緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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心不全と和食

2018年06月17日 | 健康
梅雨の晴れ間です。

ちょっとシリアスな思い出話を一つ。

森田童子さんという方が亡くなりました。
ファンが多くいらっしゃったそうですが、私にとっては、名前は知っていましたが、亡くなられて初めて女性だったことを知った程度に良く知らない人でした。
私が気になったのは死因の心不全です。

私が30代だった頃、友人知人の2名が心不全で亡くなっています。
二人とも女性で、30代と40代でした。
二人とも就寝中に亡くなったと聞いています。
突然死だったわけです。

2人の内、30代の女性は、今で言うメンヘラ、つまり少し精神的に病んでいるのではないかと思えるようなタイプの人でした。
といっても陰鬱な様子は全くなくて、自意識を剥きだしにして生きている、そんな感じの人で、いつか文筆業で名を挙げると豪語していました。

わりと良い大学を出て、短い期間、予備校の講師をしていましたが、ずっと無職で、実家で父親と一緒に暮らし、自分は主婦業をしていると言っていました。
母親は統合失調症で彼女が若い頃、自殺していました。

そんな人でしたから、心不全で亡くなったと彼女の父親から連絡を受けた時、自殺を疑いました。
それは今でも分かりません。
20代で心不全で亡くなったとされる人は、遺族がそれを明らかにしたくないだけで、高い確率で自殺だと聞いていましたので。

ただ彼女は、自分は病院で心臓神経症だと診断されたと何度か話していたことがありました。
心臓神経症と狭心症は似ているらしいので、医者が彼女の狭心症を見逃した可能性もあるのです。
彼女は当然、医者の前でもメンヘラっぽく振舞って、医者が精神の病である心臓神経症と誤診したかもしれないのです。

もう一人の40代前半で亡くなった女性は、大学でフランス語を教えていました。
私とはそれほど親しくなく、顔見知り程度の関係でした。
人がまともかどうか、ちょっとぐらいのつきあいで分かるものではないですが、少なくとも私が知る限り、堅実な雰囲気の、危なっかしいところの無い人でした。

この二人は、私と知り合った場所も別でしたし、まるで異質な人達でしたが、一つだけ共通点がありました。
それは二人とも洋食がまるで食べられず、和食だけしか受け付けないことでした。
甘いものも、ケーキは全くダメで、昔ながらのお饅頭なら食べると言っていました。
受付けない、食べられないと説明する、その言い方まで、二人は共通していました。
まるで異なるタイプの人達だったのですが。

この二人が、本当に就寝中に心不全で亡くなったのなら、二人とも和食しか食べられなかったというのは意味のあることではなかったか、そう私は考えたことがありますし、今でも考えています。
洋食のコッテリ系が食べられなくなるというのは病気のサインだったのではないでしょうか。
齢を取ると和食が欲しくなるというのも関係があるのか。

ただ心不全という死に方は、実際には病名ですらなく、謎を含んだ言い方で、誰かが心不全で亡くなったと聞くたびに二人の事を思い出すのです。