5月29日(土) 晴
午前中に長男から、享年64歳で亡くなった父親の誕生日を祝うメールが届いていた。 午後には次男も ”参戦”。 亡き人への追慕のメールが重なった。
人は長く生きることだけが良いわけではなく、いかに生きたかで語られるべきであろう。
とすれば、没後27年もの間、毎年誕生日を祝われ祥月命日にも手厚く祀られる、彼はなんと幸せな人なのであろうか。
おやつタイムに、長孫がお気に入りのパティスリー・アーチ青蓮寺のケーキをそれぞれに買ってきてくれて、お仏壇に長く額づいてからいただいた。
「高校3年生の時に好きになって、20歳で『結婚してください』って、ばぁばから言ったのよ。 じぃじは、男らしい、笑顔の素敵な人だった♪」
聞かれもしないのに、聞いてくれているかどうかもわからないのに、思い出話を解き語り。
くつろぐ長男の足の上に、みるくがゆっくりと上がってくつろぐ。
「まさか! パパさんはみるくの天敵だよね?」
撫でては威嚇され、声をかけても怒られているみるくとパパさんの関係が今日は何たる【梅雨の珍事】!
夫が愛した庭の築山には植木が生い茂り、下草にはドクダミとスギナとシダの類が席巻している。
帰去来兮。田園将蕪、胡不帰。
この世の、持てるものすべてを捨てて逝かれた夫に、「お誕生日には帰って来てね」とつぶやいてみる。