言語空間+備忘録

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在日米軍の「人質」としての側面

2012-03-01 | 日記
リチャード・L・アーミテージ ジョセフ・S・ナイJr 春原剛 『日米同盟 vs. 中国・北朝鮮』 ( p.201 )

春原 話がだんだん佳境に入ってきました。そこでお聞きしたいのは今、ナイ教授が言われた「核の傘」、あるいは「拡大抑止力」と呼ばれる政策の信用力・信頼性の問題です。歴代米政権は一貫して「日本への『核の傘』に問題はない」と公言していますが、一方で中国の核戦力近代化や北朝鮮の核開発問題など新しい現実に十分、対応しているのかという不安が残るのも偽らざる本音なのですが……。

アーミテージ だから、そこで重要なのが沖縄に駐留する米海兵隊の存在と核抑止力の関係なのです。

春原 それは普天間基地をはじめ、沖縄に駐留する米海兵隊が日本にとっては実質的な「人質」となっていて、それをもって「核の傘」の信頼性を担保しているという考え方ですね。

ナイ 冷戦時代のベルリンを想像してみてみてください。人々は皆、「ベルリンのために米国はニューヨークを犠牲にはしない」と言っていました。ちょうど、「東京のためにロサンゼルスを犠牲にはしないだろう」と言うように。しかし、過去四十年間、我々が言ってきたのは、「我々はベルリンを守る。そして、ベルリンに駐留している米国の部隊がその防衛を担保している」ということです。

春原 しかも当時、ベルリンに駐留していた米軍は小規模なものでしたよね。

ナイ とても小さいものです。せいぜい、一個大隊、数千人程度でしょう。そもそも彼らは元来、ベルリン防衛のためにいたわけではないのです。ですから、ロシア人たちが彼らを追い出そうと思えばいつでもできました。ただ、実際にはロシア人が米兵を殺りくした場合、米国は必ずそれに対して報復したことでしょう。ロシア人もそれをわかっていて、だから我々は効果的にソ連を抑止することができたのです。ドイツにおいても核の抑止力を強めたのは、ベルリンに中距離弾道ミサイルを配備することではなく、米軍をそこに維持しておくことだったのです。今日、そのロジックは日本にも当てはまります。

春原 その「ロジック」とは沖縄に駐留する米海兵隊のことを意味しているのですね。

ナイ ええ、沖縄の海兵隊はその好例です。もちろん、青森県の三沢基地や横須賀基地なども含まれます。これらの基地、米軍兵力はいずれも日本にとって、米国の核の抑止力を最も強く担保してくれるものなのです。

アーミテージ 私はそれを「人質」とは言いませんよ。もし、米海兵隊に所属する我が国の青年、婦女子たちが日本防衛のために命を落とすようなことがあったとすれば、それは我々の核抑止力の信頼性を増すことになるでしょう。もし、通常兵器の戦闘によって彼らが命を落とすようなことになるのなら、我々は迷うことなく「核の傘」を日本の空の上に広げ、日本全土と彼ら(米海兵隊員)を守ります。私が言わんとしたのは、そういう色々なニュアンスのこもったメッセージであり、単純に「人質」というわけではありません。

春原 極めて高度な政治的メッセージですね。

アーミテージ その通りです。

春原 にもかかわらず、鳩山・民主党政権は当初、沖縄米軍・普天間基地の移設先として「国外」を主張していました。まあ、後に鳩山由紀夫前首相は「抑止力の意味がわかった」と述べていたので、少し考えを変えたのかもしれませんが……。

ナイ 日本の政治家やジャーナリストはその点をもう少し日本の世論に伝えた方が望ましいですね。つまり、沖縄に駐留する米軍は基本的に「人質」の役割も兼ねているのです。


 在日米軍には、「人質」としての側面がある。つまり、米軍が日本に駐留している以上、日本が攻撃されれば彼ら米海兵隊員も犠牲になる。だからこそ、米国は「必ず」報復するとわかるはずである(=信頼に値する)、と書かれています。



 この論理は説得力がありますね。

 米軍は本当に日本を守ってくれるのか、という疑問への答えとして、これ以上に説得力のある理由は、おそらく存在しないと思います。



 この論理が、日本人によって説かれているのを読んだこともありますが、日本側がこの論理を「大々的に」主張してよいのかは、やや疑問なしとしません。

 しかし、この論理が、米国人によって、それも(米国の)安全保障専門家によって説かれており、それを「紹介する」なら、問題はないと思います。

 このあたりの(私の)感覚は、日本人なら、わかると思います。



 この論理は、日本の一部にみられる「米軍不要論」が誤りであることを示していると思います。



 ブログは本来、「自分の」意見や主張を表明する場だと思いますが、上記論理は重要なので、多くの人に知ってもらいたくて引用・紹介しています。



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