Matthewの映画日記?

Matthewの独断と偏見に満ちたお気楽日記

魔術はささやく / 宮部みゆき

2010-03-20 20:00:03 | '10 読書
魔術はささやく (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社


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宮部みゆき好きの知り合いから、また1冊借りて読みました。


あらすじは、

新聞に一人の20代女性の飛び降り自殺事件が載っていた。その事件を忘れた頃に、新たに、列車に飛び込み自殺した20代女性の事件が載っていた。その新聞を家で、食い入るように眺める20代女性、また別の場所では、それらの記事をスクラップする謎の人物がいた。そして、また新たに、交通事故で、一人の女性が亡くなった。その事故で、加害者となる車を運転していたのは、日下 守の伯父だった。伯父は、長く個人タクシーの運転手をしており、安全運転・無事故・無違反を信条とする人なのだが、警察は伯父を逮捕した。それは、被害者が死ぬ間際に言った「ひどい、ひどい、あんまりだわ」という言葉から、伯父の過失による事故と判断されたためだった。伯父は、「信号は青で、被害者が突然、もの凄い勢いで飛び出してきて、避けようがなかった」と主張するが、深夜だったこともあり、目撃者もなく、伯父は警察に拘留されたままだった。守は、伯父の無罪を立証するため、事件について調べ始めたのだが、被害者を調べていくうちに、守自身が大きな謎に、引き込まれていく・・・



「う~~~ん」と唸らずにはいられないほどの、面白さでした。
守の周りの登場人物たちが、それぞれに面白い人物たちで、守の日常(?)で発生する事件と、伯父さんの無実を追う行動が、微妙にリンクされていて、「こうなるだろう」とか、「これが原因なんだ」と思っても、ことごとく、いい意味で裏切られて、最後の最後まで、どうなるのかは、わかりませんでした。
めでたしめでたしと思いきや、「えぇ~~!!今までが伏線!?」って感じで、本当に読まされる1冊でした。
ただ、単に事件の真相を追うだけでなく、宮部作品の特有(って、何冊も読んでいませんが)の人間の弱さや醜さ、狡さに素直さといった、人間の本質そのものを問う、いろいろな面がリアルに厳しく描かれていて、最後の選択についても、○と取るか、×と取るか、難しい問題提起がされているように思います。

人間の本質を嫌というほど描いているのですが、やっぱり宮部作品というか、読了感はとても良かったです。


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