言語空間+備忘録

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国連は日本を守ってくれない

2012-03-04 | 日記
リチャード・L・アーミテージ ジョセフ・S・ナイJr 春原剛 『日米同盟 vs. 中国・北朝鮮』 ( p.269 )

春原 ご存じだとは思いますが、民主党の小沢一郎元幹事長は日本の安全保障政策において、国連という存在を日米同盟と最低でも並立、あるいは相殺させる方向に使う考えを持っていると思いますが……。

ナイ ええ、知っています。しかし、実際にはそのようになると思ったことは一度もありません。私が日米同盟体制の再確認作業にあたった一九九〇年代半ば、当時の「樋口レポート(防衛問題懇談会の報告書)」には「日本が安全保障の面で国連に依存できる」という考えもありましたが、それは間違っていると思いました。国連は絶対に日本を守ってはくれません。日本防衛のためには米国との同盟体制が必要なのです。

(中略)

アーミテージ 「樋口レポート」について、私はそれほど懸念しませんでした。結局、それはどこにも行けない(成功しない)ですから。そう言えば、小沢氏は自民党時代から「国連第一、国連第一」と言っていましたね。だから、私はこう言ってやったのです。「国連が米国のように確かに日本を守ってくれると確信しているのなら、それでも結構ですよ。しかし、国連安保理は投票で行動を決めるのです。日本防衛のための軍事行動を中国やロシアが承認すると思いますか」とね。そんなこと(国連中心主義)はもちろん、確かなことではありません。一方、米国(日米同盟)については確信を持てるでしょう。ですから、あの頃から私と小沢氏の間には大きな違いがあったのです。


 国連は日本を守ってくれない。なぜなら、国連が軍事行動を起こすためには、国連安保理の承認が必要だからである、と書かれています。



 これは説得力がありますね。



 いまの国際状況で、日本を侵略するとすれば、中国かロシアだと思います。

 しかし、中国もロシアも国連安全保障理事会の常任理事国です。中国とロシアには「拒否権」がありますから、中国かロシア、どちらが一方が「拒否権」を行使すれば、国連は日本防衛のために軍事行動を起こせません。

 中国が日本を侵略しようと軍事行動を起こし始めたときには、中国は拒否権を行使するはずですから、国連が日本防衛のために行動を起こすことは不可能です。

 同様に、ロシアが日本を侵略しようと軍事行動を起こし始めたときには、ロシアは拒否権を行使するはずですから、国連が日本防衛のために行動を起こすことは不可能です。

 したがって、どうしても、日本防衛のためには、日米同盟と、米軍の存在が不要不可欠です。



 もちろん、日本自身が軍事力を強化して、米軍がいなくても自力で日本を守れるなら、それに越したことはありません。しかし、ただちにそれを実現するのは、現実的ではないと思います。



 とすると、最終的に、現実的な選択は、日米同盟の継続・在日米軍の肯定以外には、考えられません。

 一部には、米軍不要論・日米同盟不要論もありますが、それはあまりにも非現実的で、無責任な考えかただと思います。



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