前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 | 投稿日時 2020/3/5 19:49 | 最終変更
次の探索方法は
3、地下施設でのキセノンやアルゴン原子と暗黒物質の衝突による発光の検出
ですね。
『XMASSは暗黒物質粒子探索のためのXenon MASSive detectorから名付けられました。
検出器は、神岡地下観測施設のホールCに設置されています。・・・』
https://www.ipmu.jp/ja/research-activities/research-program/xmass
『XMASSは単相の液体キセノンを使用した特徴的な検出器で、現存する液体キセノンを使った暗黒物質粒子探索検出器のなかで最大の光量を達成しています。
そのおかげで、多数の有用な結果を発表しました。
XMASS実験は2010年12月から2012年5月まで試験的にデータを収集しました。
その後背景事象を大幅に減少させるように検出器の改良を行い、2013年11月よりデータ収集を再開し、2019年2月に1600日以上にわたる低雑音の有用なデータを収集し実験を終えました。(Last update: 2020/01/06)』
レポート
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ダークマターの非弾性散乱の探索
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/news/article/20190605.html
『ダークマターの非弾性散乱とは、ダークマターがキセノン原子核を跳ね飛ばして速度を与えるだけではなく、原子核のエネルギーを高い状態(励起状態)にする現象のことを云います。
励起状態の原子核はガンマ線を放出して元の状態に戻ります。
この反応が起きるには、ダークマターが「スピン」という物理量を持っている必要があります。
従ってもしこの現象が観測されれば、それはダークマターの発見に留まらず、その性質に迫ることもできます。
未だこのダークマターと原子核の非弾性散乱は観測されていません。
XMASSで用いているキセノンは様々な同位体を含んでいますが、その26%を占める、キセノン129がダークマターと非弾性散乱を起こすことができます。
キセノン129はダークマターによって励起されると、即座に40keVのエネルギーを持つガンマ線を放出します(図1)。
XMASSでは、この現象は「40keVのガンマ線 + 原子核の反跳」として観測されます。
従って観測されるエネルギーは図2のようになります。
ダークマターの質量はある決まった値を持つはずですが、その値は判っていないため、この図のように、ダークマターの信号スペクトルをその可能性のある質量ごとに計算し、実験で得たエネルギースペクトルの中にその信号スペクトル成分が含まれているかを探索しました。』
↑
「ダークマターの質量はある決まった値を持つはずですが、・・・」
これはあくまで超対称性理論によって存在が予想されているニュートラリーノ (neutralino)などの粒子を前提とした話ですね。
当方が主張するような「プランクレベルBH」であったとすると「ダークマターの質量はある決まった値を持つ」とはいえず、上限はありそうですがダークマター全体としては「連続した質量分布をもつであろう」と予想されます。
『具体的にはデータ中の信号スペクトルの強度(事象の頻度に相当)を求め、その強度が有意に0より大きければ、ダークマターの非弾性散乱が観測されたと結論づけることができます。
同時にその質量についての情報も得ることができます。
信号スペクトルの強度が有意でなければ、ダークマターと我々の身の回りの物質(ここでは通常物質と呼びます)の相互作用する確率に上限を与えることになります。
今回、XMASS実験では800.0 日分のデータの中から、この現象を探索しました。
その結果、信号スペクトルの強度は0と矛盾しないことがわかりました。
つまり、残念ながらダークマターの発見はありませんでした。・・・』
↑
現状はXMASSではダークマターは発見されず、イタリアで計画されている「キセノン原子をつかったより大規模な探索実験」(注1)にこの実験に関係したメンバーは合流しているものと思われます。
注1:イタリアのグラン・サッソ山中のXENONnT実験
https://www.ipmu.jp/ja/research-activities/research-program/XENONnT
神戸大学 XENON
http://ppwww.phys.sci.kobe-u.ac.jp/laboratory/dark-matter/xenon.html
XENONnT 実験のためのキセノン純度モニターの開発
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/_pdf/mthesis/2018/master-nkato-190128.pdf
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一応前半部がダークマター検出概論みたいな記述になってますので、ご参考までに。
追伸
キセノンを使ったダークマター探索ではダークマターがスピンをもつ事、つまりフェルミオンである事が大前提の様です。
それに対してプランクレベルBHではそのようなスピンは持っていないでしょう。
そのかわりに角運動量ならもつ事が出来ます。
さてその場合、何に対する回転なのでしょうか?
もちろんCMB:宇宙背景放射に対しての回転という事になります。
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シュワルツシルト・ブラックホール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB
そういうわけでプランクレベルBHがダークマターである場合は「キセノン、あるいはアルゴンをつかった衝突による発光現象の検出」というのはあまり期待できる話ではない、という事になりそうです。
http://archive.fo/zbGB2
http://archive.fo/lpD7Y