夜な夜なシネマ

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『ジャージー・ボーイズ』

2014年10月01日 | 映画(さ行)
『ジャージー・ボーイズ』(原題:Jersey Boys)
監督:クリント・イーストウッド
出演:ジョン・ロイド・ヤング,エリック・バーゲン,マイケル・ロメンダ,ヴィンセント・ピアッツァ,
   クリストファー・ウォーケン,マイク・ドイル,レネー・マリーノ,エリカ・ピッチニーニ他

ダンナがタイから帰国、もう平日に映画三昧はできないので、
せいぜい休日に観ようとTOHOシネマズ西宮へ。

もとはほぼ10年前にブロードウェイで開幕されたミュージカル
1960年代に国際的に成功したロックバンド“フォー・シーズンズ”で
作曲とキーボード演奏を担当していたボブ・ゴーディオが、
フォー・シーズンズの結成から解散までにいたる物語を脚色。
同バンドのために自らが作った数々の楽曲をそのまま使用しています。

ニュージャージー州の最貧地区ベルヴィル、マフィアが仕切る街。
チンピラのトミー・デヴィートは、世間知らずな弟分フランキー・ヴァリを自分のバンドに引き入れる。

フランキーのファルセットを響かせた美しい歌声は、
地元マフィアのボスであるジップ・デカルロをかねてから魅了していた。
ジップはそれを「天使の歌声」と評してフランキーを可愛がる。
今後何か困ったことがあれば頼ってこいとフランキーに声をかけるジップ。
長年仕えてきたトミーは、そんな言葉をかけられたこともないのに。

しかし、フランキーの歌声だけでは売れない。
鳴かず飛ばずだった彼らに、友人のジョーイが「天才を紹介する」と言う。
ジョーイが連れてきたのは、歌えて弾けて作曲もできるボブ・ゴーディオ。
彼が作った曲を聴くやいなや、フランキーはボブをメンバーに迎えたいと考える。
トミーは上から目線でボブに「雇ってやる」と言うが、
対等な立場を望むボブの要求を渋々受け入れることに。

こうして、ヴォーカルのフランキー、ギターのトミー、ベースのニック・マッシに、
キーボードと作曲を担当するボブが加わって、フォー・シーズンズを結成。
“シェリー”を皮切りに次々とヒットを飛ばすのだが……。

クリント・イーストウッド監督のことですから、いいのは当たり前。
それでも想像していたほど私がのめり込めなかったのは、フランキーの声ゆえかと。
ジョン・ロイド・ヤング演じる彼の声は、
確かにファルセットがよく効いていて変わってはいるけれど、
世間をうっとりさせるほど美しい声とは思えず。単に私の好みでないだけか。

ただ、ボーイズ・タウン・ギャングのカヴァーも懐かしい“君の瞳に恋してる”を
フランキーが歌いはじめたシーンはホロリ。
単なるラブソングかと思っていたら、こんな悲しい経験から生まれた曲だったとは。

予告編から想像していたほどでも……と思いつつ、
ショービジネスのあれこれや、バンドを続けていくことの難しさを盛り込み、
ジャージー生まれの人間の気質も世間に知らしめて、
最後にきっちり余韻を残すところはさすがイーストウッド監督。
もう一度、“君の瞳に恋してる”が聴きたいです。

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