夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『映画 聲の形』

2016年11月05日 | 映画(か行)
『映画 聲の形』
監督:山田尚子
声の出演:入野自由,早見沙織,悠木碧,小野賢章,金子有希,
     石川由依,潘めぐみ,豊永利行,松岡茉優他

月・火曜日は終業後に2本ずつ観たらさすがに疲れてヘロヘロ。
水曜日は『スター・トレック BEYOND』の1本のみで帰宅。
ダンナが出張から帰ってくるまでに残された日はあと1日だから、
気を取り直して木曜日、またまたTOHOシネマズ西宮で2本。
上映中の作品で観ていないものはほとんどなく、消去法で観そびれていた本作を。

前知識まったくなく観たら、ものすごくヘヴィーで参りました。
おかげで疲労Max、寝不足にもかかわらず、睡魔には襲われることもなく。
『別冊少年マガジン』および『週刊少年マガジン』に掲載された大今良時のベストセラーとのこと。
へ~、これも少年漫画なのですね。良い漫画に男女の垣根なし。
2015年の『このマンガがすごい!』のオトコ編で1位にランキングされたほか、
同年の『マンガ大賞』の3位、『手塚治虫文化賞』の新生賞などにも選出されています。

小学6年生のガキ大将、石田将也(しょうや)。
働き者で明るい母親と二人暮らしで、姪っ子を預かることも多い。
学校では同級生の島田一旗や広瀬啓祐、植野直花らと毎日楽しく過ごしている。

そんな将也のクラスに、聴覚障害を持つ西宮硝子(しょうこ)が転校してくる。
筆談用のノートを掲げ、これで自分と話をしてほしいという彼女。
しかし、空気の読めない部分もある彼女に同級生らは戸惑い、
耳が聞こえないのをいいことに、植野は背中越しに悪口を言いはじめる。
そればかりか、硝子と親しくなった佐原みよこまで心ないことを言われ、
みよこはやがて学校に来なくなってしまう。

硝子に対する将也のいじめは次第にエスカレート。
暴言は序の口で、ノートを水浸しにしたり、耳から補聴器を乱暴に抜き取ったり。
怪我を負わされても逆に謝り、笑顔を絶やさない硝子だったが、
常態化したいじめに硝子の母親が憤り、再び転校を余儀なくされる。

ところが硝子の転校後、どうしようもないいじめっ子として将也がハブられる。
周囲から孤立し、心を閉ざしたまま高校生となった将也は自殺を決意。
その前に硝子に会っておこうと思うのだが……。

あまりにヘヴィーで、冒頭からへこたれそうでした。
このところのアニメは『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2013)、
『心が叫びたがってるんだ。』(2015)もそうだったように、
ただ観て笑い楽しむだけのものではないようです。

いじめっ子はなぜいまさら謝りたいと思うのか。
相手のためというよりは、自分がすっきりしたいからなのか。
むかし自分をいじめた奴を許せるものなのか。
許して、そのあとはどうなるのか。
そこに障害も絡んでいるので、簡単には何も言えません。

かくいう私も幼稚園のとき、いじめられっ子でした。
登園初日に「お母さんと離れたくない」と号泣したのがウザかったらしく(笑)、
背の順に並ぶと私を挟んで前後になる女の子(そのふたりはいとこ同士だった)から
頭に砂をかけられたりして、2年間いじめ抜かれました。
片方とは小学校も同じでしたが幸いにして6年間同じクラスにはならず。
もっとも、ふたり揃わなければ力は発揮できないようで、
いじめたことなどないように振る舞う彼女のことが大嫌いでした。
今でも絶対に許せません。それで自分の子どもを持つのが怖かったということもあります。

そんなこともあったから、気持ちはとても複雑。
すべてよかったということはできないけれど、
いじめる側、いじめられる側、双方の友人、身内など、
いろんな立場の人の心の内は代弁できているところも多いのではと思います。
これまでスルーしてきたけれど、観てよかった。

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