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『ブラインドスポッティング』

2019年09月13日 | 映画(は行)
『ブラインドスポッティング』(原題:Blindspotting)
監督:カルロス・ロペス・エストラーダ
出演:ダヴィード・ディグス,ラファエル・カザル,ジャニナ・ガヴァンカー,
   ジャスミン・セファス・ジョーンズ,イーサン・エンブリー他
 
大阪ステーションシティシネマにてレイトショー。
21:20からの回で客は20人程度、ほとんどが独りで来ている客。
そして、私を除いて全員男性(笑)。
ま、デート向きじゃないですからね。でもめっぽう面白かった。
 
黒人のコリンと白人のマイルズはこの町で一緒に育った大親友。
 
コリンはある事件を起こして逮捕されて服役。
出所から1年間は指導監督期間、つまり保護観察期間。
365日のあいだ門限を守り、住まいのトイレ掃除を怠らず、
そのほか何も問題を起こさなければ晴れて自由の身となる。
 
期間終了まであと3日となった日。
とにかく平穏無事に3日間が過ぎ去るよう努めているのに、
マイルズはコリンの目の前で友人からを買う。
頼むから俺に銃を見せないでくれ。
そう懇願すると逆に面白がって銃を振りかざすマイルズ。
 
やっとのことでマイルズと別れ、帰途に就いたコリンだったが、
勤務先である引っ越し業者のトラックを運転して赤信号で停車中、
どこからか走ってきた黒人が白人警官に射殺される場面を目撃してしまう。
背後から弾を4発も撃ち込まれて。
 
その警官と目が合ったものの、
ちょうど現場に到着した複数のパトカーから直ちに立ち退くように命じられ、
心臓をバクバクさせたまま自宅に帰り着く。
コリンはこの夜と残り2日間を無事に過ごせるのか。
 
オークランドという町がアメリカのあちこちにあるって知らなかったんです。
で、ほかの州のオークランドがどうだかわかりませんが、
本作の舞台となっているオークランドはおそらくもともとは治安がよくない?
それがなかなかにお上品な人たちが転入してきて、町の雰囲気も変わりつつある。
たぶん、そんな感じ。
 
黒人と白人が大親友と聞いて、微笑ましく思っている私がいます。
微笑ましく思う必要がどこにあるのでしょう。
そんなことを思うこと自体、無意識のうちの差別があるのだと気づく。
 
マイルズは喧嘩っ早くて怒ると手がつけられない。
相当にアブナイ奴なのですが、差別意識はまったくないように見える。
コリンのことは大好きで信頼している。そう見えます。
 
実際そうだったはずなのに、3日の間に浮き彫りになる問題。
軽快で楽しげな会話やシーンの中に現れる、この町が、人が抱える問題。
軽い気持ちでは観ていられない、ヘヴィー級の作品です。
 
主演のふたりは本当に長年の友人とのこと。
差別なんてなくなればいい。

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