気が付けばもう12月…
仕事もバタバタしてくる時期です。
そんな最近の作業…
まずはトレーラーブレーキの効きが悪いので見て欲しいとの依頼で入庫した東邦車輌の1軸タンクトレーラー。
トレーラーブレーキとはその名の通り、連結時にトレーラー側のみに作動するブレーキの事で…
主な目的は積載状態での第5輪(カプラー)の突き上げを防止する為のブレーキです。
トレーラーでは連結状態での減速時や惰性走行時にトレーラー側重量の慣性によってトラクターを押し出すような状態になってしまいます…
そうなると結果的に連結部である第5輪が押し上げられ、トラクタ駆動輪のトラクションが抜け最悪の場合ジャックナイフ現象やトレーラースイングといった事故に繋がる状況を起こしかねません…
特に積載状態での峠の下り坂などは1番危険です…
トレーラー側にだけブレーキがかかれば突き上げを防止する事が出来るので、車種により位置は多少異なりますが、トラクタには必ずトレーラーブレーキを操作するレバーが付いてます。
とは言え最近の車には必ずABSやASRなどの安全装備も付いているのでよっぽどそんな事故も少ないと思います。
中には運転手さんでもトレーラーブレーキなんか使った事無いよ…なんて人も居たりするくらいですからね…
トラクターはスーパーグレート…
レバーはハンドル裏に付いてます。
で、状態を確認する為に試運転…
交通量の少ない道路で後続車両がいない事を確認して時速20km位からトレーラーブレーキを作動させてみると…
体感ではありますが、一応ブレーキはロックするほど効いてるんだけどロックするまでが確かに少し甘い気もする…
けど…
こんなもん…⁉︎
どうなんだろ…
今まで乗り比べた事はなかったので正直分かりません…笑
体感ではイマイチ判定に困る状態だったのでブレーキテスターで制動力を測定してみる事に。
テスターにトレーラー側の車輪を乗せトレーラーブレーキの制動力を測定するとこんな感じ…
数値としては特に問題は無く効いてます…
次に自社のトラクタに繋ぎ替えて測定してみるも同じくロックしてほぼ同じ数値。
ただ自社トラクタでの走行テストでは体感で明らかな違いがあり、プロフィアではレバーを引いた瞬間ロックしてABSが作動するんですが、スーパーグレートはヌメ〜っと効いてからロックする
感じ…
ただ、メーカーも車種も違うので比較にはならないかもしれません…
今度はトラクタ側のサービスラインのカップリングにプレッシャーゲージを接続して実際の作動圧を測ってみる事に…
で、問題のトレーラーブレーキの作動圧はレバー全開位置で約0.35MPa…
参考までに…
パーキングブレーキの作動圧は約0.4MPa…
フットブレーキはベタ踏みで0.75MPa…
整備書でトレーラーブレーキの作動圧の基準値を調べてみるとカム角度最大でも295kPaで誤差は上は+88kPaから下は−29kPaまで…
現車は0.35MPa(350kPa)なので基準値内…
という事で作動圧は問題ナシ…
その他にも何か原因となる箇所がないかエア経路の図面を見ると当該経路はハンドコントロールバルブ(トレーラーブレーキを作動させるバルブの事…)とクイックリリースバルブを経由してトレーラーに行くようです。
ただカップリングでの作動圧は基準値に収まってる事を考えるとどちらも正常という事だと思うんですけどね…
さて、どうしたもんか…
何気なくクイックリリースバルブを目視で点検するも、見た目では特に不具合があるようには見えません…
と思ったらホースが…
潰れてる…⁉︎
何故こんなとこが潰れてるのかも疑問ですが…
とりあえず潰れたホースは適当な所でカットし新しいホースを引き直してみました…
が、結果は変わらず…(;´д`)
さて困った…
圧力は基準値内だし…
どこにも異常らしきものは見当たらないのでこれが正常な状態なんでしょうか。
自社プロフィアと比べると体感で明らかな違いがあるんですけどねぇ…
現車はスーパーグレートなのでふそうさんはこんなもんなんでしょうか…
という事で結論は…
これが正常だと思います…
と、お客様には説明して納車しました…
で、整備担当者さんと話をしてたらどうやらこの車両は運転手が最近変わったそうで、以前まで他メーカーの車両に乗ってたそうです…
なるほど…
きっと運転手さんは以前乗っていた車両と比べて効きが甘いので故障と勘違いしたのかもしれません…
ちなみに自社プロフィアのトレーラーブレーキの作動圧は…
0.5MPaなので…
恐らくメーカーによって設定作動圧には若干の違いがあるので効き方にも違いが出るのはしょうがないんでしょう…
お次はPKG-GK4クオン…
こちらはABSのチェックランプが点灯したとの事で入庫。
この年式のクオンはどの診断機を繋いでもABSには対応してないんですよね…
という事で自己診断にて故障コードを確認。
運転席足元にある自己診断用の端子をボディーアースさせます…
キーオン後3秒以上経過したらボディーに0.5秒以上3秒以内でアースさせます…
3秒以上アースさせちゃうと故障コードが消えちゃうので気を付けましょう…笑
で、表示されたコードは4-4左後輪 車輪速センサーハーネス断線又はショート…
読んで字の如し。
早速どこで断線orショートしてるのかホイールセンサーのハーネスを見てみると…
すぐに判明…
おもいっきりちぎれてます。
なんでこんな所が切れてるんでしょう…⁉︎
切れ口を見る限りだと引きちぎられたような跡ですが…
何か引っ掛けたのかな…
本来なら交換するのがセオリー通りの修理方法ではありますが…
ホイールセンサーを交換となるとハブをバラさないと出来ないので工賃や時間がかかるし、おまけに部品がすぐ来ない…
という事で切れた箇所を結線して修理する事に。
問題の配線はキャブタイヤケーブルなのでハンダでしっかりと付けた後、防水加工を施しておきます。
あとはタイラップで固定して…
故障コードの消去…
試運転にて無事にチェックランプが消灯する事を確認して完了です…
それからディーラーさんから依頼のキャンター4M50ヘッドO/H作業…
まだ作業はしておらず、部品の洗い出しです。
ラジエーターがパンクして走行したらしくオーバーヒート。
ラジエーターまでは交換したけど吹き返しがあるので後はヨロシク‼︎…みたいな。
『ヘッドやってる余裕ありません…』だって…
いや、ウチも決して余裕は無いんですけどね…
現状の確認などを…
ラジエータは新品…
こちらはピットが空き次第作業開始です…