夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ジュリーと恋と靴工場』

2017年09月28日 | 映画(さ行)
『ジュリーと恋と靴工場』(原題:Sur Quel Pied Danser)
監督:ポール・カロリ,コスティア・テスチュ
出演:ポーリーヌ・エチエンヌ,オリヴィエ・シャントロー,フランソワ・モレル,
   ロイック・コルベリ,ジュリー・ヴィクトール他

先週の土曜日、奈良の名勝大乗院庭園文化館で王朝継ぎ紙展を観る予定。
晩ごはんは京都で食べることになっていたから、
どこで映画を観るか悩み、結局奈良へ乗り込む前に梅田で2本。
梅田ブルク7から配信されていた誕生月割引クーポンを利用しました。

後日UPするハシゴの2本目が目当てだったから、
時間的に合うものならば何でもよかった。
そんななか、「靴工場」というのが楽しそうで選択したのがこのフランス作品。
なのに。なんじゃこりゃ。ヒドすぎる。
駄作も愛情を持って見つめたいところだけど、これは無理。
今年こんなに腹立たしく思った作品はほかに記憶になし。

靴の量販店に勤務する25歳のジュリー。
試用期間が満了する日、店長から呼び止められたジュリーは、
正社員として登用されるのだと喜ぶが、その逆。
一緒に入った巨乳女子だけが正社員に選ばれたのだ。

意気消沈しているひまもなく、どうしても正社員になりたくて、
職種を問わずに応募するが、どこも採用してくれない。
あきらめ気分で臨んだ高級靴ブランドの工場の倉庫番に試用される。

ところが、パリ本社では靴製作の機械化を検討中。
新聞でそれを知った靴職人たちは、バスで本社へ。
試用の身のジュリーは、このせいでクビになんてなりたくないのに、
抗議活動に巻き込まれてしまい……。

そもそもがミュージカルだとは知らずに観に行ったから、
いきなりジュリーが歌って踊り出したところで愕然。
別にミュージカルが嫌いなわけじゃないからいいけれど、
楽曲もよくないし、歌も特に上手くもない、まるで心に響かない。
前知識なく観に行ったミュージカルで『踊るアイラブユー♪』(2014)なんて楽しい作品もあったのに。

気を取り直していいところを見つけようと思ったけれど、
何でもいいから正社員になりたいだけで、仕事に対する熱意や敬意はゼロのジュリー。
冒頭こそ巨乳ゆえにライバルのほうが選ばれたのかと同情し、
女性の共感は得られそうな作品だと思ったら、ぜっんぜん。

ジュリーが恋する相手の配送業者サミーはまたまたニヤけた優男で魅力なし。
誠実さのかけらも見えず、ジュリーが好きになる不思議。
女性ばかりの工場で、オバハン職人たちがサミーとベタベタするのもキモイ。
これも私の大の苦手、「オバハンの妄想」です。

せめて高級靴がいろいろ出てきて楽しませてくれるかと思いきや、それもなし。
唯一マシだったのは、70分目辺りのみんなが赤い靴「たたかう女」を履いて踊るところ。

靴工場のリストラの話なら、『キンキーブーツ』(2005)で決まり。
その百分の一の面白さも本作にはナシと見ました。

とどめはオチ。
一件落着して正社員に登用されることになったのに、
結局サミーと一緒に出て行くことにしたんですと。アホくさ。

久々に怒りに駆られてクソミソに書いてしまいました。(^^;
あと3カ月でこれ以上のつまらない作品を観ることがあるとも思えず、
今年のワースト、決定的。

……なんて言いつつも、こういうのを書いているときのほうが楽しいんだなぁ(笑)。

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