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『60歳のラブレター』

2009年11月27日 | 映画(ら行)
『60歳のラブレター』
監督:深川栄洋
出演:中村雅俊,原田美枝子,井上順,戸田恵子,イッセー尾形,綾戸智絵,
   星野真里,内田朝陽,石田卓也,金澤美穂,原沙知絵,石黒賢他

住友信託銀行が50歳以上を対象に毎年募集している、
夫から妻へ、妻から夫へのラブレター。
大人気のこの企画は今年10回目を迎えるそうで、
過去の応募作品をヒントに制作された映画がこれ。

登場するカップルは3組です。

大手ゼネコンを定年退職した橘孝平と妻のちひろは、
これを機に離婚を決める。
愛人が経営するベンチャー企業にパートナーとして加わり、
家はちひろに渡して、愛人宅へ。
30年間、専業主婦だったちひろは、家事の腕前を活かして、
売れっ子女性翻訳家のお手伝いさんとして働くことに。

その翻訳家、長谷部麗子。
厚化粧にヘヴィースモーカー、仕事のできる彼女は、男性に敬遠されがち。
医療用語の翻訳に関してアドバイスを頼んでいる内科医、佐伯静夫に
ひそかに好意を寄せているが、彼が既婚者なのかどうかすら知らない。
意を決して尋ねてみると、奥さんとは5年前に死別したとわかり、
晴れて麗子は静夫を食事に誘う。

ちひろの行きつけの魚屋の主人、松山正彦。
糖尿病を患っており、妻の光江の厳しい監視下、摂生中。
担当医の静夫のもとへはいつも夫婦そろってやって来る。
ある日、正彦の診察に訪れたつもりが、
光江に脳腫瘍の疑いがあることが判明し……。

晩に観たら、翌日もまぶたが腫れるんちゃうかと思うほど泣けましたが、
だからめっちゃ良かったかと言われると、それはまた別で。
あまりに感動的すぎて、そんな上手いこと行くかいなみたいなアマノジャク的根性が。(^^;

それでも、いい具合に歳を重ねている出演陣の演技はさすが。
中村雅俊にろくでなしは似合わないと思っていましたが、
情けない男振りが板に付いていましたし、
ひっつめ髪の原田美枝子の変身ぶりには目を奪われます。
イッセー尾形が歌うビートルズも味があり、綾戸智絵との夫婦の会話は絶妙。
大腸菌を語らせたら止まらない井上順も良いし、
戸田恵子がまくし立てるシーンは涙なしでは見られません。

ベテラン俳優に混じって登場する娘役たちも鮮やか。
いちばん良かったのは、石田卓也の役どころ。
これはちょっとしたサプライズでした。

同監督作ならば、『真木栗ノ穴』(2007)のほうが好きだけど、
う~ん、素直に「良かった」と言っておくべきやろなぁ。

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