メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

ギガ…ヒーター効きが悪い。

2016-02-18 17:40:22 | いすゞ
KL-EXD52のいすゞ…ギガ…
エンジンは6WG1。

ヒーターの効きが悪い…との事で入庫。
早速、現車を確認します。

まず冷間時にファンクラッチの抵抗を確認。
問題無さそうです…
風はちゃんと出ており…
吹き出し口で温度を測ってみると…


42.3℃…

全く効いてない訳ではありませんが、温度としては物足りないですね…



次にスキャンツールを接続してデータ上の水温を確認してみます…

エンジンを2000回転ほどでしばらくレーシングさせても、水温が65℃を超えません。

その時の水温計は…


アイドリング状態にしておくと…


みるみる下がってくるので…オーバークールです…

という事で…原因はサーモスタットと判断。

部品を発注して作業に取りかかります…

ターボパイピングを外して…


6U型のエンジンに比べるとこの6WG1はまだやりやすいですが…
それでも作業性はイイとは言えません…

ロアホースのパイプも外さないとサーモケースが外れません…


で、この6WG1のサーモスタットは…いすゞ車に多いトップバイパス型のサーモスタット。
このトップバイパス型は構造上、シールか精度の高いカラーが必要になるんですが…

6WG1はシールを使用してます…



当然、サーモスタットが正常でもこのシールが悪くなると、冷却水がラジエーター側に流れ込んでしまいオーバークール気味になってしまう事もあります…
なのでサーモスタットを交換するのであればシールも交換する必要があります…

で、このシールを外すのにSSTが要ります…

正確に言うと、叩いて外す事も可能なんですが…叩いたら、シールのハウジングが割れた…なんて話を聞いた事もあるので、それ以来当工場ではSSTを使用するようにしてます。

これがサーモスタットシールプーラー…

たいした作りではないんですが、リスクを避ける為です…

SSTをセットして…

シールを引き抜いていきます。


新品のシールを圧入。


サーモスタットを取り付けて…


後はサーモケースを取り付けてターボパイピングを組み付けて…
冷却水を注入してエア抜き&漏れ確認。

再度、データを確認します…

アイドリングで76℃まで上がるようになり…
水温も安定してます。

ヒーター温度も…

熱いぐらいに効いてます…笑

最後に冷間時の冷却水の量を確認して完了です…


その後、外したサーモスタットを点検すると原因が判明。

シャフトが曲がったのか…センターがズレて隙間ができてます…

この隙間から冷却水がラジエーターに流れちゃってたんですね…納得です。






話は変わりますが去年の年末にギガの再リコールが出ましたね…
もともとはECUのプログラム不良でDPF再生中にピストンの温度が異常に上昇して損傷する…という見解だったんですが、再リコールでは原因はオイルサーモバルブの開弁温度の不具合…との事らしいです…
油温が異常に上がる…という事なんでしょうか。

まあ、いくつか気になる点もありますが…


これで改善されるといいんですけどね…


あ、ちなみに今回の車両は対象ではありません…笑






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