夜な夜なシネマ

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『トラブル・イン・カンヌ』

2011年06月22日 | 映画(た行)
『トラブル・イン・カンヌ』(原題:The Making of Plus One)
監督:メアリー・マクガキアン
出演:ロテール・ブリュトー,ジェラルディン・チャップリン,ドナ・デリコ,
   アマンダ・プラマー,ジェニファー・ティリー他

2010年のカナダ/イギリスの作品で、これまた未公開。

いったん観始めたら、どんなに退屈でも途中でやめない、
早送りしもしないのがポリシーなのですが、これはツラかった。
最後までたどりついたときは嬉しさのあまり涙目になるくらい。

だけど、話としてはそんなにつまらなくもないのです。

フランスのカンヌを訪れた女流監督スカイは、
昔なじみのプロデューサーで軟派なダラスとともに、
“Plus One”(プラス・ワン=オマケ)という映画を企画中。

実現するにはとにかくカネが必要。
自分を主演させれば出資するという三流女優アンバーの起用を決めるが、
上品なイギリス人姉妹が主人公のこの映画に、彼女はおよそ似つかわしくない。

ちょうどカンヌでは国際映画祭が開催されているために、有名人がうようよ。
招待客の中に大手タレント事務所の代理人を見つけたデイブは、
ケイト・ウィンスレットとケイト・ブランシェットの出演交渉をする。
適当にあしらわれたのに、デイブはたちまちその気に。

ダブル・ケイトが出演するとなれば、銀行は融資決定、配給会社も即決。
デイブは真実性を持たせるため、制作会見を開くことに。
もちろん本物のダブル・ケイトを呼べるはずもなく、
自らが勤める製作会社に、そっくりさんの調達を依頼するのだが……。

どうです、なんとなくおもしろそうでしょ。
映画をつくるには、こんなにさまざまな肩書きの人が絡んでいて、
資金を集めるのがいかに大変なことかもわかります。
退屈しないはずの話なのに、どうしてこんなにキツかったのでしょう。

それはまちがいなく役者陣。
主演のスカイとデイブにまったく華がありません。
スカイのアップは厳しく、デイブはイーサン・ホークから品を引いたみたい。
ダブル・ケイトのそっくりさんにいたっては無茶言い過ぎ。
脇役にはそこそこ知名度のある人もいますが、
いずれも過去には華々しい活躍もあったけれど……という人で、イタイ。(;_;)

映画は役者がすべてではないと思うものの、
それなりの役者を連れてこないとツライということを
まさにこの映画が示してくれているようです。

カメラマン役のジョルディ・モリャだけがイケてます。
『ナイト&デイ』(2010)でマフィアのボス役だった人。
華があればあんなハリウッド大作のオファーも来るんですよねぇ。

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