新しい
あなたは次々と
生まれているから
今迄の あなたが死んでしまえば
直ぐに 新たな あなたと
出逢う事が出来る。
勿論 この死は
内面的な自己の死を云うのだけれど
言葉で言えるほど簡単な事じゃない
それまで あなたが
馴れ親しんで来てしまった
今日までの あなたの死だから
それは内面的な自己の死と云うけれど
実際の あなたの死と寸分と変わらない。
あなたの中の
それまでの あなたが
無くなってしまったら
あなたは何もかもが水の泡に
成ってしまった感じがして
虚しくなってしまう。
それは人生に意味が
無かったようなものなのだ。
それまでの人生の全面的な否定
虚ろに成らない訳が無い。
けれど
それまでの自分が
全面的な否定をされてしまい
粉々に崩れてしまった後には
何も無い感覚がするけれど
それは 今迄の あなたが
何もかも無くなってしまっただけで
その後には
広々とした空間が現れている
あなたの目が それまでの自分が
無くなってしまった事だけに
向けられてしまっているから
あなたは嘆き 落胆しているだけだよ。
今迄の自分の事は
潔く 諦めてしまい
その後に残されている広々とした
空間の方に目を向けて上げてごらん。
それが初めて
あなたが お目にかかる
本当の あなたの姿だよ。
今迄の あなたは
あなたが懸命に作り続けていた
ひとつの雲に過ぎなかったんだ。
その雲が何かの出来事によって
たとえ消え去る事に成ったとしても
あなたが逃げる事さえしなければ
雲が消え去るのは途中経過に過ぎず
その後に残された雲ひとつ無い何処までも広がる
青空までを あなたは目にしてしまう事が出来るし
その青空こそが あなたの本当の姿だと
あなたは自然に理解してしまう事が出来る。
だって
故郷を目にして
何も感じない人など居ないよ。
そこは過って自分が馴れ親しんでいた場所だと
直感で理解してしまう事が出来る。
あなたが
そこで何もしなくたって
ただ黙ったまま青空を眺めているだけで
あなたの中に懐かしさが広がり
あなたの中は懐かしさで一杯になってしまう。
誰にも教わらなくたって
そこが元々 自分の居た場所だと
言う事ぐらい 誰にでも解かるように出来ている。
そして
その感動に打ち震えた自分さえも
あなたが手放して無くさせて上げる事が出来れば
あなたは新しく生まれた 生まれたてのリアルな
青空の上に再び降り立つ事が出来る。
それが出来なければ
あなたは再び あなたの中に
青空という思考で出来た雲を持ちながら
それを自分だと思い込み生きるように成る
そうなってしまうと また時間の問題で
あなたは どん底に落とされてしまう破目に成ってしまう。
どんなに感動的な事でも
あなたに味わう事が出来るのは
たったの一度だけなのです。
その代わり
あなたの中には
いつも新しい あなたが
次々と生まれ続けてくれています。
その度に あなたは
その新たな あなたに
目を向ける事が出来て
その新たな あなたに
降り立つ事が出来れば良いだけなのです。
放って置くと
一度 味わい終わった あなたは
あなたが何もしなくても
自然に一秒前の過去という
時間の中に消えて行ってくれます。
つい さっきまでの
あなたが息を引き取り
蒸発するように消え去った後に
自己というミクロなものに焦点が
定まってしまっていた目を 全体という
マクロなものに視野を広げて上げるだけで
リアルな大きく広がる青空を あなたは再び
目にする事が出来てしまう。
それは思考で出来た
青空という雲を あなたの中に
作り上げてしまい それを眺める事で
自分は ずっと青空と一緒に居られるように
成れたのだと あなたが勘違いをしてしまって
いる事とは 全く違う事なのです。
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