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『グッドライアー 偽りのゲーム』

2020年03月11日 | 映画(か行)
『グッドライアー 偽りのゲーム』(原題:The Good Liar)
監督:ビル・コンドン
出演:ヘレン・ミレン,イアン・マッケラン,ラッセル・トヴェイ,ジム・カーター他
 
109シネマズ箕面にて。
 
ニコラス・サールの『老いたる詐欺師』をビル・コンドン監督が映画化。
主演のヘレン・ミレンイアン・マッケランは、ふたりとも大英帝国勲章の受章者。
いわゆる“ナイト”とか“サー”とかの称号を授けられるというやつですね。
 
勲章にもいろいろランクがあって、上位2ランクならそれに該当。ヘレンはそうです。
イアン・マッケランは“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズのガンダルフ役で有名な俳優ですが、
ゲイであることをずいぶん前にカミングアウトしています。
昔、自分がなかなか大英帝国勲章を授与されないのはそのせいだと嘆いていたような記憶が。
無事に授与されてよかった。
 
1年前に夫を亡くした老女ベティとひとり暮らしの老人ロイが出会い系サイで知り合う。
ネット上のやりとりのあと、実際に会ってみることに。
お互いに好感を持ち、以後たびたびデートを重ねるようになる。
 
足を痛めているロイの辛そうな歩き方を見かねて、
ベティはしばらく自宅で一緒に暮らさないかと提案。
ロイを紹介されたベティの孫スティーヴンは悪い予感を抱くが、
当のベティはロイへの好意を隠そうともしない。
 
実はスティーヴンの想像どおり、ロイはどうしようもない悪人。
ベテラン詐欺師で、あちこちであくどい詐欺を働いていた。
ベティに近づいたのも、彼女の資産を狙ってのこと。
詐欺師仲間のヴィンセントと共謀し、資産を丸ごと頂戴すべく、
ベティにふたり共同で口座を開こうと提案するのだが……。
 
女が一方的に騙される話ではないと事前に知っていたので、
最後は大逆転なのだろうと思っていました。
しかしこう来るかという感じで、いや、驚いた。
 
それがわかるまでのロイはものすごく嫌な奴です。
早く奴をぎゃふんと言わせてくれ~と願うばかり。
ベティの前では紳士的で優しい老人。
彼女から見えなくなるや、そのずるそうな顔といったら。
イアン・マッケランの演技に舌を巻きます。
 
一方のヘレン・ミレンもさすがの演技。
真実が明かされるくだりはその執念が怖くて怖くて。
 
ここまでするかと思わなくもないものの、
大御所ふたりの役者ぶりを堪能。
嫌な話ではありますが、面白かった。

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