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『エベレスト 3D』

2015年11月25日 | 映画(あ行)
『エベレスト 3D』(原題:Everest)
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:ジェイソン・クラーク,ジョシュ・ブローリン,ジョン・ホークス,ロビン・ライト,
   マイケル・ケリー,サム・ワーシントン,キーラ・ナイトレイ,エミリー・ワトソン他

前述の『ラスト・ナイツ』とハシゴ。これも109シネマズ箕面にて。
せっかくなのでIMAX3D版を鑑賞。

ここ数年、ドキュメンタリーにフィクションに、ものすごく多い山の話。
タイトルを聞いただけではいったいいつのどの登山隊の話か思い出せないほど。
でも、どの登山隊にも凄いドラマがあり、
「音楽×映画」にそうそうハズレがないのと同様、
「登山×映画」も良かったと思える作品が大半を占めます。

世界最高峰の山、エベレスト。
1920年代から名だたる登山家が登頂に挑戦するも成し遂げられず、
1953年にイギリス探検隊のメンバー(だがイギリス人ではない)がやっと初登頂。
かつては登頂不可能と目されたエベレストですが、
1960年代に入ると数人、1970年代から1980年代にかけては年に10人弱が成功。
1990年代にはガイドや会社が登りたい人を募る公募隊が現れ、
商業活動としての登山ツアーがさかんになります。
そんななか、1996年に起きた大規模遭難事故を映画化したのが本作。

1996年、ニュージーランドの登山会社が企画したエベレスト登頂ツアー。
医師のベック・ウェザーズ、郵便配達員のダグ・ハンセン、
ジャーナリストのジョン・クラカワー、日本人女性の難波康子など、
アマチュアではあるが登山経験豊富な8名が参加。
ベテランガイドのロブ・ホールが彼らを率いる。

一行は標高5,000mを超えるベースキャンプに約1カ月滞在。
体をこの高度に順応させ、登頂に向けて訓練をおこなう。
しかし、商業登山まっさかりで、ベースキャンプは人だらけ。
登頂予定日はどこも似たり寄ったりで、ガイドたちはイライラを募らせる。
譲り合わなければ思うように進めず、どこも失敗に終わる可能性も高い。

そこで、ロブは旧知の登山ガイド、スコット・フィッシャーに声をかける。
商売敵ではあるが、ここは協力体制を取るほうがお互いにとって良い。
スコットも賛成し、お互いに協力しながら登頂を目指すのだが……。

監督はアイスランド出身の変わり種、バルタザール・コルマウクル。
『ハード・ラッシュ』(2012)と『2ガンズ』(2013)も面白かったけれど、
なんと言っても良かったのは『ザ・ディープ』(2012)。
良かったと言ってもハッピーエンドなどではなく、
重々しい空気がまるでドキュメンタリーのようで、話に引き込まれました。
本作はおそらく製作費も思いきり使えるようになったのでしょう、
よりスケールは大きくなっていますが、自然の恐ろしさを感じる点は同じ。

登山経験も十分にあり、これに600万円以上も注ぎ込めるってどんな人たち。
鑑賞に当たっては興味半分の気持ちしかありませんでしたが、
それぞれに登頂に託す思いがあり、金持ちの道楽というわけでもないのですね。
が、それだけお金を払っているのだから、
ガイドが登頂に成功させて当たり前という態度も見えなくはありません。
ロブ役のジェイソン・クラーク、スコット役のジェイク・ギレンホール
やり方は異なっても、無事に帰すまでが仕事のガイドたちの気の張りよう。

山にも休んでもらわなければ。そんなみんなの思いがあったのか、
今年は40年以上ぶりにエベレスト登頂者がいない年だそうです。

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