと、チャンスはそうそういつまでも待っていてはくれませんよ。
コメント
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