大阪市の4区(浪速区、東住吉区、福島区、港区)が生活保護利用者に顔写真付きの「本人確認カード」を作らせていた問題で17日、浪速区の利用者と支援者がこのカードを区に返還。声明文を出しました。
返還した「本人確認カード」は14人分で、弁護士立ち会いのもと保管されていた顔写真とともにシュレッダーで廃棄処分されました。
利用者が出した声明文は、「本人確認カード」作成は任意であるにもかかわらず、説明もなく顔写真と番号の入ったカードを作成したことについて、「強く抗議します。直ちに廃止してください」とし、「有害無益なカードではなく、子どもの学習支援など有益なことに力を入れてください」と述べています。
この問題について生活保護問題対策全国会議ほか29団体は、カードは生活保護への偏見を強め保護申請を萎縮させると批判。8月に大阪市に公開質問状を出し、10月には大阪市と4区に「『本人確認カード』の廃止を求める要望書」を提出しています。
返還に同行した全大阪生活と健康を守る会連合会の大口耕吉郎会長は「利用者に勇気を持って返還していただいた。今後も利用者の尊厳と権利を守るためにともに頑張ります」と述べました。