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『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』

2020年05月25日 | 映画(は行)
『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』(原題:Hunt for the Wilderpeople)
監督:タイカ・ワイティティ
出演:サム・ニール,ジュリアン・デニソン,リス・ダービー,
   リマ・テ・ウィアタ,レイチェル・ハウス他
 
Amazonプライムビデオ見放題作品の中で探すのもいいかげん飽きてきて、
有料作品を眺めていたら気になったのが本作。
199円払って観ることにしました。
 
2016年のニュージーランド作品。
めっちゃよかったです。
 
ツバ吐きや落書きなんて可愛いほう、
窃盗、放火、悪いことなら何でもやる問題児、13歳のリッキー。
孤児の彼は、児童福祉局の女性ポーラに付き添われ、
ニュージーランドの田舎で暮らすヘクターとベラ夫妻のもとへ。
夫妻が里親となり、この家に預けられることになったのだ。
 
最初は口もきこうとしないリッキーだったが、
大自然に囲まれ、おおらかで優しいベラに少しずつ心を開くように。
一方のヘクターはといえばいつも仏頂面で冷ややかな態度ながら、
誕生祝いに犬をプレゼントしてくれる。
生まれて初めて貰う誕生日プレゼントにリッキーは大喜び。
トゥパックと名づけて可愛がる。
 
そんなある日、ベラが突然倒れて亡くなる。
児童福祉局からの手紙によれば、ヘクターひとりでリッキーを育てることは不可能、
数日後にリッキーを施設へ戻すと言う。
 
この家に居たいとリッキーはヘクターに言い募るが、
仮にお互いがそう思っていたとしても規定で許されないらしい。
リッキーはベラの遺灰を携えてトゥパックと共に脱走を計画。
慣れないブッシュの中に足を踏み入れて道に迷う。
渋々探しに来たヘクターと脱走の旅を続けるのだが……。
 
リッキー役のジュリアン・デニソンは、お世辞にも可愛い子とは言えません。
何より相当のおデブなのに、生意気で悪態つくからますます可愛くない。
でも、ベラが用意した湯たんぽを大事そうに抱きしめるところや、
誕生日プレゼントに目をまん丸くして喜ぶ姿を見ると、なんだか憎めない。
サム・ニール演じるヘクターも、そんなリッキーだから放っておけない。
 
やがてヘクターとリッキーの何カ月もに渡る逃走劇が国中の評判となる。
ヘクターを変質者だとか誘拐犯だとして敵視する人もいるけれど、
見ればそうじゃないとわかるから、逃走に手を貸す人も出てきます。
 
ぎすぎすとした心が溶けて行きそうな佳作です。
なんだかんだで有料作品の中にこういういいやつが多いんだなぁ。
やっぱりお金払って観ることにするか。

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