
「日本ツバキ協会」のHPを見ると北は青森から南は熊本までスクロールすればするほど椿の名所を詳細に見ることができる。これら全部を歌(詞)にするのは、などと欲張ったチャレンジがふと頭をよぎったが(笑)・・・ 今回は《侘助椿》に焦点を絞った。

「古都の侘助」
あゝ 侘助よ わたしは揺れないわ
あの人がどんなに よそ見してようと
ほかの誰の 花にもならないわ
ひと気ない いにしえ寺をくぐるたび
五弁の花びら 風さえも止める
さあ なんなりと 思いをつぶやけと。

あゝ わが恋は 苔むす土の下
あの人は恋より ほかに為すばかり
耐えましょうと 胸の火を消すの
青竹が 日暮れに笙の音(ね)を鳴らし
ま白な花びら 帰りどき悟す
さあ ひとしずく 涙をお拭きよと。

あゝ 侘助よ わたしは散らないわ
あの人がいつでも こころ翻(ひるがえ)し
厭きぬほどに 身ぐるみ愛でるまで

ひとこと:立樹みかサンへの【Virtual書き下ろ詞】はこれまでに
「みをつくし」と「冬の再会」の2篇。


どちらも気に入っているが共通して底に流れるのは情念の世界。
それがまた唄える歌手。今回もまた同じ、ますますのヒートアップの
様相。 (画像をお借りしました)