グミの実のお味

私はグミの実を食べたことはありません。こちらは双極性障害の主婦、グミの実のブログです。

3歳記念日

2007-10-28 22:29:34 | Weblog
今日は、うちの猫のお誕生日。

正確には、捨て猫を拾った日。
いつ生まれたのか分からないので
家族の一員になった今日を誕生日にしている。

4年前の寒い雨の日だった。
どこからか仔猫の鳴き声が聞こえ、
気まぐれに「ニャン」と返事してみた。

鳴き声の猫は駐車場に止めてあった車の下から出てきた。
両手に荷物を抱える私の足元に絡みつく。

「ごめんねー、うちでは飼えないの」
と歩みを進めるがまだ絡み付いてくる。
あんまり擦り寄るので動かす足にぶつかってしまうほどだ。

階段まで来ると、その1段が登れないらしい。
必死で鳴いているが飼えないので家へ入った。

しかし、あの雨の中で大丈夫だろうか。
心配になって、ダンボールの中に雑巾を入れ
せめて人目につきやすく雨のしのげる場所へ移動させようと思った。

さっきの猫はまだ駐車場をうろうろしていたので
ひょいっと入れて公園へ連れていった。
着いて来ないようにわざと遠回りして家に帰った。

まもなくして、夫が帰宅した。
すぐに猫の話をするがつれない返事。
もうすでに私は情が移っていたのだ。

「1日だけ!せめて雨の日くらい保護してあげよう。」
必死に頼んで公園に迎えに行った。
猫はせっかく雨露をしのげる木陰にダンボールを置いたのに
雨に濡れながらあちこちに向かって鳴いては動いていた。

さあ、今日はあたたかい部屋で過ごそう。
小さな命を守ることに自分が安心した。

しかし、家について初めて気づいたのは、
とっても臭いこと。
口だけでなく体全体から臭った。
すぐお風呂で洗った。

仔猫といえばミルクかしらと思ったが、
ちょうど牛乳が切れていたので我が家の貴重な
ハーゲンダッツのバニラをお湯で薄めて与えた。
よっぽど空腹だったのかよく飲んだ。
もしかしたらツナ缶も食べるかしらと思って
少し出してみたらよく食べた。

あの頃は知らなかったけど、実は石鹸も
牛乳も人間用のツナ缶も猫にはタブーなのだ。
私たちは猫の世話なんて初めてだったのだ。

虫がついていたら嫌だし、おもらししても困ると思い
別の部屋で寝ようとしたのだが鳴いて鳴いて嫌がった。
近所迷惑にもなるので夫の古い布団を出して
一緒に寝ることにした。

小さくてかわいい、あったかい、守ってあげたい・・・。
まるで赤ちゃんと一緒に寝ているようで幸せな気持ちになった。
夜中私の寝相が悪くて踏んでしまったようで、
「ムギャ!」と鳴いたとき、骨が折れていないか真剣に心配した。

翌日には動物病院に連れていき、強行的に飼うことにした。
あの頃、私はちょっと躁だった。
本当は集合住宅で動物なんて飼っちゃいけない。
もちろん、ここでの前例もない。
ただ、「動物を飼ってはいけない」という規則だけはなかった。
3年たった今も苦情はない。
だからいいという訳ではないけど、一応周りには愛想よくしている。

今日は、3歳の記念日だというのに当の猫はよそよそしい。
いつになく「ニャッ」と短く言う。
離れたところからじーっと見てる。
今朝はあんなに甘えてきたのに、どうして?
こんなとき何か憑いているのかと思ってしまったりする。

本当は何がいいたいの?
言葉が通じないって切ないね。