美川憲一さんへのこれまでの【Virtual書き下ろ詞】は
「白か黒 ~White or Black~」「恋の彩」「もう時間がないの」「バルバラが泣いている」「みづうみ」「雪埋み」の6篇。
演歌、歌謡曲、そしてシャンソン。
どれも大いに気合い入れて書いています!

詞(うた)のなりたち:黒澤明、小津安二郎、成瀬巳喜男らと共に日本映画の巨匠の一人、溝口健二は1956年8月24日に亡くなっている。
女性を主人公に据えた情緒的な作品が多く、いろんな作品を
観てきたが上田秋成原作を基にした「雨月物語」は特に印象に残る映画だ。
原作や映画をモチーフにしたって大した詞は書けないことは言わずもがな。しかし、その幽玄の世界は設定を演歌に変えれば詞ごころはそそられる。 別れという最悪の場面に直面した女性が男を幽玄きわまる宿に誘う。身をあずけ酒を酌みかわし、なんとか心変わりをさせたいと女は願う。一人になってしまえば月は刃に変わり、雨は針となって死ぬか生きるか、男を極限まで追い詰める。そんな女性の愛の極地を書いた。
きめこまやかに、たおやかに、あふれるほどの究極の表現力を美川さんに託して何度も推敲しながら書き上げた一篇です。
(画像をお借りしました)
「白か黒 ~White or Black~」「恋の彩」「もう時間がないの」「バルバラが泣いている」「みづうみ」「雪埋み」の6篇。
演歌、歌謡曲、そしてシャンソン。
どれも大いに気合い入れて書いています!

「雨月宿」

離れ小部屋の 静寂(しじま)を裂いて
咽くは笹竹 雨もよい
… ひきとめる 術をさがして
ひと夜 ひと刻(とき) 殺した息が
いつか泪に すりかわる
… 雨月宿


こころ奈落に 頭は空白(しろ)に
させた別れの 八日月
… 乱れつつ 酒をかさねて
つなぎとめたい 想いのたけが
酌めど ほせども 増すばかり
… 雨月宿

やがて晩秋 肌ふるわせて
しのぎきれない 冬を知る
… 抱く腕に 命からめて
死ぬも生きるも 答えはひとつ
月は刃か 雨は針
… 雨月宿

離れ小部屋の 静寂(しじま)を裂いて
咽くは笹竹 雨もよい
… ひきとめる 術をさがして
ひと夜 ひと刻(とき) 殺した息が
いつか泪に すりかわる
… 雨月宿


こころ奈落に 頭は空白(しろ)に
させた別れの 八日月
… 乱れつつ 酒をかさねて
つなぎとめたい 想いのたけが
酌めど ほせども 増すばかり
… 雨月宿

やがて晩秋 肌ふるわせて
しのぎきれない 冬を知る
… 抱く腕に 命からめて
死ぬも生きるも 答えはひとつ
月は刃か 雨は針
… 雨月宿
詞(うた)のなりたち:黒澤明、小津安二郎、成瀬巳喜男らと共に日本映画の巨匠の一人、溝口健二は1956年8月24日に亡くなっている。

観てきたが上田秋成原作を基にした「雨月物語」は特に印象に残る映画だ。

きめこまやかに、たおやかに、あふれるほどの究極の表現力を美川さんに託して何度も推敲しながら書き上げた一篇です。
(画像をお借りしました)