さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・
わたしは たくさんの家族の中で育った。
きょうだいは九人いて、わたしは 一番末っ子だった。
「おまんは おとんぼなんで、好き勝手に育った」と、皆によく言われたけれど、さて 確かにそうかもしれないが、かならずしも気楽なわけでもなかったよ。
きょうだいのうち 三人は幼いうちに亡くなっていて、わたしの上には 兄二人と姉が三人いたけれど、わたしが小学校四年の頃には 長兄以外は全部外へ出ていた。
そんなわけで、その頃の家族といえば、長兄と兄嫁さん、その子供が四人、わたしのてて親と はは親、そして わたし。
てて親と はは親は、母屋の中にある納屋だった所を 少しばかり手を入れて生活していて、わたしは一番上の姪と一緒にいることが多かった。
両親のことを、家の中では ジイちゃん バアちゃん と呼んでいたし、姪や甥たちは わたしのきょうだいみたいだったし、何が何だか よく分からん家族だったなあ、まったく。