『ポルノ☆スターへの道』(原題:Bucky Larson: Born to Be a Star)
監督:トム・ブラディ
主演:ニック・スウォードソン,クリスティナ・リッチ,ドン・ジョンソン,
スティーヴン・ドーフ,イードゥー・モセリ,ケヴィン・ニーロン他
先月半ばにレンタル開始になった2011年の作品。
日本では未公開だったのも当たり前、アメリカのレビューサイトでは、
2011年に公開された作品のなかで最低値を記録。
ワースト映画を決める第32回ゴールデンラズベリー賞の各部門にノミネートされ、
受賞は『ジャックとジル』に譲ったものの、私的には不快度はこちらのほうが断然上。
あまりにアホらしすぎて、逆に執筆意欲に駆られました。(^^;
スーパーのレジ係として働いている青年バッキーは、
お天気屋の上司から言いがかりをつけられてクビに。
落ち込むバッキーを優しい両親がなぐさめる。
友人たちからも景気づけの企画があると誘われ、ある友人の部屋に出かけてみると、
そこにはAV(アダルトビデオ)がセットされていた。
おぼこすぎるバッキーは、これまで下ネタとはまったく縁がなく、
そこに座れと言われても何をどうしていいのやらわからない。
ただ、画面に映る女優のハダカを見ていると、なんだかムラムラ。
ところが、大写しになった男女の顔を見て、一同はビックリ。
それはなんと、若かりし頃のバッキーの両親だったのだ。
自分の両親が映画に出演していたことを知ったバッキーは大喜び。
帰宅して両親に「見た」と報告すると、両親も嬉しそう。
実は両親は1970年代のポルノ映画界の大スターだったらしい。
その血を引く自分もやはりポルノスターにならなくては。
そう考えたバッキーは、ポルノスターになれそうな場所へと赴くのだが……。
97分の作品なのですが、まずこのバッキーを見るのがキツイ。
60分まで、なんど観るのをやめようと思ったことか。
もう少しビジュアル的にイケている俳優ならともかく、失礼ながらこれはヒドすぎます。
それでも観るのをやめなかったのは、
一旦観はじめたらどんな作品であろうと止めたり早送りしたりしないと決めているということもありますが、
脇を固める俳優陣がかなりゴージャスだったから。
っちゅうのか、この人たち、なんでこんな映画に出ているの。
脚本・製作がアダム・サンドラーなので、その人脈ゆえなのでしょうね。
まずは、バッキーが想いを寄せるウェイトレス、キャシーにクリスティナ・リッチ。
彼女は聖母マリアのような愛をバッキーに注ぎます。
ま、彼女の場合はキワモノ的作品への出演も多いので、納得できますけれど。
この作品中、唯一心が洗われるのは、彼女の出演シーンかも。
それから、しばらく見なかったドン・ジョンソン。
バッキーの両親のスター時代を知るポルノ映画監督、マイルス役で登場。
ポルノ業界を題材にした秀作といえば『ブギーナイツ』(1997)ですが、
あちらは巨根だったのに対し、こちらはありえないぐらい貧相(らしい)。
しかも女性のオッパイを見ただけでイッてしまうバッキーにマイルスは呆れますが、
世の中の自信のない男性にバッキーが希望を与えるであろうと読み、
「粗チンの救世主」として売り出すことに成功します。
相変わらずイケメンのおじさんなのに、この役はなんだか……。(;_;)
そして、スティーヴン・ドーフ。
『タイタニック』(1997)で主演のオファーが来ていたのに、ハリウッド大作嫌いゆえに断り、
話がレオナルド・ディカプリオに移ったという過去もある彼は、
カッコよく、巨根の持ち主で、業界No.1のAV男優、ディック役。
バッキーのことをバカにしていたら、あっという間に人気をさらわれる、
自意識過剰な男として登場し、これもなんだか……。(T_T)
ヒドイ、ほんとにヒドイ。
だけど、観なければよかったとは思わないんです。
もう一度観ろと言われても絶対ムリですけれど。
はい、ヒドイ作品のご紹介でした。誰か観て。