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「森友」「加計」疑惑 新たな疑い次々、国会で解明を

2017-08-20 | 国会論戦

安倍晋三政権下で続発した、大阪の学校法人「森友学園」への国有地格安払い下げなどの疑惑と、首相の「腹心の友」が理事長を務める岡山の学校法人「加計学園」での獣医学部開設の疑惑―。いずれも、通常国会でも閉会後の審査でも解明が尽くされないままとなっています。日本共産党など野党は、「森友」の名誉校長を務めていた安倍首相の妻・昭恵氏、加計孝太郎理事長らの国会招致や臨時国会の開催を求めていますが、安倍政権は拒否しています。「森友」をめぐっても「加計」をめぐっても新たな疑いが相次いでおり、国会での徹底解明が不可欠です。

説明責任は果たされず

 疑惑が最初に報道されてから約半年を迎えた「森友」問題では、籠池泰典理事長(当時)の国会での証人喚問が行われました。「森友」が国有地の小学校用地を格安で払い下げをうけ、昭恵氏が一時「名誉校長」を務めるなど建設を進めてきた大阪・豊中市内での小学校開設は断念され、小学校建設に絡んで国や大阪府の補助金をだまし取っていた疑いで籠池氏らが逮捕されています。しかし、財務省・近畿財務局が本来あり得ない国有地の「賃貸」で建設を認めたうえ、評価額の約9割引きという破格で払い下げた疑惑の核心は未解明です。昭恵氏が「森友」と財務省を仲立ちした可能性もあり、「森友」に対する「100万円の寄付」疑惑も指摘されたのに全く説明責任を果たしていません。

 国会で「森友」との交渉記録は破棄したとの答弁を繰り返した佐川宣寿理財局長は7月に国税庁長官に昇格、いまだに記者会見さえ開こうとしません。近畿財務局が「森友」に値引き価格まで示して打診したという新疑惑まで明らかになっているのに、説明拒否は行政への不信を募らせるだけです。

 一方「加計」疑惑をめぐっては、安倍政権が旧知の加計理事長のために、首相肝いりの「国家戦略特区」を使って行政をゆがめ、獣医学部新設に道を開いた疑いがあるのに、首相は通常国会ではまともに説明せず、加計理事長本人は一切表に出て説明していません。安倍首相は通常国会閉幕後の7月下旬開かれた衆参両院予算委の閉会中審査で「加計」が獣医学部開設を計画していたこと自体、正式決定の今年1月20日まで知らなかったと言い出すありさまです。

 ところがその直後、首相が「知った」という1年半以上も前に「国家戦略特区」の関連会議に「加計」幹部が出席して計画を説明していたことや、首相官邸で首相秘書官が「加計」幹部と会っていたことなどが相次いで明らかになり、首相発言の信ぴょう性が根本から疑われています。「加計」が出席した「国家戦略特区」関連会議の議事録などがねつ造された疑いもあり、徹底解明が不可欠です。

改造後の内閣も疑惑隠し

 「森友」疑惑も「加計」疑惑も安倍首相やその妻の昭恵氏が深くかかわった安倍政治の根幹にかかわる疑惑です。8月初めに内閣改造が行われ、その後のどの新聞、テレビの世論調査でも、7~8割が「森友」も「加計」も解明が尽くされていないと答えています。安倍政権が疑惑解明を尽くさなければ、改造内閣も疑惑隠し内閣だということを証明するだけです。安倍政権に政治を任せられないことはいよいよ明らかです。


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