minaの官能世界

今までのことは、なかったことにして。これから考えていきます。

リハビリ(その5)~物忘れ~

2014年06月04日 | リハビリ

怪我をする前は、

何かを書こうと思うと、そのストーリーの要所や節目が、

まるで飛行場の誘導灯みたいに目の前に浮かびあがった。

文章自体も、調子の良い時なら原稿用紙で2~3枚分、

つらつらと頭の中に湧いてきた。

全体が見渡せているから、

途中で何を書くつもりだったのかが判らなくなるなんていうことは、

絶対になかった・・・。

 

それなのに、怪我をしてからというもの、

例えば、誰かと会話していても、

途中で何の話しをしていたのか判らなくなり、

話の内容が支離滅裂になってしまう。

目先の話に夢中になり、元の話を忘れてしまうのだ。

そういうことが何度も続くと、

さすがにアルツハイマー症になったのではないかと心配になった。

怪我・・・頸椎損傷(首の骨折)・・・をした時、

頭を強打したからかなとも考えたが、

どうやら違うらしい。

 

私が自宅療養になって1年6カ月が過ぎようとしているけれども、

その間、他人との接触がほとんどなく、

最初のうちは、1日中、テレビやDVDを観て、ぼーっと過ごしていた。

非活動的で受け身な、こういう生活態度が良くなかった。

会話や運動で脳と身体の両方に刺激を与え続けないと、

脳細胞の伝達経路であるシナプスは再生しない。

こうしたことが物忘れに繋がるらしい。

 

でも、首から下が不自由な私が能動的・活動的になるのはどうしたらよいのか。

身体が動かず、無理して動かそうとすれば全身に酷い痛みが走る。

適度な運動を継続すればよいなんて言われても、どだい無理というものだ。

まるで、ひきこもりの人間に対して、外に出ることが特効薬と言っているようなものだ。

 

肉体がダメになったから、精神もダメになってしまうのか。

精神がダメだから、肉体がよくならないのか。

 

愚痴っても仕方がない、できることからやろうと決意して、始めたことがブログだ。

 

パソコンの前に座って、ブログを書く。

脳と身体の両方のリハビリのつもりで始めた。

元気な時は気付かなかったけれど、

座っているだけでも、肩や背中や腰、尻などの筋肉を使っている。

頚髄損傷により、それらの筋肉の機能を、一度、全て失い、

0からのスタートを経験したからこそ実感できる。

私にとって、座位を1~2時間保持したうえで、

まとまった文章を書くという作業は、とんでもなく難易度が高かった。

気が散って文章が書けないなんていう生ぬるい水準ではない。

私にとって、まさに戦いそのものだった。

 

自宅療養当初のブログを読むと、パソコンの立ち上げにすら苦労していたことが判る。

当時は、パソコンのキーをたったひとつ押すだけのことが、

酷い痛みを伴い、とてもしんどかった。

その中で精神を集中する。

書いている途中でテーマを忘れないように、

何を書くつもりだったかをメモに貼り付けて、

何度も何度も書き直さねばならなかった。

痛みが酷くなると、痛むところに鎮痛剤のロキソニンゲルを塗り、

どんなにしんどくても、

毎日、パソコン操作で腕を動かすことを継続した。

 

その甲斐あって、最近、ようやく、

ある程度まとまった時間、パソコンの前に座って作業できるようになった。

この調子で物忘れのほうもよくなればなぁ・・・。

 

これからのことを考えると、怯えのほうが遥かに大きいけれど、

諦めずにリハビリを続けていきたい。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (katsu)
2014-06-06 08:06:14
こんにちわminaさん
そうですね、鍛えて筋肉が活性化するなら
シナプスを活性化させるには
考えて考えて考える
外からの刺激が少ない分
中から発動させないと
このコメントも
多少の刺激になっていれば幸いです
返信する
Unknown (katsu)
2014-06-23 07:09:10
minaさん、こんにちわ
日の出4:25  日の入り19:00
日中は今が一番長いですね。
(四国はどうなんでしょう?)
暑さも盛ってなく緩い感じの
この時期の朝と夕方が好きですね。
お身体が辛くなければいいのですが。
お気持ちが健やかであれば幸いです。
返信する
握力 (Ken)
2014-06-24 09:44:03
これ、よく解ります。僕は若い頃、ナワトビが大好きで、ナワトビ、ビュンビュン跳ぶと頭が冴えてました。若い頃、馬鹿にならないように読書しなくちゃ、と思いつつも、仕事や付き合いの疲れなどなどで、もう本読んでも活字が文章として頭に入って来ないとき、ナワトビ跳んだら、何だか頭がスッキリ・ハッキリして、本がサクサク読めていった。あの当時、ナワトビには脳味噌覚醒効果がありました。
40歳を過ぎて僕は首と腰の脊髄やって、ナワトビは跳べなくなりました。走ることやジャンプはできないけど、普通に歩けるし、薬飲んでたら多少重たいものも持てる。階段の上り下りはけっこう苦労しますが。
昔、棒術習ってたとき、師範先生がもうけっこう高齢で、棒術でいつも棒を握る緩めるして持つのは、大変脳に良いから歳取ってやっても、ボケ防止になる、と仰ってました。まあ、今の僕には棒術もできませんが。
剣道とか棒術は普通は緩く持ってて打ち込むときグッと握りますからね。握力を使うのは頭に良いみたいですね。
僕が首の手術をしたとき、担当の先生が毎日のように握力を測りに来てたのを思い出します。
昔からよく、老人がクルミを2個握って手の中でゴリゴリやるのが痴呆化防止に良いって言ううじゃないですか。あれは身体の麻痺とかにも効果があるのかな。
今やってないんだけど、僕は一時、バネ式の握力道具買って来て毎日ギイギイ握ってました。
minaさんの様態は僕の症状なんて比べものにならないように重たいようですが、全身運動は難しいでしょうから、何とか握力を鍛えてみてはどうでしょうか。minaさんの現状の苦しさも解らずに勝手なことを言いますが、多分、握る緩める動作は脳には何がしか作用すると思います。今のminaさんの状況は何を行うにも非常に大変でしょうが、握力を鍛えることをお勧めしたい。
でも、もうやっているのかも知れませんね。おそらく、握力道具握り運動だけでも、現状では大変なのかも知れませんが、「継続は力」という言葉もありますし、毎日少しづつでもコツコツ何か小さな運動やって欲しいな、と思います。
少しでも現状が良くなることを祈ってます。
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