QKG-SS1Eプロフィア…

車検で入庫。
以前にもこのブログで少し触れた事があるんですが、SS系でリヤがエアサスのトラクタ…
いわゆる軽量サスペンションと呼ばれてるタイプの車軸…
中型、大型トラックの車検整備ではブレーキを点検するのにハブ、ドラム、タイヤを一体で取り外す事が殆どで、このSS系のプロフィアもフロントは従来通り一体で取り外します。
ベアリングの潤滑にはグリスが使われてます。


ところがリヤはDANA社製の車軸を採用しており、ハブベアリングの潤滑はグリスでは無くオイルを使用してます。
その為、従来の整備方法とは異なるんです …

まず、タイヤとハブとドラムは一体では外れません…
正確に言えば構造的には外れるんでしょうが、どのみち外さないとプレロードの調整などが出来ません…
タイヤを外せばドラム単体で取り外しが可能で…


当初この車軸はドラムだけ外れるので、お?整備するの楽になった⁉︎…と思ってたんですが、残念ながらそうでもなく…
正直、漏れなきゃ交換しなくてもイイのかな⁉︎…なんて考えてたオイルシールからは見事に漏れる。笑
それがまたグリスではなくオイルなので漏れるとタチが悪い…
このプロフィアも去年の初回車検時はハブシールは交換してなかったんですが、今回2回目の入庫では1ヶ所にハブオイル漏れが…
画像だと分かりづらいと思いますがライニングがオイルを吸ってベトベト…

ライニングがオイルやグリスを吸うと厄介で 、磨材に染み込んだ油分を完全に除去するのはほぼ不可能…
当然、ブレーキなので制動力にも影響が出てきます。
で、実は以前別の同型式の車両でもこのハブオイル漏れはありました。
その時は3回目の車検時でしたが…
それ以来、軽量サスのハブシールも車検毎には交換する事にしたんです。
シールとブレーキシューを交換する為にハブをバラしていきます…
まずはハブオイルを抜き取りつつ、アクスルシャフトの取り外し。

専用ボックスレンチ

アウターナットの取り外し…
高トルクで締まってる上、ナットが薄いので緩めにくいです。

更にアウターベアリングを取り外して…


ハブを抜き取ります…

で、シールのスリンガーはほとんどの確率でホーシングに残ります…笑


シールと残ったスリンガーを取り外し。


ベアリングを軽く洗浄&点検後、ベアリングにハブオイルを塗り、新しいハブシールを打ち込みます…

新品のハブシール。

専用のハブシールインストーラ…

セットして…

打ち込み…

後はオイルが漏れた1輪だけブレーキシューの交換。


取り外したブレーキシュー。

こちらはリビルトシュー

前は時間がある時は現場でライニングの張替えをしてましたが、最近はほとんどやらなくなっちゃいました…
で、ブレーキシューの組み付け。




ハブを組み付けていくんですが…
このプレロードの調整が非常にシビアなんです…笑
まずはシールを傷つけないようにハブを乗せてアウターベアリングを入れ馴染ませながらインナーナットを271Nmで締め付け…


その後インナーナットを1回転緩めて…
そこから今度は68Nmで再度締め付けた後、また1/4回転緩めます。

その時にロックワッシャーの位置を確認しつつ、ダイヤルゲージでハブのスラストのガタを測定…


この時点でガタを0.2〜0.3mmの間におさめておく必要があります…
後々の為にここは基準値に入るまで調整しといた方がいいです。
基準に入ったらアウターナットを475Nmで本締め。

再度スラストのガタを測定します。

最終的にこのガタが0.025〜0.127mmの間に入っていればオッケー。
先ほどのプレ調整はここでの再調整を無くす為なんです。
結果的に測定値は0.08mmで合格。
ここで本来ならハブの転動トルクを測定…って書いてあるんですが、2.0Nm以下が測定出来るトルクレンチなんて持っていないので…
ウチは抵抗や引っかかりも無く、軽く回ればオッケーという判断にしてます…
後はアクスルシャフトを入れて仮締め…


フィラーからハブオイルを1リッター注入。

シーリングしたプラグを58Nmで締め付け…


他の軸もハブシールを同様に交換、調整後にドラムを取り付けてパーキングブレーキを作動。
こうしないとアクスルシャフトの本締めが出来ません…
締め付けトルクは244Nm

フロントのハブは従来通りなので普通に組み付け


リヤもタイヤを取り付けて…

全てのタイヤをトルク締めして完了…
車検なので他にもオイルやエレメント関係も交換してますが、今回は車軸の整備だけ記事にしてます…笑
車両を降ろしてハブオイルで汚れたハブをスチームで洗浄して完了です。


昔はボルボトラックもハブにオイルを採用してるタイプがありましたが…
漏れると厄介なんですよね…
このDANA製アクスルも車検時にはハブシールの交換を強くオススメします…笑

車検で入庫。
以前にもこのブログで少し触れた事があるんですが、SS系でリヤがエアサスのトラクタ…
いわゆる軽量サスペンションと呼ばれてるタイプの車軸…
中型、大型トラックの車検整備ではブレーキを点検するのにハブ、ドラム、タイヤを一体で取り外す事が殆どで、このSS系のプロフィアもフロントは従来通り一体で取り外します。
ベアリングの潤滑にはグリスが使われてます。


ところがリヤはDANA社製の車軸を採用しており、ハブベアリングの潤滑はグリスでは無くオイルを使用してます。
その為、従来の整備方法とは異なるんです …

まず、タイヤとハブとドラムは一体では外れません…
正確に言えば構造的には外れるんでしょうが、どのみち外さないとプレロードの調整などが出来ません…
タイヤを外せばドラム単体で取り外しが可能で…


当初この車軸はドラムだけ外れるので、お?整備するの楽になった⁉︎…と思ってたんですが、残念ながらそうでもなく…
正直、漏れなきゃ交換しなくてもイイのかな⁉︎…なんて考えてたオイルシールからは見事に漏れる。笑
それがまたグリスではなくオイルなので漏れるとタチが悪い…
このプロフィアも去年の初回車検時はハブシールは交換してなかったんですが、今回2回目の入庫では1ヶ所にハブオイル漏れが…
画像だと分かりづらいと思いますがライニングがオイルを吸ってベトベト…

ライニングがオイルやグリスを吸うと厄介で 、磨材に染み込んだ油分を完全に除去するのはほぼ不可能…
当然、ブレーキなので制動力にも影響が出てきます。
で、実は以前別の同型式の車両でもこのハブオイル漏れはありました。
その時は3回目の車検時でしたが…
それ以来、軽量サスのハブシールも車検毎には交換する事にしたんです。
シールとブレーキシューを交換する為にハブをバラしていきます…
まずはハブオイルを抜き取りつつ、アクスルシャフトの取り外し。

専用ボックスレンチ

アウターナットの取り外し…
高トルクで締まってる上、ナットが薄いので緩めにくいです。

更にアウターベアリングを取り外して…


ハブを抜き取ります…

で、シールのスリンガーはほとんどの確率でホーシングに残ります…笑


シールと残ったスリンガーを取り外し。


ベアリングを軽く洗浄&点検後、ベアリングにハブオイルを塗り、新しいハブシールを打ち込みます…

新品のハブシール。

専用のハブシールインストーラ…

セットして…

打ち込み…

後はオイルが漏れた1輪だけブレーキシューの交換。


取り外したブレーキシュー。

こちらはリビルトシュー

前は時間がある時は現場でライニングの張替えをしてましたが、最近はほとんどやらなくなっちゃいました…
で、ブレーキシューの組み付け。




ハブを組み付けていくんですが…
このプレロードの調整が非常にシビアなんです…笑
まずはシールを傷つけないようにハブを乗せてアウターベアリングを入れ馴染ませながらインナーナットを271Nmで締め付け…


その後インナーナットを1回転緩めて…
そこから今度は68Nmで再度締め付けた後、また1/4回転緩めます。

その時にロックワッシャーの位置を確認しつつ、ダイヤルゲージでハブのスラストのガタを測定…


この時点でガタを0.2〜0.3mmの間におさめておく必要があります…
後々の為にここは基準値に入るまで調整しといた方がいいです。
基準に入ったらアウターナットを475Nmで本締め。

再度スラストのガタを測定します。

最終的にこのガタが0.025〜0.127mmの間に入っていればオッケー。
先ほどのプレ調整はここでの再調整を無くす為なんです。
結果的に測定値は0.08mmで合格。
ここで本来ならハブの転動トルクを測定…って書いてあるんですが、2.0Nm以下が測定出来るトルクレンチなんて持っていないので…
ウチは抵抗や引っかかりも無く、軽く回ればオッケーという判断にしてます…
後はアクスルシャフトを入れて仮締め…


フィラーからハブオイルを1リッター注入。

シーリングしたプラグを58Nmで締め付け…


他の軸もハブシールを同様に交換、調整後にドラムを取り付けてパーキングブレーキを作動。
こうしないとアクスルシャフトの本締めが出来ません…
締め付けトルクは244Nm

フロントのハブは従来通りなので普通に組み付け


リヤもタイヤを取り付けて…

全てのタイヤをトルク締めして完了…
車検なので他にもオイルやエレメント関係も交換してますが、今回は車軸の整備だけ記事にしてます…笑
車両を降ろしてハブオイルで汚れたハブをスチームで洗浄して完了です。


昔はボルボトラックもハブにオイルを採用してるタイプがありましたが…
漏れると厄介なんですよね…
このDANA製アクスルも車検時にはハブシールの交換を強くオススメします…笑
この車軸だとレッカーの時にアクスルシャフト抜いちゃうとオイルまみれになっちゃうってことですよね…
プロペラシャフトか…
そうですね…
ハブオイルが抜けてそのまま走行すればハブベアリングが焼き付く危険性もありますから…
なのでプロペラシャフト側を外した方が良さそうです(^_^;)
整備するのにもなかなか困った作りです…笑
お疲れ様です、やはり大型の整備工場は普通車しかしてこなかった身からすればパラレルワールドですね。
個人所有ではなく会社工具も現物を見た事ないのや消耗品類も専用品などで凄いなと思います
当方は普通車と2tトラックがメインなんですがそこまでのSSTは必要がないにしろほぼ工具は何もありません工具持ち込み、備品自腹です(パーツクリーナー、ウエス、潤滑スプレーなどなど)。
面接時にトラックの整備工具がどんなのが必要か分からなかったので「持ってないのは会社にあるのを借りれますか?」と聞いたら「イイよーイイよー何でも使って」と言われましたがスパナ1本、ソケット1個ありません。
それでも「ウチの工場はヨソに比べて工具は潤沢に揃ってるから」と本気で言ってるから信じられません、まぁ現場仕事が何も出来ないからこその勘違いでしょうが。
だから工具がないから出来ない作業も当然のように出てきますが一向に信じないどころか整備士の腕が悪いと陰で言っています。
本気で襟首捕まえて「やってみせろ」と言いたくなったことは1度や2度ではありません。
他の従業員は何も言わずに作業出来ないなら悪いままラインを流して納車します。
なので自分だけが文句が多くて能力の低い整備士とレッテルを貼られています。
色々なメカニック系ブログを読んできましたがココまで酷い工場はないんじゃないか?と自負しています。
また今回も愚痴になってしまいました、お見苦しかったらご注意くださいm(_ _)m
備品まで自前とはなかなか酷い会社ですね…
自分の意思で購入する場合は別にしても、基本的には会社が用意するべきだと思いますし…
整備業者や整備士には自動車を保安基準に適合させる義務があります。
これは仕事だから…という考えじゃなく、整備は間接的に人の命に関わる仕事で、それだけの責任感が会社や整備士にあるかどうか。
工具が無くて出来ないからそのまま通す…というのは会社や整備士として無責任すぎますし、出来ないならディーラーに頼むとかやり方はあるはずですから…
と、部外者が偉そうな事を言ってすいませんでした。m(__)m
おはようございます、なかなか酷い会社でしょ?指定工場だから出来るズルさをフル活用してますから。
会社に作業工具があったうえで自分の工具を使うのは自由だと思いますし備品も自腹なのにお客には備品代を請求してますから。
自分は命を乗せてるプラスやはり自分のプライドもありますから、工場長も手当だけ貰って工場長としての仕事なんてなにもしないですし。
ディーラーなんかに絶対に頼みませんよ、仕方ない理由があって出来なくても「ウチの整備士は腕が悪い」って言いますから、それに対して工場長も何も言いませんし。
色々と意見を聞かせて下さい、自分の考えが間違ってないと思いたいので。
事情を知らない私がどうこう言える立場では無い事を充分理解した上で、個人的な意見を言わせてもらうなら…
まず保安基準に適合しない車を車検に通す事は違法です。
整備士としてのプライドがあるなら会社に改善を求めるべきで、既に九州男児さんが改善を求めているにもかかわらず、会社に改善する気がないのであればそれはしかるべき所に対応してもらうしかありません。
その社長とやらも検査員の資格を持っているなら、知らなかった…では済まされない事も分かっているでしょう。
ディーラーに出したくない…というのも気持ちは分からなくもないですが、その理由が自分達の評価を下げられるから…という理由なら間違ってると思います。
保安基準に関係無い箇所なら自由ですが、それがお客の安全に関わるような箇所であれば、なんと思われようが出来る業者に頼むべきです…
私は九州男児さんの話を聞いただけで、実際には私には分からない複雑な事情があるのかもしれませんが、どんな理由であれ保安基準を逸脱していい理由にはなりませんよね…
私個人としては多くの整備業者が保安基準に適合させる為に苦労している事を身をもって分かっているので、そういういい加減な業者は許せませんね…(-_-;)
自分の会社の検査員は保安基準に関してはしっかりしてると思っているのですが、年配の整備士が多いからなのか、トルク管理は甘いと言わざるをえません。(早く上げるのが出来る整備士という感じの工場です)9594自分は、トルク管理やプレ調整をしっかりやりたいのですが…DPFや尿素絡みは即ディーラーですが、自分で診断出来るようになりたいですが、周りに流され、時間に追われ、やりきれてないのが実情です。
例えば、このプロフィアの車検はワンマンですか?何日上げでしょうか?
よろしければ、おしえて頂いけますか?
以前、自動車の製造コストでボルトが占める割合は全体の約5%なのに対し、トラブル事例の原因がボルトに起因する割合は全体の70%を超える…なんて研究結果の話を聞いた事があります…
その内訳として、ボルトの締め付け不良が大半を占める…とも。
ひと昔前までは自動車業界もトルク管理にさほど重要性を感じていなかったのが事実で、その時代の整備士もやはりトルク管理には無関心な方が多いですよね…
このプロフィアはワンマン整備で…
今回のケースは金曜の夕方4時頃に入庫してそこから作業開始…土曜日の夕方納車…という流れです。
お客によって土曜日1日車検とかの場合だと2人体制で整備したりもします。
内容にもよりますが、ウチは人数も多くないので基本的には1人1台整備が多いですかね…(^_^;)
結構ハードなスケジュールに感じます…うちですと、基本2日のワンマンですね。前は2人の土曜日1日ってのはありましたが…今はありません。消耗品以外の故障で時間かかるような箇所がなければ、残業もありません。
ボルトの締めつけ不良に起因する…確かにそうかもしれません。
やはりトルク管理重要ですね。
ありがとうごさます。これからも参考にさせてください。よろしくお願いします。
あるんですね!
初めて見ました。
年数たって アクスルとベアリングが減ったら絶対基準値には収まらないのではσ(^_^;)?
多分 うちだとディーラー行きになるでしょう。
凄くしっかりした方だと読ませていただき思っていたんですが 経営者側の方なんですか?従業員さん?