水面に映る光景

日常感じたことなど。

カモメのジョナサン(完成版)

2014-07-18 08:27:58 | Books等
完成版が40年振りに出版されたとのニュースに接し早速手に入れて読んで見た。
40年前、初めて読んだ時、何が言いたいのか理解できなかった。3年前孫のあーちゃん(ジョナサンと名づけられた)が生まれた時、読み返して見た。成る程と、自分なりに理解した。いい名前だと思った。

今回の完成版は今の自分と重なる部分が多々あった。私は何故傍から見れば無謀とも思える挑戦を10数年以上続けるのか。

本の中の文章で言えば

「アンソニーは海の上を羽ばたきながら、ふと考えていた。生きることは無益であり、無益ということはすなわち無意味であるとするならば、唯一まともな行動は、海に向かって急下降し、溺れ死ぬことではないだろうか。こうして海藻のように、意味も喜びもなく生きるのなら、むしろまったく存在しないほうがましだ。」
「ああ、たのしんで飛んでただけだよ。急下降、急上昇から、緩横転して、頂上で横転宙返り。ただの暇つぶしさ。君ももし同じように飛びたいのなら、やってみるかい?少しばかり練習が必要になるけど。でも素敵なことだと思うだろう?」


この2文が今の私の行動への動機と続ける意味を表している。まあ、海藻には海藻としての存在価値があると、私は思うけどね。底辺に生きるものとして。

追伸:文明や科学がいかに進んでも、人の心は進んで行かない。人はその人1代限りだ。私たちはそれよく知っていると思う。親が子供に自分の経験からその先を示しても子供は自分で同じ事を経験しなければ納得しないものだ。どんな素晴らしい経験もそれはその人限りのものだ。
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かもめのジョナサン 

2011-11-08 08:55:24 | Books等
かもめのジョナサン リチャード、バック 五木寛之訳 新潮文庫


友人に孫の名前がジョナサンだと知らせると、かもめのジョナサンのような人になるのねと言われた。しかし、私の中では変な本というイメージがあるだけだった。若い頃、あまりに有名で手に取ったがあまり意味がわからなかった。ヒーローは凄い。若い頃にあの本をしっかり読んでいたのだね。


解説の中にこの本は、「読む者がそれぞれに神秘的原理を読み取ることのできる偉大なロールシャッハテスト」というのがある。なるほどである。


今はよくわかった。若い頃は群れの中でいかに生きるかがわたしの課題だった。今のわたしは群れから飛び出してしまった。しかし、高みには程遠く苦しい毎日である。


娘のパートナーがどういう気持ちで子供にジョナサンの名前をつけたのか、聞いてみたいと思うのだが。


ジョナサン(あきお、あーちゃん)が元気に成長してくれればというそれこそ平凡なことを望んでいる片隅で、人類に貢献できる人になって欲しいと思ったりもする。

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放射能との共存時代を前向きに生きる

2011-11-08 08:49:56 | Books等
世界9月号、放射能特集より

放射能との共存時代を前向きに生きる 肥田舜太郎
気持ちにフィットしたインタビュー記事でした。

放射能の被害を受けてしまったら、腹を決めなさい。開き直る。覚悟する。
そして、個人の免疫力を高める暮らしをする。
免疫力を傷つけたり衰えさせたりする間違った生活は決してしない。
免疫力を上げるといわれるいろいろな事から自分に合ったものを選んで一生続ける。
一つでもいい。決めたものを全力で行なう。病気の発病を防ぐために。


非力な私にできることはこれしかないと思うのだが、そして、やる事もわかっているのだがなかなか出来ない。
今、人生で一番体重が重い状態だが、体調は悪くない。それでもきっと体には負担がかかっていると思う。
 腹八分ならぬ腹六分、日野原先生のように一日1300キロカロリーの食事をと思うのですが、
三日坊主が何回か続いている。それでも頑張ろう、今日から。
しかし、今、愛と食べ物のいっぱい詰まった母からの荷物が届いた所だ


アメリカの研究では各施設から100マイル以内に影響が出ているようだ。
それでアメリカはあの日の事故で80キロ以内にいるアメリカ人に避難を呼びかけたのだ。
100マイルは約160キロ。日本のほとんどが影響を受けていると考えられる。


日本人であるわたしは覚悟している。
しかし、私の気持ちとしてアメリカにいる孫に日本に遊びにおいでといえる日が来るのだろうか。






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春を恨んだりはしない

2011-11-08 07:36:23 | Books等
春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと 池澤夏樹 中央公論新社


薄い本なのに手間がかかったと作者が、書き終えてに、書いてある。


言葉で震災のことを言い表すのは難しい。自分の心の動きを言い表すのはもっと難しいと思う。プロでもそうなんだと思った。プロだこそ大変なのかもしれない。


生き延びた漁師と医者の会話、「生きていて良かったな」、「だけど、俺より立派な人がたくさん死んだ」。


この会話の持つ意味は海より深いと思う。



震災後、本を見ると、震災前にかかれた本だろうかその後に書かれた本だろうかと確認する癖が付いている。あの大震災をどう受け止めているか無意識に確かめているようだ。前回の本、コンサルタントの「ひと言」力は震災後に書かれ、作者がその時どこにいてなにを感じたか書いてあった。一人一人の経験を読むとなるほどと心がホッとしたりする。

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コンサルタントの「ひと言」力

2011-10-27 08:47:53 | Books等
話の流れを一気に変える!コンサルタントの「ひと言」力 野口吉昭 PHPビジネス新書


住む場所を替えたので新しい出会いがいろいろある。
無駄にしゃべりすぎるのがわたしの欠点だ。
長い付き合いの娘へのメールのひと言がなかなか見つからなかったりする。
人生のいろいろな場面でのひと言が気に成りだしていた。


読んでビックリした。効果的なひと言を身につけるにも、守・破・離が当てはまると書いてある。型があればそれを応用して、よいひと言を導き出すことが可能だと書いてある。

守・破・離:一度型を作りそこから脱却する事で更なる高みに達する。

多くのことに当てはまる言葉のようだ。
今までやってきたことももう一度見直してみようと思う。
60の手習いもそれで行こう。

うちの誰かさんは時々あるいは頻繁にいいことを言う。
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NASAより宇宙に近い町工場

2011-07-18 08:37:27 | Books等
NASAより宇宙に近い町工場(僕らのロケットが飛んだ)
植松努 ディスカバー・トゥエンティワン

パソコン講座で知り合った福本さんがわたしの自己紹介を聞いてぜひ読ませたい本があると貸して下さった。

最初、何気なく読んでいたが成功するコツはあきらめないこと。誰かがという発想は捨てて自分で自分を信じる事等々、心に響く言葉があった。薦めてくれた人の気持ちが伝わってきた。
関西の人は温かいねー、と、思った。


わたしは自分の経験を社会の中で役立てたいと思ったが、その経験がだんだんと色褪せていく。何の意味もないのではないかと思ってしまいそうになるほど自分の気持ちの中で色褪せていく。10年以上も取り組んできたことの成果が得られないことが大きな原因だとわかっている。
短い自己紹介の中でそれを感じた彼女がこの本を貸してくれたと思う。初めて会った人だった。あきらめてはいけない。合格するまでやるべきだという言葉を添えて本を渡された。


このての本はいろいろあるがNASAと張り合うところが凄い。そして、その目的が“どうせ無理”という言葉をこの世からなくすことにあるというから凄い。実体験に基づいているから迫力がある。“どうせ無理”の裏返しがあきらめないことだと思う。


わたしも“どうせ無理”と言われたことをこれまで2回やっている。もちろん、NASAと張り合うなどという凄いことではない。身近なことでである。ひとつは病気を治したことだ。リウマチといわれ、治るのは無理といわれたが、それでも治ると意地をはって、自力で治した。もうひとつは、娘が東大に入ったこと。普通の家庭から受かるはずがない。無理だと言われていたが受かった。しかし、そんな経験ももうどうでもいい事のように思え色褪せてきた。これまでの事が何の意味もないように思えてきた。

しかし、この本を読んで、そうなんだよね、誰がどう評価しようがそれはどうでもいい事だ。わたしがどう生きてきたかは私が良く知っている。
と再確認をさせられた。感謝である。

追:今期の直木賞に“下町ロケット”(池井戸潤 小学館)が選ばれた。読んでみようかなと思った。
追2:なでしこジャパンの諦めないサッカーに日本中が興奮。成功の秘訣は諦めないこと。勝利の秘訣は決して諦めないこと。再確認の朝でした。
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話題の本3冊

2011-01-02 23:23:56 | Books等
ウォーキング池袋コースの楽しみは本屋で座って本が読めることです。
読んでしまいました。新刊本3冊。

KAGEROU、話題先行の本。買う気はないが読んでみたいと思いました。2刷目出版の日、偶然でしたが本が山積みで何の本かと手に取ると話題の本でした。高校生二人が1刷目の誤植のことを話していました。訂正のために上に貼った紙を透かしてみると下の字が読めたということです。私もその誤植のことを新聞で読んでいましたのでつい横でうなずいてしまいました。
読みました。なんかどこかで読んだことあるような気がする個所がありました。臓器移植のところでは瀬名秀明のBrain valley(多分)が頭に浮かびちょっとスケールが小さい感じがしました。最後の落ちは読まずにわかってしまいました。?な本でした。


孤舟(渡辺淳一) ゴメン(誰に謝ってるんだろうか)。つまらなかった。20代~30代にかけて渡辺作品をかなり読みました。そして、小説から医学的な知識をかなり得ました。その経験があるので新しい発見のない渡辺作品はちょっとつまらなかったです。あまりにも平凡すぎて深みが感じられませんでした。


流跡(朝吹真理子)ドゥマゴ文学賞受賞作。2つほど高く評価する書評を新聞で読んでいましたのでかなり期待して読んだのですが、久しぶりでしかも本屋で居眠りしてしまいました。ストーリはないが読み終えると言葉の不思議さに感動するということでした。Give upです。感動を味わうことはできませんでした。

話題の本に追いついていけない自分を発見しました。これって年取った証拠でしょうか

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人はどうして死ぬのか(本)

2010-08-30 07:31:11 | Books等
人はどうして死ぬのか(人の遺伝子の謎) 田沼靖一 幻冬舎新書

最近読んだ本のなかで一番面白かった本。

人の死がなぜ運命づけられているのかよく分かり死ぬことを許容する心が自然に生まれました。

細胞の死には二種類があるという。細胞の壊死(ネクローシス、炎症や痛みを伴う普通に考える細胞の死)と、プログラムされた細胞の死(アポトーシス、細胞の自殺、浮腫や痛みなど炎症は起こらない)である。

人は細胞を多めにつくって、不要な部分、不完全なものをアポトーシスによって削ると考えられるらしい。

アポトーシスが起きない(死ぬべき細胞が死なない)ために起こるのがガンや自己免疫疾患で、アポトーシスが起きすぎる(細胞が急速に死ぬ)のがアルツハイマーやパーキンソン病などだという。

しかし、なぜそれが起きるのかは解明されていない。が日常生活の中で何かが引き金になることはわかっているらしい。何が引き金になるかそれが分かれば目の前が明るくなることは確かだと思う。

他に非再生系の細胞(細胞の死が起きない細胞、脳の中枢の神経細胞、心臓の心筋細胞)の死(アポビオーシス、寿死)がありその寿命が120年と考えられているという。ということはどう頑張っても人はそれ以上生きられないことになる。

リウマチという自己免疫疾患の病歴を持つ私には病気になった理由とそれが治った理由が私なりに理解できた本だった。

人はどうせ死ぬのであるが、死ぬまではしっかり生きようと思う。生きていくなかでいつどんな引き金を引くのか分からないが死ぬことだけは確かである。死に急ぐ必要もないのである。死はいずれ訪れるのであるから、そのことを視界に置きながらこれからを生きていきたいなと思う。

他に関係する本として『酸化ストレスから身体を守る。 活性酸素から読み解く病気予防』(嵯峨井勝、岩波書店)も部分的に同じことが違う視点から書かれており参考になった。
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たんば色の覚書(本)

2009-11-19 22:36:06 | Books等
たんば色の覚書 私たちの日常  辺見庸  毎日新聞社

体験的エッセーでありながら、小説のように感じられた。

読みたいと思いながらなかなか手にとることができずにいた。愛と痛みに触発されて読んでみた。大病した後、著者がどう変わったかとても興味があった。


『ミルバーグ公園の赤いベンチ』が心に響いた。放射線治療を一緒に受けている仲間の様子を書く事で、その治療の過酷さがよく伝わってきた。辛い、キツイ、苦しい等大変な様子は何一つ書かれていない。なのに大変さが伝わってくる。


「それでもただ一つははっきりしていることがある。私はあの二人と毎日午後二時ごろ会うのをいつしか何よりの楽しみにするようになっていたのだ。」この部分を読んで涙がこぼれる。放射線治療の過酷さを、一緒に治療を受ける人たちの様子で感じさせ、その辛さを、その人たちに会うことの楽しみで受け止める。自分の楽しみのように書いているが、相手の有るがままを受け止める心の優しさが強烈に伝わってきた。


私自身、自分の病気を理解してもらうのは大変だった。そのことが前提にあり他者に対する思いの優しさが強く感じられたのかもしれない。


「飛びたいな」。「多分、飛べるな‥‥‥」。赤い灯がひとつ点滅しながら記憶の海に向けて斜めに飛翔していった。この最後の文は何を意味するのだろうか。もしこれが“死”だとしても、その死はきっと納得のいく、消化された死だったに違いない。
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愛と痛み(本)

2009-11-19 22:02:32 | Books等
愛と痛み 死刑をめぐって  辺見庸  毎日新聞社


死刑は無いほうがいいと思いながらも、被害者の立場を考えると無くすのがいいとは一概に言えないと気持ちは揺れつづけていた。ズーと何年も、死刑廃止の根拠を探し続けていたような気がする。今回この本を読んでその根拠らしきものが、つかめた気がした。


死刑が執行される様子を国民に公開し、それが残酷だというのであれば、死刑を廃止すればいいと辺見庸は言う。国民の目から隠さなければいけないことは、やらなければいいと。執行の現場を国民に見えるようにすると死刑が何を意味するのか分るのかもしれない。

奴隷達を生きたまま十字架にして磔にし、遺骸となった後でも地上に下ろしてはならず、何年にもわたって見せしめの為に晒す。このような情景を想像してみると、見せしめによる予防は、決してとってはいけないことのように思えてきた。


あなたが愛していることはあなたにとって都合のよいことではないかと言うマザーテレサの言葉を提示している。殺人者という犯罪者は排除するだけでいいのか。犯罪者の痛みを理解、共有することは可能なのか。


辺見庸の本は私にとって難しい。自分の理解を言葉にすることも難しいが、心に響く何かを残してくれる。
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