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『ロング,ロングバケーション』

2018年02月03日 | 映画(ら行)
『ロング,ロングバケーション』 (原題:The Leisure Seeker)
監督:パオロ・ヴィルズィ
出演:ヘレン・ミレン,ドナルド・サザーランド,クリスチャン・マッケイ,
   ジャネル・モロニー,ダナ・アイヴィ,ディック・グレゴリー他

TOHOシネマズ梅田で『デトロイト』を観て、
大阪ステーションシティシネマへ移動。

イタリア出身のパオロ・ヴィルズィ監督によるイタリア/フランス作品。
監督作にはモニカ・ベルッチを主演に起用した作品もありますが、
ほとんどが日本ではDVDスルー。
本作も含めて直近の3作品がようやく劇場公開されるように。
そして出演陣もやっと知名度の高い役者になりました。

原作はマイケル・ザドゥリアンのベストセラー『旅の終わりに』。
翻訳版は昨年暮れに出版されたばかりのようで、
本作の原作ということで発刊の運びとなったのかもしれません。
連れ添って50年の夫婦を演じるのは、ドナルド・サザーランドヘレン・ミレン

ジョンとエラは結婚50年の夫婦。
末期癌に冒されているエラは、アルツハイマー進行中のジョンと共に
キャンピングカー“レジャーシーカー”号(=原題)に乗って人生最後の旅へ。
ジョンが敬愛するヘミングウェイの家があるフロリダ州キーウェストを目指す。

実家に立ち寄った長男ウィルは、空っぽの家を見て仰天。
長女ジェーンに連絡、ふたりで慌てふためくが、
電話をかけてきたエラは至って冷静に「心配ない」と言うのだが……。

エラには大きな車など運転できないから、記憶が怪しくても運転はジョンの役目。
アルツハイマーでも運転可能なんだと、まずそこにビックリ。
進行すれば無理なのでしょうが、ジョンはまだ大丈夫な程度の模様。
しかし危険なことには変わりなく、休憩した場所にエラを置き忘れたりも。

愛し合った夫婦の最後の珍道中。
知らずにあの世へ行くほうがよかったことが判明したりもして多難。
長年の憧憬の地だったヘミングウェイの家は、もろ観光化。
そこらじゅうスマホを構える人だらけで、憮然とするエラの表情が笑えます。

老人の性まで見せられると、かなり生々しくてそこには嫌悪感。
ウィルが「吐きそうになった」という台詞が先にあるから、
それを思い出して笑ってしまいましたけれども。

ヘレン・ミレン、72歳。ドナルド・サザーランド、82歳。
知的で華やかさも持ち合わせるふたり。毒づくヘレン・ミレンも最高です。
どうぞいつまでもお元気でいらっしゃってください。

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