♪ 嗚呼、みるくちゃん、君を哭く④ 雨の一日は、出入りが慌ただしくて

１１月１日（火）　　　　　雨

慢性腎不全と診断されたみるくは今日も元気で、腰砕けになりはしたけれど、下肢を引き上げるようにして移動し、寒くなったら座卓の下に潜り込み、熱くなったらフローリングに出て腹部を冷やす。

午後５時はん、突然激しいけいれん発作を起こし、すぐに抱き上げるも顔の形相すさまじく、唸り声をあげ四肢をこわばらせて、けいれんしている。

抱いていたタオルを口中に咬ませ、不測の事態に備える。

「大丈夫だよぉ。　大丈夫だよぉ」

少し強めに抱きしめ、【みるくの子守唄】を歌ってやる。

童謡『さっちゃん』の、替え歌である。

♪みるくちゃんはね　みるくっていうんだよ　ほんとは、ね

だけど可愛いから、君のことみるちゃんって　言うんですよ

可愛いね　みるくちゃん！

発作が収まるまでに２０秒ほどであったろうか、肝を冷やした。

深夜にもう一度けいれん発作を起こすも、１０秒ほどで静まった。

おむつ交換は、おしっこが出ていないのでそのままにした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　

週のうちで一番忙しい火曜日。

小雨の中、早朝の黒田道に小学生の見送りに行き、なぜか疲労感が自覚されるので、帰宅してからタイマーをかけて、午前９時から正午まで、泥のように眠った。

歌友の美恵子さんの車で、中央市民センターにひまわりコーラスの練習に行く。

８日に開かれる、川北静代表の『白寿記念コンサート』の仕上げに向けて、指揮の富永先生、ピアノの恵村先生のご指導に、気合いが籠もる。

束の間、みるくを忘れた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　

夕方、トイレの便座を取り付けにきてくださった。

フレキシブルパイプが新しくなり、長引いたわが家の水難事故がやっと終わった。

１０日前なら、好奇心満々で覗きに来ただろうみるくは、さくらのベッドに体を横たえ、このあと発作を起こしたのだった。

みるくちゃん、嗚呼、みるくちゃん、みるくちゃん。