おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

誰のために?

2009年05月18日 | 日記・エッセイ・コラム
土曜日に散髪へと出かけた 
 
鏡の横に小さなテレビが置いてある床屋で
ドラマが終わったあと、ニュース番組へと
切り替わった
 
新型インフルエンザの人から人への感染が
国内で初めて確認されたとかで
とにかく、こりゃ、大変な事になったぁ!って感じ
 
「マスクが売れますよね」
 
まだ、深刻には受け止めていなかったのか
呑気な意見交換をした
が、何事も“売れるかも?”なんて
思っているときには、すでに売れている事が多い
 
少し離れてはいるが、生活圏内とも言える場所での
集団感染だから、予防の徹底に越したことはない
それに
月曜日に見舞いに行く予定が入っていたもんだから
マスクは必要だろうなぁ~と
短くなっていく頭髪を見ながら、薄っすらと
思い描いた
 
で、日曜日
 
マスクの事はすっかり忘れていたが
立ち寄ったホームセンターで
マスクが売り切れているのを見て
少しだけ、焦る気持ちが芽生える
 
(俺も買わないと!)
 
しかぁーし
 
どこにもない
ドラッグストアーにもない
ホームセンターにも、スーパーにも
念のために立ち寄ったコンビニにも
子供用しか残されていない
売り切れと書いた紙が貼ってある店
入り口からでも、ある一角だけ商品が
並んでない棚が確認できる店
 
(あぁ、売り切れなんだな)
 
そんな中
何軒目かのホームセンターに
何枚かあるのを発見
 

 
それを取り囲むように
3組のご年配夫婦が、手に取り
どれがいいのか吟味していた
しかも、何が嬉しいのか
6人とも満面の笑顔で・・・・・
 
選ぶほどの種類もないのに
何を迷っておられるのですか?
クソジジイ&クソババァ!
と、心の中で罵った自分を
1秒の間を置いて、少しだけ反省した
 
(俺は何をしてるんだ?)
 
所詮、自分が当事者にならないと
他人事にしか過ぎない
僕の行為も、まるで流行モノに飛びつく感覚で
あの6人と同じじゃなかったか?と
 
“見舞いに行く”
 
と言う大義名分がなかったら
僕も、人の目だけを気にして
マスクをしていたかも知れない
周りと同じだと落ち着く心理だったかも知れない
 
そう思って、静かに店を出た
 
その後、他の店に行って
やっぱり無かった時には
少しだけ後悔した
 
 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする