宇宙論、ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論

ブラックホール、ダークマター、ホーキング放射、相対論 etc etc

物理学はパラダイムシフト前夜である。

2023-01-30 04:25:52 | 日記

ういきによれば:パラダイムシフト: https://archive.md/cXSK9 :

『パラダイムシフトの例として、まず旧パラダイム(例:天動説)が支配的な時代は、多くの人(科学者)がその前提の下に問題解決(研究)を行い、一定の成果を上げるが、その前提では解決できない例外的な問題(惑星の動きがおかしい)が登場する。

このような問題が累積すると、異端とされる考え方の中に問題解決のために有効なものが現れ、解決事例が増えていくことになる。

そしてある時期に、新パラダイム(地動説)を拠り所にする人(科学者)の数が増えて、それを前提にした問題解決(研究)が多く行われるようになる。・・・』とあります。

そうして今の物理学の状況と言えばまさに「パラダイムシフト前夜」という事になります。

ういきでは具体例が以下のように示されています。

・ケプラーの法則 - ケプラーによる。
・万有引力の法則 - ニュートンによる。
・地動説 - コペルニクスとガリレオによる。
・相対性理論 - アインシュタインによる。
・量子力学
プランク、アインシュタイン、ボーア、ド・ブロイ、シュレーディンガー、ハイゼンベルク、ディラック、フェルミ、ボース、フォン・ノイマンらによる。

ういきには例として取り上げられてはいませんがアラン・グースその他による「インフレーション宇宙論」もまたパラダイムシフトを引き起こしました。



さてそうなのではありますが、ういきでは以下の様にも述べられています。

『『科学革命の構造』の著者であるトーマス・クーンによれば、パラダイムシフトを起こせるのは、ほとんど若手か異分野の専門家であるという。』

これはつまり「従来の常識の延長線上にはない所に存在している回答を持ってくる事ができる人はもちろん、『その業界の常識に縛られていない人』である。」という事の別の表現になっています。

さてこれは「従来からある理論によって予想されていた事実の発見はパラダイムシフトを引き起こさない」という事でもあります。

その例は「ヒッグス粒子の発見」に見る事が出来ます。

ヒッグス粒子は標準理論で存在が予想されていましたが、今まで見つかってはおりませんでした。

しかしながらセルンの実験でそれが確認されました。

これは新発見ではありましたが「従来理論によって予想されていた発見でした」から、別段、それで物理学がパラダイムシフトを起こす事はありませんでした。



さてそれで上記のようなパラダイムシフトに引き続き、ダークマター探求もまたパラダイムシフトを引き起こします。

ダークマター探求の現状の業界の最有力な予想回答はWIMPです。(注1)

超対称性理論によって存在が予想されている素粒子のなかにダークマター粒子が存在する、という主張ですね。

この予想通りにWIMPが存在し、それがダークマター粒子であった場合、それは「超対称性理論がパラダイムシフトを引き起こした」と認定される事になります。

しかしながら現状では「超対称性理論によって存在が予想されている素粒子」は一つも見つかってはおりません。

従って「ダークマター粒子はWIMPである」という主張が現状ではゆらぎ始めている、という事が出来ます。



さてそうなりますと「ダークマター粒子はいったい何なのか?」という問いについて物理学はWIMP以外の答えを出さなくてはいけなくなります。

それでこの状況と言うものは上記でういきが述べているような事

『その前提(ダークマター粒子はWIMPである)では解決できない例外的な問題(超対称性理論によって存在が予想されている素粒子は、発見が予想された場所に一つも見つかっていない)が登場する。(注2)

このような問題が累積すると、異端とされる考え方の中に問題解決のために有効なものが現れ、それが解決策となる』というような状況に到達する為に物理学者は否応なく『異端とされる考え方の中に(存在している)問題解決のために有効なもの』を探す事になります。

そうしてこの様な状況こそがまさに「パラダイムシフト前夜の状況」という事になります。

さてそれで当方の読みが当たっているならば「物理学の現状は今まさにそのようになってきている」と言えます。(注3)



注1:弱く相互作用する大質量粒子( WIMP ) : https://en-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Weakly_interacting_massive_particle?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc :

『暗黒物質の候補の 1 つである仮説上の粒子です。WIMP の正式な定義は存在しませんが、大まかに言うと、WIMP は重力やその他の力 (または力) を介して相互作用する新しい素粒子であり、標準モデル自体の一部ではない可能性があり、標準モデルと同じかそれよりも弱いものです。・・・素粒子物理学の標準モデルの超対称拡張により、これらの特性を持つ新しい粒子が容易に予測されるため、この明らかな一致は「WIMP の奇跡」として知られており、安定した超対称パートナーは長い間 WIMP の最有力候補でした。

しかし、大型ハドロン衝突型加速器(LHC) 実験で超対称性の証拠を生成できなかったことに加えて、直接検出実験からの最近の結果はゼロであり、最も単純な WIMP 仮説に疑問を投げかけています。』

>直接検出実験からの最近の結果はゼロであり・・・

これは『ダークマター観測の国際共同最新実験「XENONnT」、初観測結果を報告』: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=30089 :の事でもあります。

注2:超対称性理論: https://archive.md/1D88y : 
の:懐疑論:の章から引用

『超対称性理論は現在のところ机上の計算から数学的に導き出される事象の域を出ていない。
2013年に「発見」が報告され2018年7月にもATLASやCMSの実験によりボトムクオークへの崩壊が確認されたヒッグス粒子の質量は、およそ125GeV であり、SUSYの破れはそのエネルギー領域で起こり超対称性粒子が現れてくるべきである。
だがこれまで超対称性粒子はひとつも発見されていない。
信頼できる理論としては未成熟な状態が続いており、そのためSUSY(超対称性)への懐疑論が徐々に素粒子物理学者の間で高まってきている。

CERNが掲載した最新の論文(2021)では、「超対称性粒子が、いかなる条件でも全く観察されなかった」ことを改めて報告した。・・・』

注3:この状況をすこし表現を変えますと「ダークマター探求は超対称性理論が勝つか、異端が勝つか?というゲーム(競い合い)である」という事になります。

そうして勿論、当方は異端の中の主要メンバーであると自負しております。

 

ダークマター・ホーキングさんが考えたこと 一覧

https://archive.md/XxHLI

 

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