水面に映る光景

日常感じたことなど。

人はどうして死ぬのか(本)

2010-08-30 07:31:11 | Books等
人はどうして死ぬのか(人の遺伝子の謎) 田沼靖一 幻冬舎新書

最近読んだ本のなかで一番面白かった本。

人の死がなぜ運命づけられているのかよく分かり死ぬことを許容する心が自然に生まれました。

細胞の死には二種類があるという。細胞の壊死(ネクローシス、炎症や痛みを伴う普通に考える細胞の死)と、プログラムされた細胞の死(アポトーシス、細胞の自殺、浮腫や痛みなど炎症は起こらない)である。

人は細胞を多めにつくって、不要な部分、不完全なものをアポトーシスによって削ると考えられるらしい。

アポトーシスが起きない(死ぬべき細胞が死なない)ために起こるのがガンや自己免疫疾患で、アポトーシスが起きすぎる(細胞が急速に死ぬ)のがアルツハイマーやパーキンソン病などだという。

しかし、なぜそれが起きるのかは解明されていない。が日常生活の中で何かが引き金になることはわかっているらしい。何が引き金になるかそれが分かれば目の前が明るくなることは確かだと思う。

他に非再生系の細胞(細胞の死が起きない細胞、脳の中枢の神経細胞、心臓の心筋細胞)の死(アポビオーシス、寿死)がありその寿命が120年と考えられているという。ということはどう頑張っても人はそれ以上生きられないことになる。

リウマチという自己免疫疾患の病歴を持つ私には病気になった理由とそれが治った理由が私なりに理解できた本だった。

人はどうせ死ぬのであるが、死ぬまではしっかり生きようと思う。生きていくなかでいつどんな引き金を引くのか分からないが死ぬことだけは確かである。死に急ぐ必要もないのである。死はいずれ訪れるのであるから、そのことを視界に置きながらこれからを生きていきたいなと思う。

他に関係する本として『酸化ストレスから身体を守る。 活性酸素から読み解く病気予防』(嵯峨井勝、岩波書店)も部分的に同じことが違う視点から書かれており参考になった。
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