夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『mid90s ミッドナインティーズ』

2020年09月08日 | 映画(ま行)
『mid90s ミッドナインティーズ』(原題:Mid90s)
監督:ジョナ・ヒル
出演:サニー・スリッチ,ルーカス・ヘッジズ,キャサリン・ウォーターストン,ナケル・スミス,
   オーラン・プレナット,ジオ・ガリシア,ライダー・マクラフリン,アレクサ・デミー他
 
TOHOシネマズ梅田で欅坂46を観た後、45分間ひとり呑みしてからシネ・リーブル梅田へ。
 
ぽっちゃり色白おデブの俳優ジョナ・ヒルの監督デビュー作。
彼自身の少年時代の思い出をもとにした半自伝的物語だそうで。
たいして有名な役者が出ているわけじゃないのに、よく客が入っています。
私が観た回もその次の回も満席になっていました。
何が人の興味を惹くのかわからんもんですねぇ。
 
1990年代半ばのロサンゼルス。
13歳の少年スティーヴィーは、シングルマザーの母親と兄イアンの3人暮らし。
チビのスティーヴィーは、歳が離れて体も大きなイアンからしょっちゅう暴力を受けている。
早く大人の仲間入りをしたい、そう願う日々。
 
ある日、スケートボードを抱えて座り込んでいたところ、
同じ年頃の少年ルーベンから声をかけられる。
それをきっかけにスケボーショップに出入りする「ちょっぴり不良たち」と知り合いに。
特にレイはスケボーの腕前が群を抜いていて、スティーヴィーの憧れ。
仲間として受け入れられたことを喜ぶスティーヴィーだったが……。
 
レトロとまでは行かないけれど、25年前はこんなだったかもしれません。
ちょっとワルくてカッコイイものに憧れていた少年の気持ちは
同じ年頃の時代を振り返ってみれば誰もが想像できそうに思います。
 
ルーカス・ヘッジズ演じる兄イアンから派手に殴られているというのに、
キャサリン・ウォーターストン演じる母親は気づきもしない。
母親づらしているだけのアカン女と思うのですけれど、
私がいちばん好きだったシーンは、怪我をしたスティーヴィーが運ばれた病院のロビーで、
それまで母親がつきあいを禁じていた不良たちが疲れて眠りこけているところを
母親が半ば呆れ顔で見つめるシーンでした。しゃあないな、こいつらええ奴やん、そんな顔。
 
半自伝的物語で自分の子どもの頃の役を演じるのがサニー・スリッチって、
美少年すぎやしないかい?と思ったけれど、
このときのジョナ・ヒルを思い出せば、確かに彼は美少年だったのでしょう。
 
少しの郷愁に誘われて切なく爽やか。心洗われた気持ちになります。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『僕たちの嘘と真実 Document... | トップ | 『人数の町』 »

映画(ま行)」カテゴリの最新記事