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『エスケーピング・マッドハウス』

2021年06月13日 | 映画(あ行)
『エスケーピング・マッドハウス』(原題:Escaping the Madhouse: The Nellie Bly Story)
監督:カレン・モンクリーフ
出演:クリスティナ・リッチ,ジュディス・ライト,ジョシュ・ボウマン他
 
2019年のアメリカのTVM(テレビ放映用の映画)。
緊急事態宣言発令下でなかなか劇場へ行けないから、
Amazonプライムビデオにお世話になりまくり。
 
「一度入ったら最後、人間用ネズミ捕り」。
そんな物騒な場所を舞台とする実話を基にしています。
 
1887年、ニューヨークのブラックウェル島(現ルーズベルト島)にある精神病院
心神喪失状態でさまよっていた女性が収容される。
彼女が覚えているのは「ネリー・ブラウン」という自身の名前のみ。
それ以外の記憶はいっさい失っているらしい。
 
記憶喪失の美しい女が保護されているという記事があちこちに載り、
妻や娘かもしれないと面会者が多数訪れるが、誰も該当せず。
こうしてネリーは入院することになる。
 
グラディ寮長以下、職員たちの間では患者への虐待が常態化。
寮長の椅子に座ったというだけで虐待が待っている。
彼女たちの尊厳を守ってくれるのは新任の医師ジョサイアだけで……。
 
ヒドイんです、Amazon。
あらすじがネタバレ全開だから、そうだったの!?という驚きも何もない(笑)。
「この彼女の正体は、不穏な噂がある精神科病院の実態を潜入取材しようと試みた記者だった!」
……って、観る前に読ませてどうする(笑)。
 
潜入取材の先駆者だった女性ジャーナリスト、ネリー・ブライは、
この病院で虐待がおこなわれているとの情報を得て、潜入を決意。
一度入れば無事に出てこられるかどうかわかりません。
それでも彼女はネリー・ブラウンという偽名を名乗って潜り込み、
実際、本当に精神疾患があると診断され、出るのは大変だったようです。
 
ネリーは記憶喪失を装っている以外は普通に振る舞い、
言動に少しもおかしなところはありません。
でも、いったん精神疾患と診断されると、
本人が「私は正気だ」と叫べば叫ぶほど異常だと言われる。
信頼できると思っていた医師まで自分を疑い始める。
こんな状況では本当に精神を病んでしまうかもしれません。

ついには自分がジャーナリストであることを明かして
病院から出ようとするものの、そんなこと寮長が許さない。
彼女を助けようとする職員がひとりだけいたからよかったけど、
そうでなければ彼女は殺されていたでしょうね。
 
ところでお久しぶりのクリスティナ・リッチ、ムチムチはどこへやら。
すっかり痩せてしまいました。昔の彼女が懐かしい。
体型は変わっても演技の上手さは相変わらず。

女性初の有名記者で後の精神病院の在り方にも影響を与えたという彼女のこと、
本作で知ってみませんか。

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