『矢沢永吉・63歳のメッセージ』
~NHK総合:2012年12月22日(土)午後16:00〜16:59 (再々放送)
~NHK総合:2012年10月05日(金)午前1:15~2:15(再放送)
~NHK総合:2012年09月29日(土)午後11:00~0:00(初回放送)
*予定が変更される場合もありますので当日の番組表を要確認。
*再々放送のナビゲートとして12月17日に“矢沢語録”を追加しました。
*****
『矢沢永吉:63歳のメッセージ』を興味深く観た。
団塊の世代の矢沢永吉(63歳)と。
バブル世代の有働由美子(43歳)。
番組の感想を正直に言えば詰め込みすぎ。
決して褒められた内容ではなかったように思う。
基本的な番組構成はお決まりのヒストリー的な流れも、
膨大な情報量と取材テープの多さに焦点がぼやけた。
以前から、
“もしも100年インタビューに矢沢さんが出演”する際は、
有働由美子さんがインタビュアーなら面白いと期待していた私。
その、
期待していた有働さんのインタビューも時間枠が短く区切られ、
ナレーション担当の有働さんが前面に出たのも惜しい気がする。
インタビュー冒頭、
「矢沢永吉の名前に騙されないぞと言う気持ちでライブに接したんですけど、
女性から見ると“子宮からカッコイイ~!”みたいな感じになるのはなんでですかね?」
の有働節には感服。
また感心したのは、
インタビュー会場に横浜のホテル・ニューグランド。
1973年の幻の放送テープ『キャロル』。
横浜:本牧のライブハウス、ゴールデンカップ。
初めて聞いた話が、
野毛山公園の小さな展望台と現地ロケ。
*其々が1本の番組になるエピソードはNHKらしさ。
横浜:日産スタジアムの40thライブのアンコール・ラスト。
アルバム『KAVACH(カバチ)』から「SO LONG」。
歌詞は初期の矢沢にはなくてはならない故・西岡恭蔵さん。
1年の休養を取ったあとのアルバム三部作。
*2009年:『ROCK'N'ROLL』
*2010年:『TWIST』
*2012年:『Last Song』
にて、
矢沢さんが求めた直球勝負。
インタビューで、
有働さんが気にかけたオープニング・ナンバー。
新譜:『Last Song』から「IT'S UP TO YOU!」の歌詞。
♪こじんまり生きてちゃショボいだろ
の歌詞に挑戦状を感じてガツンときたと語るアナウンサー心理。
矢沢永吉が求めた西岡恭蔵の詩の世界はメッセージ。
「60歳の再デビュー」と語った東京ドーム公演。
“歌詞に挑戦状を感じる”
の有働さんが感じた意味は、
「お前も逃げずにやってみろ!」
世代の中で大きな影響を与えた、
作詞家:山川啓介さんの「鎖を引きちぎれ」
♪男だったら鎖 を引きちぎれ。
♪お前と俺のGold Rush!
1年間休んで矢沢さんが挑んだ直球勝負。
「ファンに媚びてもいいじゃない」。
の意味は、
“ファンは俺に何を求めているのか”
*CBS時代の60代バージョン(=再デビュー)。
番組の見方は人其々。
視聴して感じた有働さんと糸井さんのトライの違い。
経営者としての矢沢永吉に注目した糸井重里さん。
*内容の深さは一般向けではなかったが心底痺れた。
矢沢ビギナーのためのビギナー有働のアプローチ。
*それはそれで成功していたと思う。
ただ、
番組が持つ潜在情報は別編集なら別番組。
多くの可能性(マニア向け)を残す番組となった。
*****
【追記:10月2日・夜】
番組を改めて見直した。
放送当日はtwitter画面と睨めっこ。
詳細でリアルタイムな視聴者の感想を、
放送と同時確認しながらの視聴。
*番組は概ね好評だったと認識している。
放送当日深夜に限られた時間内で印象を述べた。
感想とせずに“印象”としたのは、
テレビ画面を半分も見ていないためだ。
録画した番組を今夜改めて視聴した。
番組の見方は人其々だろうが、
矢沢マニア(ファン)にとっては貴重な40thライブ映像。
そのレア映像に被さるナレーションや女子アナのアップ。
特に、
野毛山のMCにナレーションが被さる事は許せない思いだろう。
矢沢マニア(ファン)でない一般の視聴者には、
夥しい情報量の多さも“その価値”を知る由もなく、
速い場面転換は退屈させない制作者の工夫かも知れない。
*一般視聴者の視点で観れば好意的な目で番組を観ることができる。
【有働由美子】
先にも述べたが、
私は有働由美子アナウンサーを好意的に見ている。
この番組で有働さんに与えられたミッションは4件。
・スタジオ・インタビュー(ホテル内)
・ナレーション
・野外デートの形をとったインタビュー。
・ライブ会場のレポート。
放送当日に詰め込み過ぎと感じた印象は、
有働さんの扱い(ミッション)をみても確認できる。
矢沢さんの取材も、
・全国のラジオ局へのプロモーション。
・ライブ・リハーサル。
・ライブ映像。
・スタジオ・インタビュー(ホテル内)
・野外デートの形をとったインタビュー。
*さらに過去のミニ・ヒストリー映像。
有働アナウンサーの起用は概ね成功だった。
彼女が持つ茶目っ気と物怖じしない態度は番組に適応。
スタジオ・インタビューの二人の気負いよりも、
野外デートのインタビューにお互いのリラックスを感じた。
以前にBS2で放送された、
『写狂人の旅:アラーキーと歩く4日間』
上田早苗アナウンサーが写真家・荒木経惟さんに同伴。
その番組の楽しさを思い出すと、
“ヤンチャ系”の男性とベテランの女子アナ。
ヒストリーに沿った思い出の地を訪ねながらのインタビュー。
*番組中矢沢さんの殆どの語りが過去に耳にした話も、
デビュー前のライブハウスのシロップ入りジン・ライムの話や、
不安の野毛山公園の思い出&ポルシェで行った野毛山再訪の話題。
無機質なスタジオよりも野外ロケの方が思い出す場面は多く刺激的。
勿論これはマニアの見方で一般向けには予定調和が相応しいのかも?
【番組中の有働語録】
「今の矢沢さんが当時の矢沢永吉君を見て…。」
当時の矢沢永吉君の君(くん)。
43歳の有働アナウンサーが、
63歳の矢沢さんと30歳前後の矢沢君。
ふとでる“こうした言葉のセンス”は秀逸。
目上の人に対する誤解を受ける場合も感じるが、
言葉のピンポンにはサプライズは必要。
偶然出た言葉なのか用意周到な言葉なのか?
*子宮については事前に用意した言葉と思う。
*飛んでる、みんな飛んでる。
*やばい、やばい、やばい、カッコイイ!。
*わ~、ありえねぇ~。
*すご~い、6万人が歌ってる。
*悔しいぐらいカッコイイな~。
言うまでもない有働節は親しみを感じるものの、
NHKのアナウンサーらしからぬ言葉の選択。
注目すべき言葉は、
*悔しいくらいカッコイイな~、⇔ 矢沢永吉の名前に騙されないぞ。
*悔しいくらいカッコイイな~、= 自分と比較しての負けず嫌いな一面。
こうした魅力(=性格・姿勢)がアラフォー世代に支持を受けるのだろう。
勿論、
山口智子さんや鈴木保奈美さん世代。
言葉の影響とはその世代々々の時代環境で異なる。
番組中、
トレンディが流行った時代。
矢沢みたいにムキになるのはダサいと言われ。
ガツガツしないのがお洒落な時代。
でも、
モード(流行)ってのは回ってるのね。
回りまわって“矢沢もいる”よね。
40年もやってると見えるのね。
☆矢沢永吉
の言葉に垣間見える、
有働世代が矢沢永吉に興味を抱かなかった理由?
の意味を見出す。
*そんな見方も面白い。
【番組制作】
番組は矢沢永吉さんと有働さんの立場を明確にしていなかった。
その事が見る側にとっても有働アナにとっても少なからず混乱をきたした。
例えば番組冒頭がお決まりの番組ダイジェストでなくライブハウスのドアであれば。
ラストはドアを閉じる場面で終わるならドアを開き二人の和んだ会話から始める。
そうすれば番組内の有働さんの立場を視聴者は確認し見る視点は変わる。
そんな意味付けとアルバム『ドアを開けろ』から「黒く塗りつぶせ」を挿入。
矢沢マニアならば隠れた仕掛けに思わずニヤリ。
「あまり我武者羅に走らないでウフフッ、と笑うような…。」
渋いね!
*一般視聴者には???だろうけど(笑)。
*因みに私はマニアとは言えない程度のファンです。
番組を観ながら有働由美子さんと以前見た糸井重里さんの違い。
それはサラリーを貰う立場とサラリーを支払う立場。
どうしても“追いつけない部分”がある。
組織の中での言動の制限と組織を超えた言動と責任。
それはNHKに限らず、
総ての放送局に携わる方々が肝に銘じ自覚すべきだ。
どんなに優秀な成績で入っても謙虚である気持ちは忘れずに。
人と人の接触は決して慇懃無礼(いんぎんぶれい)にならず。
答えを先に決めた後(社の方針)の言葉の要求と社会への影響。
*考えられているようで実際には無神経な番組制作も多くみられる。
有働さんの室内インタビューと野外インタビュー。
有働さんの魅力は野外インタビューに分があった。
予定調和なナレーションは教科書的ニュアンス。
それは有働さんの言葉か制作サイドの言葉か?
良い番組であったが秀逸な番組とは言えなかった。
それが私の番組への印象だ。
【追記:12月17日夜/矢沢語録】
風呂敷(有言)広げてみろよ。
畳まなきゃなんねえぞ。
畳まなかったら言われるぞ。
袋叩き、袋にされるぞ。
“あいつは口ばっかりだ”って。
袋にされたくないから皆が風呂敷広げない。
風呂敷広がないから安全圏に居れるよね。
それじゃ物事が前に進まない。
☆矢沢永吉
仕事って同じことの繰り返しだよ。
そう自分に言い聞かせながら戦ってきた。
繰り返しの中で工夫・改良を心がけた。
“それでも(毎日が)同じことばっかり”
と自分に問いかけながらも今年もイイ感じだった。
そんな感じで40年がアッと言う間に過ぎたよ。
☆矢沢永吉
俺はロックで上にいって絶対金持ちになってやる。
そう言った時の業界の反発は物凄かった。
(業界が)反発すればするほど俺は腹が立った。
言ってやりましたよ。
「お前ら裏でどんだけ金かすめてんだコラッ!
そのかすめた金はお前らの金じゃないんだ。
俺たちアーティストの利権なんだ」。
ってことをさんざん言ってきた。
☆矢沢永吉
悔しい思いをして学んで。
次のステップで“へま”をして、
また悔しい思いをしてまた学んで。
その繰り返しですよ。
カッコ悪い矢沢もいっぱいある。
でも、
カッコ悪いって背中合わせなんだよ。
カッコ悪い様(ざま)の自分って、
次に抜け出るための背中合わせ。
逆に、
カッコ悪い部分を見せなかったり、
カッコ悪い部分を伏せたりすること。
その方が危ないと思うよ。
☆矢沢永吉
大御所になったからとプロモーションをしない。
(都会だけを大事にして)地方には行かない。
そんな奴はレコード(CD)を出すなよ。
レコード出すからには一人でも多くに聞いて欲しい。
1回でも多く(俺の曲を)流して欲しい。
そこに行くよね。
☆矢沢永吉
見られる仕事(芸能)をやると覚悟を決めたら、
世間の目を怖がっちゃいけないと思うよ。
☆矢沢永吉
1等賞を決めない運動会とか。
僕には理解できないし意味が分からない。
そうしたい人はその人の考えで、
僕はその間に黙って上に行きますよ。
☆矢沢永吉
人間なんて“仕事も家庭も”ってそんな器用にできてないよ。
☆矢沢永吉
都市から都市へ(街から街へ)、これがプロモーションなんですよ。
☆矢沢永吉
<ブログ内:関連記事>
*矢沢永吉:若者へのメッセージ
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20090806
*矢沢永吉×糸井重里:お金の話
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20100921
*矢沢永吉63歳のメッセージ:矢沢語録を読み解く。
→ http://blog.goo.ne.jp/mimifuku_act08/d/20121220
EIKICHI YAZAWA 40th ANNIVERSARY LIVE 『BLUE SKY』 [DVD] |
|
参考価格:5800円 | |
GARURU RECORDS |
<内容:Oriconデータベース>
2012年9月1日に日産スタジアムで行われた、
矢沢永吉40周年記念ライヴ『BLUE SKY』を映像化!
ベスト盤と思わせるような往年のヒットナンバーの連続に、
元キャロルのギターリスト・内海利勝のサプライズ登場、
さらには、
気球、花火、オープンカーなど息つく暇もない怒濤の演出!
*発売予定日:2012年11月7日。
<DVD収録予定:曲目リスト>
1. IT'S UP TO YOU!
2. 鎖を引きちぎれ
3. 恋の列車はリバプール発
4. チャイナタウン
5. ガラスの街
6. 黒く塗りつぶせ
7. GET UP
8. YES MY LOVE
9. 時間よ止まれ
10. レイニー・ウェイ
11. Rolling Night
12. ひき潮
13. YOU
14. メドレー
~棕櫚の影に~ラスト・シーン~MARIA
15. 涙のテディ・ボーイ
16. ファンキー・モンキー・ベイビー
17. ルイジアンナ
18. スタイナー
~逃亡者
19. アイ・ラヴ・ユー,OK
20. SOMEBODY'S NIGHT
21. Wonderful Life
22. PURE GOLD
23. サイコーなRock You!
24. 止まらないHa~Ha
25. トラベリン・バス
26. So Long
ご指摘ありがとうございます。
早速に訂正しました。
「トラベリンバス」だったかな?
“恭蔵、いい詩書くよね”
って、
矢沢さんの言葉が強く印象に残ってます。
恭蔵さんと言えば、
「プカプカ」。
一般的にフォーク歌手と見られていますが、
日本の音楽史を代表するブルースの名曲。
「バーボン人生」
の作詞も恭蔵さん。
男臭さを強く感じる歌詞に惹かれ。
*最近では聴かれなくなりました。
詩を書くことが苦手と自認する矢沢永吉。
矢沢さんを支えた人達。
ふと、
ジョニーの事を思い出します。
*西岡恭蔵 with 大塚まさじ:プカプカ(You tube)
→ http://www.youtube.com/watch?v=JXWJRXKUh-Y
福山雅治さんもカバーしてます。
→ http://www.youtube.com/watch?v=kwegFHUgWFs
ジョニ-といえば ニュ-アルバムにジョニ-にむけた歌が、(かってな解釈) . BUDDY (作詞:馬渕太成/作曲:矢沢永吉)
なんか キャロル 見たいな-
コメントありがとうございます。
再々々放送は微妙な感じがします。
youtubeにもニコニコにも動画はありません。
以前にはあったのですが削除された模様です。
ただし反響が大きければ何れアーカイブで放送も?
また地上波で放送してBSでロングバージョンが放送された前例もあります。
その時は気付き次第にブログ本文に情報を追加します。
『BUDDY』(作詞:馬渕太成/作曲:矢沢永吉)
♪別れた道のどちらが正しいのかなんて、もういいさ。
確かにあの時、同じ景色を見ていた。
63歳のメッセージの番組中にサプライズを計画とのコメント。
もしもキャロルが再結成されれば日本のロックの歴史は大きく変わるでしょうね。
間違いなくキャロルが日本のロックの形を創った。
間違いなくジョニー大倉さんの歌詞が日本語か英語かのロック論争の終止符を打った。
ただし、
永ちゃんにしてみれば“ドタキャン”の苦い記憶。
芸術家タイプの繊細なジョニーと職人タイプで豪快な永ちゃん。
ツアーは難しい気がします。
キャロルはリアルタイムではありませんがファン40年の夢ですね。
きっと永ちゃんの事だから何かの形で?
永ちゃん 名曲 多いですね。最高です。
こないだ 独りカラオケで チャイナタウン 歌いました。男の思い出。男の純。昔の思い出。金のない頃夢だけの二人。幸せなら♪時の流れと 思い出。若すぎる恋とオーティスのあの歌が♪二人の思い出の曲♪幸せであれ♪もう一度 おまえに 会いたい♪何を お前と 今さらか?話せるかなぁ。勝手な 感想で すいません。音楽同好会(名前検討中 矢沢永吉を語る会 チャイナタウン
独りカラオケ「チャイナタウン」。
独りカラオケだと、
成り切り永ちゃんワンマンショーも?
行ってみようかな(笑)。