最後の一葉

　かたがた、ぬくうてええ天気でござるの。
　風邪など召しとらんかな。

　今年は台風が来んかったで、桜の木の葉も蔦の葉もこのとおり残ったまま紅葉しちょる。
　長門峡も龍福寺も今が見頃じゃないかのう。
　
　むかし、バテレンの小説家が蔦の葉っぱにまつわる悲しい話を書いたげなが、今年であればえかったのにのう。ずうっと残っちょるで。
　さて、殿。
　ひさびさに足湯にでもまいりますかな。
　もとニャリ、お供致しまするで。

　左様ならば、御免。
　

うまうまうま

　にゃーん、かたがた、お元気かな？
　もとニャリでござる。

　殿、なにやら、ええ匂いがいたしまする。
　なんと、くりすますとやら言うモンにつきものの「しゅとれん」なる菓子のまがい物を焼いてみたとな。
　本物のしゅとれんはえらい手間なで、「すこん」なるもので雰囲気だけ出してみたと。
　しかし、うまそうでございますな。
　10時のオヤツはこれと、タンポポコーヒーできまりですな。
　もとニャリもお相伴いたしますで。

　ああ、幸せじゃ。

　さようならば、御免。

べっぴんさん

　かたがた、いかがおすごしか。もとニャリでござる。
　日に日にさぶうなっていくが、風邪などめしとらんかな。

　さて、殿。どえらいべっぴんさんがようけおるが、これは何でござりまするか？
　なんと、県立美術館の企画展とな。
　昭和モダンと大正ロマンですかな。ええですなあ。
　ワシも見に行きとうござる。
　それでは、いつもの通り、殿のインバネスの懐に入れていただいて…。
　こそっとのぞいておりまする。

　お着物がおすきであらるるならば、近所の菜香亭であんてぃーく着物の展示もしとるでよう。

　さようならば、御免。

おかしな天気じゃ

　かたがた、いかがおすごしか。
　本日は実におかしげな天気ではあるなあ。

　晴れたり降ったり。
　じゃけど、おかげで虹がみれたで。
　虹は虫編じゃな。なぜかご存じかな。
　蛇も虯（みずち）も虫編じゃろ？
　もともと龍は虫の親玉とかんがえられちょった。
　龍は水にゆかりぶかい。じゃから、水神として蛇神が祀られる訳じゃ。
　ほして、雨が降ると現れる虹も龍の一種と考えられたんじゃな。
　じゃから、虹は虫編がついておる。

　ひとつ、賢うなったかや。

　さようならば、御免。

もみじ

　かたがた、いかがお過ごしでござるか。
　きにょう、今日とお城下は祭りでござる。

　本日はあいにくの天気じゃが、大名行列がでて練り歩きがあるはずじゃった。
　岩国様の鉄砲隊もくるんじゃがなあ。
　さて、お城下はすっかり秋模様じゃ。
　今年は台風がなかったで、桜の木の葉も紅葉しておる。
　咲いて散るだけが桜ではない、秋の桜も良いものじゃ。

　紅葉をめでにおいでなされませい、のう。

　さようならば、御免。