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op.26 嬉しかった一言

2020-07-12 | 闘病記に名を借りた自分語り
私は「対女性」の付き合いにおいて慎重な一面があります。
その理由は、こう言っては語弊があるかもしれませんが
世間的に見れば自分が(女性として)「恵まれている」と自認しているから、かもしれません。
結婚もできて、子供にも恵まれ、
良いことも悪いこともありましたが、それらひっくるめて「いろいろな経験ができている」ことを、心から有難く幸せに感じています。

一方、
そのような女性について、やっかみや妬みのようなものとともに語られる場面を、しばしば目にしてきました。
(時にそれは「弱者への目線が足りない!」という文脈上で語られます。)
そんなわけで私は、余程気心の知れている間柄でない限り、女子トークでは慎重に距離を取るようになってしまいました。
(私生活がよく分からない人や、政治的主張の激しい人に対しては特に。)
どちらかと言うと男性相手に、共有しようがない話題について(笑)話すほうが気楽だったりします。

しかしここに来て、
おそらく女性にしか分からない苦しみを、「女性と」分かち合える幸せを感じることが増えました。

たとえば髪(脱毛)のこと。

脱毛が始まる直前に、かぶり心地が良くてしゃれたキャップを妹が送ってくれたのは有難かったです。
(いずれ必要になることが分かっていても、贈るとなると余程親しくない限り恐らく躊躇してしまう類いのプレゼントではないでしょうか。)

また、化学療法を担当してくださっているドクター(女性)から、
「ウィッグ、自然でいい感じじゃないですか~❤️そんな感じの髪型でしたよね、前から?」と言われたときは、本当に嬉しかったです。
化学療法初日に担当していただいたときに、悩み・苦しみのようなものをちょっと吐露してしまった、その先生だったのですが、私の心身の経緯を分かってくださる方だからこその嬉しい誉め言葉に、とてつもない幸せを感じました。

治療方針全般についてお世話になっている主治医の先生(男性)は、本当に素敵な良い方なのですが、脱毛については「また生えて来ますから大丈夫ですよ」としか言われたことがなかったので...
(いや、もちろんそれ以上何かを言ってくれというのではないのです。
女性の髪についての悩み苦しみを、真の意味で男性と共有できるとは思わないので。)

とりあえず、「また生えて来る」ココが男性にとっては重要なのだな...ということが、よく分かりました。(笑)

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2 コメント

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Unknown (moriya)
2020-07-13 07:29:22
男女の違い? について2題
その1)幼稚園にいた頃にあったこと
ある日の午後。子どもたちが降園したあと、教員のなかでは先輩格だが世間的にはまだうら若き女性がぼくのところに来た。「今日はこれで早退します。おなかが痛いんです。先生(ぼく)にはわからない痛さです」とのこと。別に怒って言ってきたわけではないし、さすがのぼくでも意味するところはわかる。しかし、とっさに返すことばがない。仕方なしに、「あーそう、わかりました。お大事にね。ひとりで帰れますか?」と、当たり障りのないことばを返した。(それ、実感できないことだから、わかりましたということも、たいへんですねということも、どちらも変に思えて何とも困った)
その2)家内の出産
子どもは3人います。2番目のお産が重かった。子どもは何とか生まれたが、出血が多く、お産の経過を看護師さんに聞かされたぼくは、「これマジ、1人生まれたけど1人助からないかも」とホントに蒼くなった。でも、結果として入院がちょっと長引いただけで助かった。その約3年後に3人目のお産があった。たしか、土曜日で自宅で遅めの昼食をとったあと、「そろそろ行ったほうがいいかなぁ」というので、病院に連れて行った。「まあ、夜半頃のことだろう」と思いながら帰宅したら、まだ、日のあるうちに病院から「無事に産まれましたよ」の連絡。「え、まだ入院して3時間くらいしかたってないよ。まあ、無事に産まれてよかった」。(そこまではよかった)
ぼくは、前のことがあったので、労いのつもりで(ホントホント)家内に「お疲れさま。今回のお産は軽かったみたいでよかったね」とことばをかけた。そしたら、…………「世の中に軽いお産なんてあるわけないでしょ!」と、だいぶおかんむりだった。(そのあとは、なにか言ったら倍返しされると思い、当たり障りのない会話に終始した)

共感しようとしても、実感できないことだとかえって相手の心証を損ねることは多いと思う。男女の身体のしくみやそれに対する思い入れはお互いにわかり得ないところの代表でしょう。
難しいなぁー、と思った経験でした。

今回は以上でございます。
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Unknown (midstream00)
2020-07-13 11:07:36
moriyaさん、貴重な体験談をありがとうございます。いろいろと共感するところ大です。
少々重い話になってしまいますが、私は流産を経験したときに、なぜ女性ばかりがこんなに苦しく悲しい目に遭わなければならないのかと、やり場のない憤りに苦しんだことがありました。
しかし、あるドラマの中で、流産した恋人にただ寄り添うことしかできず涙している男性の姿が描写されていて、衝撃を受けました。
彼にもまた、「愛する人が苦しんでいるのに何もしてあげられない」という、女性には分からない苦しみがあるのだと...
ときには寂しく辛いことですが、真の意味で「分かり合える」苦しみというものはない、という現実からスタートしなくてはなりませんね。
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