かたがた、いかがおすごしか。
殿は吉川様の御料地に日本刀を見にお出ましであった。
ワシは例によって留守番じゃ。
殿曰く「昼飯に食べた、岩国名物のガンス丼はいかいよろしかった」とのこと。
はぶてちゃる。
さようならば、御免。
殿は吉川様の御料地に日本刀を見にお出ましであった。
ワシは例によって留守番じゃ。
殿曰く「昼飯に食べた、岩国名物のガンス丼はいかいよろしかった」とのこと。
はぶてちゃる。
さようならば、御免。
かたがた、秋でござる。
いかがお過ごしか。殿はじゃっかん「ノドが痛い」そうでござる。
へそ出して寝るからじゃ。
さて、大内氏の時代には、この鴻城には三名水なるものがござってな。
「藤の下水」「朧の清水」「柳の下水」じゃ。
「藤の下水」はすでに枯れて道場門前に石碑のみ立っておる。
「朧の清水」は最近、再びわき出したらしいが、市役所が整備に動かんらしく、水はくめぬ。
現在、唯一、大内殿の時代から絶えず湧きだし、汲むことができるのがこの「柳の下水」じゃ。
市内、県庁の裏手の山の中腹にある。
家の敷地内でな。
ありがたいことに、手作りで道を整備なされて、管理してくださっておる。
野村殿、山本殿には足を向けて寝られぬ。
山から落ちた清水をそのまま飲める幸福をかみしめたいものよ。
福島では、すでにできぬようになった幸福じゃ。
判断次第では、我が藩でもできぬようになるかもしれぬ。
山の清水を汲みに行った殿は、何度も「ありがたいのう、もとニャリ」と仰せであった。
まことにさようじゃ。
浴びるほど電気が使えても、水が飲めねば人は生きてゆかれぬ。
江戸時代には電気はなかったが、人は生きておった。
そういう、ことなのじゃ。
左様ならば、御免。
いかがお過ごしか。殿はじゃっかん「ノドが痛い」そうでござる。
へそ出して寝るからじゃ。
さて、大内氏の時代には、この鴻城には三名水なるものがござってな。
「藤の下水」「朧の清水」「柳の下水」じゃ。
「藤の下水」はすでに枯れて道場門前に石碑のみ立っておる。
「朧の清水」は最近、再びわき出したらしいが、市役所が整備に動かんらしく、水はくめぬ。
現在、唯一、大内殿の時代から絶えず湧きだし、汲むことができるのがこの「柳の下水」じゃ。
市内、県庁の裏手の山の中腹にある。
家の敷地内でな。
ありがたいことに、手作りで道を整備なされて、管理してくださっておる。
野村殿、山本殿には足を向けて寝られぬ。
山から落ちた清水をそのまま飲める幸福をかみしめたいものよ。
福島では、すでにできぬようになった幸福じゃ。
判断次第では、我が藩でもできぬようになるかもしれぬ。
山の清水を汲みに行った殿は、何度も「ありがたいのう、もとニャリ」と仰せであった。
まことにさようじゃ。
浴びるほど電気が使えても、水が飲めねば人は生きてゆかれぬ。
江戸時代には電気はなかったが、人は生きておった。
そういう、ことなのじゃ。
左様ならば、御免。