水面に映る光景

日常感じたことなど。

心惹かれる作家

2006-09-14 13:08:18 | Weblog
 篠田節子の『百年の恋』(朝日文庫)。
 
 「絹の変容」(多分デビュー作)を読んだ時の強い驚きを今も覚えている。その時以来のお気に入りの作家である。
「3日やたら止められない」(エッセー)の面白くなかったのもよく覚えている。

 『百年の恋』は篠田節子の作品だから手に取ったといえる。
 作品の初めのほうは恋愛感情が芽生えた頃や新婚の頃の、男性の感情の変化、思い込みやすれ違いでげらげら大笑いする場面が多かった。

 中盤では、家族を一人増やす時の感情の変化、思い込みやすれ違いで、涙が溢れる場面が増えた。

 後半、子育ての頃には、他力的な子どもの存在と成長が微妙に感情、思い込み、すれ違いに変化を起こし、自分のクローンのような娘を前にして、父親になったものは「きっ」と、前を向かなければみたいな、明るさや希望が見えてくるのが嬉しい。

 この作品の片方の主役、パワーエリート女性の特性として書かれている、片付けの出来ない人を現実にみたことがある。その時、それが病気だと知らなかったので、ホントにゴミ捨て場のような家の中に驚いたものだ。

 好きな作家でなければ、今この時期に、読まない作品だが、好きということは感情の波長が合うということなのか、投げ出さずに4時間もかけて読んでしまった。

 作品を読んで、二人も子どもがいるということは何物にも変えがたい経験をしたのだという思いを強くした。

 2ヶ月前に、男の子のお母さんになったお友達がいる。頑張ってとエールを送り続けたい。

 
 今回も100円の出費+4時間+その他。
コメント
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