mimi-fuku通信

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『ラ・フォル・ジェルネ金沢(熱狂の日)』:会場案内と感想。

2010-05-04 00:00:00 | クラシック・吹奏楽


 *会場案内の写真が小さい場合はタイトル上 or 画像上をクリックしてください。 

 ラ・フォル・ジュルネ金沢“熱狂の日”音楽祭2010
   
 ~ショパン・ジェネラシオン1810~

 2010年5月3日(祝日・晴天)。
 金沢市(石川県)では3回目となる、
 ラ・フォル・ジェルネ金沢を初めて体験しました。

 2010年の開催日は4月29日~5月5日と長丁場ですが、
 メイン・プログラムは5月3日~5月5日:金沢駅周辺で行われます。
 今年のテーマは、“ショパンとその時代”
 今年はショパンの生誕200周年を記念しての企画。
 “1810”の意味するものは1810年前後に誕生した4人の作曲家。
 ロマン派(音による感情表現)を代表する、

 メンデルスゾーン:1809年生まれ。
 ショパン&シューマン:1810年生まれ。
 リスト:1811年生まれ。

 に焦点(スポット)を当てています。

 午前9時30分頃にJR金沢駅に到着。
 駅前のもてなしドーム:鼓門”では、
 大阪:桐蔭高校吹奏楽部による演奏が既にはじまっています。
 桐蔭高校の演奏に後ろ髪を引かれながらも、
 メイン会場である石川県音楽堂に直行。
 ~当日券を求めるなら9時30分前には石川音楽堂に到着し、
   インフォメーションで公式ガイドブック(無料:約40p)と、
   当日の演奏のプログラム(チラシ:4p)を入手すると便利です。

 9時30分前後では当日券売り場はまだ疎ら。
 事前に調べてあったお目当てのチケットを購入すると、
 時間があったのでJR金沢駅のコンコースに逆戻り。
 相良容子さんのピアノ・コンサートが開催されていました。
 
 メイン会場となる“コンサートホール”では、
 10時から尚美ウィンド・オーケストラ(音大生による吹奏楽団)の演奏会。
 ~チケット代金は1000円(自由席)当日購入=前売りは完売でした。
 作曲家の池辺晋一郎さんの司会で音楽祭は幕を開けました。
 ・メンデルスゾーン:吹奏楽のための序曲
 ・ウェーバー:クラリネット・コンチェルティーノ
 ・リスト:交響詩『前奏曲』
 ・リード:アルメニアン・ダンスPart1
 個人的な感想ですが朝早くの演奏は本来の実力を発揮できなかったと感じます。
 終了予定時刻の10時45分の時点でアルメニアン・ダンスを残したまま、
 次の目的地である邦楽ホールへ駆けつけました。

 今日最大のお目当てが“邦楽ホール”での演奏会。
 ~チケット代金は1500円(最前列:右端側)当日購入。
 ピアニストのジャン=クロード・ペヌティエさんがお目当てではなく、
 リスト作曲:『孤独の中の神の祝福』(作品集:詩的で宗教的な調べ)
 
を生演奏で聴くことが最大目的。

 この曲は私にとって、
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番・第3楽章
 『病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌』
 と並び大好きな楽曲のひとつ(曲名に惹かれただけ?)。
 ~2曲共に滅入った時や物思いぬ耽りたい時にお薦めです。
   只今クラウディオ・アラウ氏の演奏がスピーカーから流れています。

 後期リスト作品の強靭な精神性をペヌティエさんの演奏は見事に表現。
 ・パーテル・ノステル(作品集:詩的で宗教的な調べ)
 ・アヴェ・マリア(作品集:詩的で宗教的な調べ)
 ・孤独のなかの神の祝福(作品集:詩的で宗教的な調べ)
 ・JSバッハ“泣き、嘆き、憂い、おののき”による変奏曲(リスト:s180)
 
 生で演奏される後期リスト作品を聴いて感じたことは残響音の美しさ。
 精神性を表わす長い音(ロングトーン)でのpp(ピア二シモ)の残響音の、
 消え入るような響きを家庭用スピーカーでは決して聴くことはできません。
 ペヌティエさんの演奏は老獪で怪しげな音や濁音もあるものの、
 最後まで緊張感を貫き通した演奏は見事でした。
 またペヌティエさんの希望により曲間の拍手は禁止。
 “緊張の糸を切らないための演奏家の配慮”を感じます。
 個人的には“アヴェ・マリア”に深く感銘しました。

 満足いくピアノ演奏にご満悦しつつ邦楽ホールを出るとに、
 “音楽堂:交流ホール”ではピアノの連弾。
 
~入場料は500円(2010年は有料入場券の半券を持っている場合は無料)。
 リスト:ハンガリー狂想曲(ラプソディ)第2番
 がガラス越しに微かに聴こえます。

 音楽堂の外に出て隣のビルの全日空ホテルに立ち寄ると、
 “ANAクラウンホール”石川県筝曲連名の演奏会。
 ~無料:どなたでも聴く事ができます。

 さらに通りを挿んでポルテ金沢の6階にある、
 “金沢市アートホール”に足をのばすと若手演奏家(ヴァイオリン)の演奏会。
 当初は予定に入れてなかったのですがお昼も食べずに“まっいいか!”
 ~チケット代金は1500円(前から2列目:中央)ポルテ1Fで当日券を購入。
 午後0時15分から開演で
 ソレンヌ・パイダシさん(ハノーファー国際コンクール入賞)。
 ・メンデルスゾーン:バイオリン・ソナタop4
 クララ=ユミ・カンさん (ハノーファー国際コンクール2位)。
 ・リスト:エレジー s131
 ・シューマン:バイオリン・ソナタ第一番op105

 素晴らしかったのはユミ・カンさんのシューマン
 CD等で独奏者の呼吸の音を聴くことがありますが、
 今回ユミ・カンさんの演奏を間近で拝見し大きな呼吸(息を吸い込む音)は、
 演奏中に深く感情移入する時に無呼吸になることの裏返しだと発見。
 弦楽四重奏などでも呼吸を合わせると聞きますが、
 吹奏楽器でなくても呼吸法が音楽表現に深みを増すことは、
 生演奏を体験しないと感じ取ることはできない事実だと思います。
 パイダシさんが音楽コンクールの表現なら、
 ユミ・カンさんはコンサート演奏の表現。
 演奏に荒さは感じるものの音の一粒一粒に感情移入する、
 韓国系ドイツ人:クララ=ユミ・カンさんの演奏スタイルに感動しました。

 アートホールを後にして1階に下りると、
 隣接する“日航ホテル・ロビー”では室内楽の演奏会。
 ~無料:どなたでも聴く事ができます。
 
 夕方に人と合う約束があったので午後2時には駅前周辺を離れましたが、
 9時30分~14時までの4時間半の間に3つのコンサートを体験。
 写真では紹介しませんでしたが、
 金沢フォーラス6階でもミニ・コンサートを開催。
 
 CDアルバム1枚買うよりも安い価格で体験できる生のコンサート
 GWに金沢にお出かけの際はぜひお立ち寄りください。
 音楽に退屈したら味覚の探訪や街の散策。
 古都:金沢の文化への挑戦は今後も続きそうです。

コメント
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