水面に映る光景

日常感じたことなど。

写真家平敷氏の言葉

2008-06-02 16:49:03 | Weblog
 久々に新鮮な言葉に出会った。

 平敷氏は私にこう言った「簡単に年は取れないんだよ」と。
 写真展の一見の客である私と洋子さんと一緒に写真に収まった後に、若く写してねと言う私に答えて。
 脱帽。こんな返事は初めてだ。なんて深い言葉だろう。彼の写真の1枚1枚と同じだ。これからは年を経っていることを誇りにしよう。現実には厳しいこともいっぱいあるが。

 平敷氏はまたこうも言った「親が生きているうちはなかなかだ。感謝しながら生きればいい」と。
 写真を見終えて、厳しいことにはなかなか正面から向き合えないから、写真の1枚1枚が重たくてと言う私に答えて。
 脱帽。親が生きていることどうして知っているの。私のどこかにまだまだ覚悟ができていない甘さが染み出ているようだ。

 私はこれらの言葉に平敷氏の人としての心意気を感じた。あるがままの人をあるがままに受け入れるという心意気を。

 何をしているの、何をしていたの、と聞かれることの多いなかで、返す言葉をもたない何者でもない私が感じるプレッシャーが何ほどのことかと思うほど心に響いた新鮮な言葉だった。

 あるがままの私でいい、頑張っていない私でもいい、でもまだ頑張れる、と最近やっと思い至った心境を後押しされたように感じた。


 平敷氏の写真集「山羊の肺」は私が見るためというよりも子供たちがいつか見て沖縄の一時代を感じればと思いつつ購入した。
 題名の「山羊」は沖縄を象徴し、「肺」が呼吸している、生きている現実の沖縄をあらわしていると説明を受けた。なるほどと納得。
 写真集の出版、写真展の開催を主導した25歳の中条氏の感性と行動力には目を見張るものがある。大袈裟に言えば日本の明るい未来を感じるし、人って素晴らしいと感じる。

 ちなみに、鉛筆を持ち真剣な表情で前借金をいつ返せるか毎日計算する女性の写真が印象深い写真の1枚だ。
コメント
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