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メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…25

2018-11-13 08:44:47 | 整備


まずは縁石を跨ごうとして下廻りをぶつけ、何やらオイルが垂れてきた…との事で入庫したHA36Sアルト…


話を聞く限りだとどこか損傷があるのは間違い無いんでしょうけど…


その前に…


何で縁石を跨ごうとするかね…笑


ゴリゴリの四駆でもない軽自動車で縁石を…


越えられると思ったのかな…?



車を運転するのにも空間認識能力は大切ですね…




早速、調べる為にリフトアップ。


フロントバンパー下部に既に損傷あり…


この時点でギリギリ越えられなかった訳では無い事が分かります…笑

更に下廻りを覗き込むと…


オイルパンに擦った跡があり、アルミ製のオイルパンが割れてそこからオイルが漏れちゃってます。


こうなると要交換ですね…


という事で部品を手配してそのまま作業を開始。

邪魔なエキパイを取り外し…
このエキパイにも若干ダメージがありますね…



クランク角センサーも取り外して…



オイルパンの取り外し。

アルミ製ですからね…
この程度の接触でも割れちゃいます。







こちらが新品のオイルパン。


ブロック側をキレイに掃除&脱脂したら新品オイルパンにボンドを塗って取り付け…
各ボルトを規定トルクで順番に締め付けます。




後はボンドが乾くのを待ってオイルを注入後、漏れの確認をして完成です。



で、損傷したオイルパン…


ただポイするなんて勿体ないので…


再生修理の実験台になってもらいます。笑


割れた箇所をよく見ても分かる通り、ホント少しの事なんだけどなぁ…


材質上、粘りが無いので割れちゃうんですよね…

これはオイルパンに限らず多くのアルミダイキャスト製品で同じ事が言えると思います…


今回のように部品が直ぐに入手出来れば特に問題もないんでしょうが時には在庫が無いなんて事もあり得ます…
そんな時は応急的に修理する必要があるのでその実験台となってもらう訳です…


まず割れた箇所に肉盛りする為に表面を軽く削って…


溶接にて肉盛りします…


4,5,6000番台と数種類の溶接棒で試しましたが5000番系が1番溶け込みがいいように感じました…
元の材質番手は分かりませんが無難なのはやっぱ5000番台あたりでしょうか…

肉盛りした後に表面を慣らして再生形。


で、取付面の面精度の確認。
この程度の溶接なら歪みが出る事も無いので応急での修理も十分可能ですね…



損傷が広範囲だったり溶接する箇所によっては溶接時の熱で取付面が歪んじゃいますからね…
こういう交換後の部品も捨ててしまえばただのゴミですが、こうやって色々と試す事でどの程度までの損傷なら再生が可能か色々と検証出来る訳です…

ただ捨てるなんて勿体ない!笑

他にも試したい事はあるのでまだ捨てませんよ…

という事でアルトは完了。



お次はタンクトレーラーのトラブルシュート。


走行中などに荷物を積んで無いのにリフトアクスルが勝手に降下したり、上昇したりを繰り返す…という症状で入庫していたらしく…
他のメカニックがトラブルシュートをしてレベリングバルブなどを交換したが改善されず…
ギブアップという事でヘルプの依頼が入りました。

現車は車高調整を機械式のレベリングバルブで行いリフトアクスル制御はEBSコントローラが行うTEBSタイプのトレーラー。
診断機を繋いで過去故障コードを確認すると色々と入っておりますが、現在コードは無し。


まあ怪しい故障コードもありますが…
ほとんどがホイールセンサ系の故障コードなので今回のようなリフトアクスルが勝手に下降上昇を繰り返す症状とは直接関係は無さそうです。


で、下廻りを確認すると…


レベリングバルブは左右共新品に変わってますが…




TEBSタイプのエアサスのレベリングバルブは機械式なのでリフトアクスルの制御には直接関係ありません…
あくまでも車高を機械的に調整してるだけです…

また車体がなんらかの理由で(ベローズのヘタリやリンクのガタなど…)傾くとそれを戻そうとエアを排出したり吸入したりするのでそれをエア漏れや故障と判断するメカニックもいますが…
実際にはレベリングバルブは悪くないなんて事も少なくありません。

このリフトアクスルの制御は接地軸のベローズ圧力をコンピュータがモニターしており、その圧力に応じて車軸を上げるか下げるかを判断してます。
またリフトアクスル制御に何かしらの異常があると判定されると強制的に車軸を下げる事もします…

今回の症状は走行中に車軸が勝手に下がったり上がったり、また常に症状が発生する訳ではなく出たり出なかったりという事なので可能性としては圧力センサの一時的なバグや特性ズレなどが考えられます…

で、その圧力センサの良否を判定する為にパラメータを少々変更します。




コンピュータが車軸を下げる判断をする基準となる数値を少々甘く設定し直して、実ベローズ圧とセンサの数値を見比べながら実際に作動圧が変化するか?を確認します…

これをする事でセンサの信頼性が判断出来ます。

ところが試運転の結果、作動圧や症状は変わらず…

また試運転時に圧力センサのデータを見ているとセンサの数値が一瞬0に落ちたりしてるので圧力センサの不良でほぼ間違いないでしょう。


問題はこのタイプのベローズ圧力センサは単体ではなくEBSコントローラに内蔵されており、基本的にはEBSコントローラASSYでの交換が必要となります…

元々作業をしていたメカには…
EBSコントローラの交換とパラメータの設定、更には設定後スタートアップを行う必要があるなど、一通り説明して再度、作業を引き継いでもらいました。

作業後は無事に症状も改善しました…
という事でトレーラーも終了。



それから先日、赤信号で停まっていた所に隣に停車したレクサス…



LSかぁ…なんて見てたら…



ナンバーが…


31A…⁉︎


もう数字だけじゃ番号足りないんでしょうね…


にしても初めて見た…笑





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