minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

mina外伝(その3)

2005年03月12日 | mina外伝
「ねえ、美奈。起きなよ。遅刻するよ」
里美の声が降ってくる。
「あんなに飲むからだよ。大丈夫?」
「なによぉ。そんなこと、よく言うわね。1人ではろくに歩くこともできなかったくせにぃ・・・・・・」
わたしは里美にそう言うと、のろのろとベッドから起きあがった。
「やだ。美奈、いつも裸で寝ているの?」
里美が素っ頓狂な声をあげた。
「えっ」
わたしは慌てて、身体をシーツで隠した。
そうだった。昨夜は、里美が寝入ってから、あいつが現れて、朝方まで獣のように交わっていたのだ。あいつの激しいセックスに翻弄されたわたしは、何度も絶頂を上り詰めさせられ、遂には失神してしまった。その時の格好のまま、全裸で眠りこけていた。股間はどうしようもないくらい残滓で汚れている。頭の中に生々しい情景が蘇り、わたしは思わず顔を赤らめた。
「シャワーを浴びてくる」
わたしはシーツを身体に巻きつけたまま、バスルームに走った。
「早くしてよ。もう遅れそうなんだから」
里美のいらいらした声が背中に突き刺さる。
・・・判っているわよ、そんなこと・・・
わたしはぶづぶつと文句を言いながら、バスルームの扉を開けた。
わたしは思わず、「ひっ」と小さな悲鳴を上げた。
そこにはあいつが立っていた。しかも、わたし同様全裸だった。
わたしの眼は、あいつの股間に釘付けになった。
あいつのあれで逝かされてしまった。あんなに感じたことはなかった。そして、その単刀直入な浅ましいまでの欲望に、思わずわたしは恥ずかしくなって眼を泳がせた。
ああっ、でも、わたしの身体は正直だった。わたしの心は自分自身に嘘がつけない。逞しく勃起したあいつのものを見て、情欲と期待がわたしの心の中に充満した。情けないことに、一度、外した視線は、再び、あいつの股間のものに戻っていた。わたしはごくりと唾を飲み込んだ。身体が、心が発情してくるのを、わたしははっきりと自覚していた。わたしの性器は愛液を潤沢に分泌し、入り口の花弁を濡らしていた。
わたしは、恐る恐る、あいつのペニスを片手で触った。触った指先が、あいつの尋常でない生命力を誇示するかのような力強い反発力で、びくんと弾かれた。
わたしは堪らなくなって、両手でそれを握り締めた。わたしの手のひらの中で、それは、どくどくと脈打っていた。くらくらするような興奮がわたしを襲った。
わたしはあいつの貌を見上げた。何の表情の変化もない能面のような顔で、あいつはわたしを見下ろしている。
なによ、このわたしがこんなになっているに、あなたはなんともないというの。
わたしは無性に腹が立って、あいつの目を睨みつけた。
「入れたければ、入れればよい」
わたしは耳を疑った。
このわたしに、なんてことをいうのよ。わたしに自分で入れろというの。
でも、ああ、でも・・・・・・。
わたしは本心からあいつのものを入れたがっている。あいつと繋がりたかった。強く激しく突いて欲しかった。
わたしは夢遊病者のように、片足を大きく跳ね上げ、バスタブのふちにかけると、開き切った股間に、あいつのものをあてがった。
「気持ちいい」
あいつの先端をわたしの女の入り口に擦り付けただけで、わたしは軽くアクメを覚えてしまった。たっぷり愛液を含んだわたしの性器は、期待にぷるぷると震えている。握りしめているあいつのものは熱く太く硬く、その先端をわたしの秘裂に沿って前後に動かしただけで、くちゅくちゅという肉と肉が捏ね回す音とともに、全身に快感が広がっていく。わたしの坩堝と化した膣腔は、その先端を捉えようと待ち構え、最大限に開いていた。
「んんん」
わたしの手が止まった。ついにわたしの蜜壺があいつの先端を捕らえたのだ。
「ここよ」
わたしはそのままぐっと押し込んだ。あいつのものでわたしの狭い膣腔が押し広げられ、満たされていく。わたしはあいつのものから手を離すと、そのままあいつにしがみつき、腰を突き入れた。
ぐちゅううう。
わたしの身体の最奥まであいつのものが届いた。
「はあぁぁぁぁんんんんんんん」
頭の中が真っ白になった。
わたしの求めていたのはこれなのだ。何人もの男にこれを求め、ことごとく裏切られてきた。この充実感。
わたしはゆっくりと腰を回しだした。自然に腰が動いてしまうのだ。打ち込まれたあいつのものを中心として、わたしの身体は前後左右に翻弄された。
鏡に映ったわたしの顔は、真っ赤に上気し、だらしなく半開きになった唇と虚ろな眼の奥に燃えあがっている情欲の炎が、厭でも発情していることを示している。
ふとあいつの顔を見れば、相変わらずの無表情であり、わたしは自分ひとりが発情していることを思い知らされ、羞恥の極みに突き落とされた。
「くっ。あなたは感じていないの。わたしがこんなに感じているのに」
わたしは悔しさと恥ずかしさで気が狂いそうになりながら、あいつに言った。
「もちろん、感じている。しかし、この身体は偽りのものだ。わたしの本当の身体、実体のある身体ではない。だから、交尾の快感も偽りのものでしかないのだ。本当の身体を取り戻すことが出来たら、お前と一緒にもっと感じることができるかもしれない」
「なによ。はぁぁぁ。そのためにわたしとセックスして、んんんん、感じるぅ、わたしの記憶の奥に隠されている源頼光の記憶を得ようとしているんでしょう。どうなのよぉんんんん。少しは判ったのぅぅぅぅぅぅ」
わたしは腰を激しく打ちつけながら、あいつに迫った。迫るといっても、回答を求めるというより、発情した雌猫が相手の雄猫にもっとしっかりやってと催促しているみたいな感じだった。我ながら、恥ずかしい。
「判ったとも。実は、京都まで一緒に行って欲しいのだ。京都の大江山にわたしの隠れ家がある。そこからそれほど遠くないところに、わたしの身体は隠されていた」
「馬鹿いわないでよ。あなたと違って、わたしには仕事があるの。生きていくためにお金を稼がないといけないの。判る、お金よ」
「金なら、いくらでもある。必要なだけ使うがいい」
「へ? いくらでも?」
「ああ、これだ」
あいつは一枚のコインをわたしに見せた。金色に輝く直径2センチほどのコインには、「開基勝宝」と刻印されていた。
「わたしが京の都で盗賊をしていた頃、貴族どもから奪ったものだ。これは金貨だが、銀貨や銅銭も山のようにある」
「それって・・・・・・」
わたしはあまりにのことに言葉を失ってしまった。セックスによる快感と思いがけないお宝伝説とが、一度に降って湧いたのだ。全身が歓喜に包まれ、何がなんだか判らないような目茶目茶に高揚した気分になった。
「うわぁぁぁぁ」
わたしは狂ったように腰を打ちつけた。ぐちゅぐちゅとあいつのものがわたしの中に出入りする音がする。全身が痺れたようになって、感じているのかそうでないのかすら、判らなくなっていた。
「とどめをさして」
わたしはあいつに泣きをいれた。
どうしても、逝くには、あと一突きが足りないのだ。わたしの泣きに頷いたあいつは、わたしの腰に両腕を回すと、ゆっくりと抽送を始めた。
ずしん。
まさにそんな感じだった。あいつの一突きは、わたしの身体の奥深くまで届いた。わたしは声も出なかった。一突きごとに、頭に中で真っ白い火花が飛んだ。3突き目にわたしはあいつの足許に崩れ落ちた。
気がついた時には、わたしはベッドの上で横になっており、心配そうな顔の里美がわたしの顔を覗き込んでいた。
「大丈夫、美奈。お風呂場で倒れていたんだよ。もう、心配したんだから」
「ごめん。今、何時。わたし、どのくらい、気を失っていた」
里美は、「ふうう」と大きな溜め息をつくと、
「今、8時だよ。気を失っていたのは、5分くらいかな。急げば会社に間に合わなくもないけど、どうする?」
と言った。
わたしは、あいつの言葉を思い出していた。確か京都に一緒に行って欲しいといっていたなあ。それと、お金はいくらでもあると。
しばらく会社を休むのもいいかもしれない。必ずしも、会社でうまくいっているわけではないのだ。むしろ、つらい毎日だった。
「里美、悪いけれど、わたし、今日は休むことにするわ。また、倒れてもいけないしさ」
「判ったよ。今から、会社に電話しておく。もう、わたしも休んじゃう。こんな美奈を1人で放っておけないもの。有休もたくさん残っているし、急ぎの仕事もないし、今日は、一日、美奈の看病をしてあげる」
里美は、そう言うと、携帯電話を取り出し、会社に電話を始めた。
持つべきものは親友だ。本当に助かる。
会社の上司とひとしきり話しをした里見が、携帯電話をわたしに突き出した。
「支店長が話したいってさ」
嫌な予感がしたが、出ないわけにはいかない。
「おはようございます。秋島です。今日は、体調がすぐれないので、急で申し訳ないのですが、休ませてください」
わたしは支店長にできるだけ弱々しい声で言った。
「困るんだよね、君1人だけならともかく、井上君まで巻き込んで。まあ、休むのはいいが、こんなことを続けると、それなりに対応させていただくことになるよ」
井上とは、里美のことである。
わたしにも後ろめたい所があるので、何も言い返せないけれど、本当に体調が悪い時にこんな風に言われたら、随分と落ち込むだろう。嫌味な奴だ。
「はい、判りました。以後、十分、注意しますので・・・・・・」
「ガチャン」
話している途中で、電話が切れた。なんて奴だ。
まあ、いいわ。今日は、これから、しなければならないことがたくさんある。落ち込んでいる暇なんてない。
わたしはバスルームで倒れた時、あいつからコインを受取っていたようなのだ。一枚の金貨を握り締めていたのに、携帯電話を受け取ろうとして気がついた。それを明るい陽にかざして観ると、まるで昨日作ったような新品の硬貨に見えた。
「開基勝宝」と刻印されている。あいつが言うのだから、本物だろう。一体、どのくらいの価値があるのだろうか。
わたしが金貨を眺めていると、里美が興味を示して、近寄ってきた。
「なによ、それ。綺麗ね」
「うん、どうやら、昔のお金みたいなんだ。これ、売れるかな」
「え、それ、売るの」
「うん。お金が必要なの。急に、京都に行くことになったのよ」
「そんな話、今、初めて聞いたわ。京都に何の用があるの」
「ねえ、里美も一緒に行ってくれないかなぁ。費用は全部、わたしが出すから」
「それを売ったお金で賄うのね」
「うん」
「じゃあさ、わたしのおじさんが骨董品を扱っているから、そこに相談してみる?」
「えっ、そんなおじさんがいるの? 渡りに船とはそのことよ。今から連れて行ってくれる?」
30分後には、わたしたち2人は、骨董品屋を営んでいる里美のおじさんのお店の前に立っていた。
(続く)


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ねぇねぇ、 (猫姫少佐現品限り)
2006-11-03 16:36:02
minaにこんなこと聞くの、愚問だとは思うケド、
カー○ッ○スって、したことある?
返信する
ここに。 (東大使)
2006-11-03 20:45:25
リンクさせてください。

なんともエロスのある小説・・。

童子との結末は、どうなるのでしょ。

すべてましろな世界へ旅立つのでしょか。。
「日蝕」平野啓一郎著
のラストシーンのような、POETICな世界へ
ブレイン・ジャンプするのかしら。
それこそ官能。
返信する
猫姫さまへ (mina)
2006-11-04 01:11:54
純情ぶっても白々しいから、もちろんあるって正直に答えるほかなさそうね。
それも、何度もしたわ。
最初の時の模様を、ほぼ実話で書いたのが、
「彼女と仕事と彼と私 その4(最終話)」
よかったら、読んで。
恥ずかしいけれど。
返信する
東大使さまへ (mina)
2006-11-04 01:35:51
リンクはいつでもどうぞ。
酒呑童子との結末は、秘密です。
もう少し、時間をください。
返信する

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