Matthewの映画日記?

Matthewの独断と偏見に満ちたお気楽日記

オッド・トーマスの受難 / ディーン・クーンツ

2009-12-16 19:27:38 | '09 読書
オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV )
ディーン・クーンツ
早川書房


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ディーン・クーンツのオッドシリーズ第2作「オッド・トーマスの受難」を、読みました。

あらすじは、

午前二時、オッドの元に、近くに住む友人ダニーの養父ウィルバー・ジェサップ医師が、訪ねて来た。
 彼に話しかけるが、彼は何も言わず、苦悶の表情を浮かべ、佇むだけ・・・
こんな夜更けの、こんな時間に、僕の部屋に居るということは、悲しいことに、彼は、もう生きていないことを、意味していた。
 「そう、僕は霊を見ることが出来るのだ。」
欲しくて授かった能力ではないが、僕には、霊能力がある。
霊能力があると言っても、霊の姿を見ることしか出来ず、彼らに、僕の声は届いているようだが、彼らの声を聞くことは出来ない。
なので、ジェサップ医師も、何も話さない。
しかし、彼は、僕の前に現れ、僕を自宅へと導こうとしている。
養父が死んでいるということは、友人ダニーの身にも、不幸が起きてしまっているのか?

養父に導かれ、友人宅へと侵入った僕は、やはり、ジェサップ医師の無残な死体を見つけてしまった。
 二階のダニーの部屋に着いた僕は、覚悟を決め、彼の部屋に入ったが、彼の姿は部屋にはなかった。
 そのとき、不意に、ダニーは階下の部屋に居る(生きて)と、直感がした。
僕には、霊を見る力と、ごくまれに働く、自分では“霊的磁力”と呼ぶ、人の所在を感知できる力がある。
その直感を信じ、階下へと慎重に向かった僕は、見知らぬ男に襲われ感電させらてしまった。
体の自由を奪われ、自分の最後を覚悟した僕だったが、そのとき、男は外へと逃げ出して行った。
階下に降りる前に、ジェサップ家の事件を携帯で伝えた署長が、警察を連れて、近づいて来る気配に気づいてしまったようだ。
ダニーは、彼らが連れ去られてしまったようだ。

署長に救出されたオッドは、友人ダニーを救うべく、“霊的磁力”を使い、彼を救いに行くのだが・・・




冒頭にも書きましたが、この作品、オッド・シリーズの第2作目です。
この本を購入する時に本屋で、一応、シリーズ物らしいので、1作目を探したのですが、見つからず、2作目からの読書となってしまいました。
ディーン・クーンツ、有名なベストセラー作家ですが、作品を読むのは初めてです。

2作目なので、1作目で起きた事件の回想というか、その事件に対する気持ちだとかが語られる部分があるのですが、読んでいないので、そこは、推し量るしかなかったです。
回想部分から読み取れたことは、その事件で愛する人(ストーミーなる女性)を失ってしまったということと、自分の持つ能力(霊能力)をもっと自分が素直に認めていれば、犠牲者を出さず(もう少し救えた?)に済んだのではないかと、激しく後悔している感じです。
そして、事件後、ヒーローっぽく扱われる(能力を使い事件を解決に導いた模様)のが、好奇の目でみられるのが、後悔している身には、精神的にキツイようです。


今回の事件では、そんなオッドを、もっと絶望的な理由から、事件に巻き込んでしまいます。
 少し、オッドが気の毒になってしまいました。

オッド・シリーズは、第4作まで続いているようです。
あとがきでは、心の安寧を求め、新たな場所に旅立つオッドを、予想もしていなかった、更なる苦難(事件)が待ち受けているようです。

次も、読んでみるかな?



オッド・シリーズ、第一作
オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)
ディーン・クーンツ
早川書房


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素晴らしい すごい とても良い 良い

災厄の紳士 / D・M・ディヴァイン

2009-11-06 20:22:39 | '09 読書
災厄の紳士 (創元推理文庫)
D・M・ディヴァイン
東京創元社


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D・M・ディヴァイン著の『災厄の紳士』を読みました。
初めて読む作家さんです。 だと思ったら、一冊読んだことがありました
あとがきを読みましたら、1960年代にイギリスで活躍された、すでに、他界されている作家です。


あらすじは、

 ある美男子・ネヴィルが、パリで一人の女性に近づく。彼女の名は、アルマ。
 アルマは先日、幼いころから好意を寄せていた男性と結婚の約束をするも、父親に反対され、破談となり、信頼していた彼からも手のひらを返され、心に大きな痛手を負っていた。
 そんな、気持ちの塞ぐアルマに、気晴らしのためにと、友人がパリへ誘ってくれたのだ。
 そんなアルマに近づくネビィルは、自分の容姿を活かし、ジゴロ生活を送る怠け者の青年だ。
 彼は、男性(恋愛)に臆病になっているアルマを、自分の魅力を使い、虜にしようとしていた。
 それは、ある人物の計画によるもので、「簡単に大金を手に入れられる」という話で、生活に貧窮していたネヴィルは、すぐさま計画に飛びついた。
 そして、ある人物の計画の通り、アルマを自分に夢中にさせることに成功したのだが・・・




 いつものごとく(?)、題名で選んで購入してしまったので、最初のうちはあまり読み進まなかったのですが、中盤以降、面白くて、最後まで一気に、読んでしまいました。
 これも、あとがきに書かれていたことですが、D・M・ディヴァインという作家は、名探偵といわれる人物を登場させず、事件の中に出てくる登場人物を謎解きに使った作家のようです。
 この作品も、謎を解いたのは、警部補でもなく、アルマの姉・サラでした。
 実に見事に、登場人物を動かし、最後の最後まで、真犯人がわかりませんでした。

 誰も彼も、犯人に見えてくる・・・

とても、上手な推理作家だと思いました。
本屋で見つけたら、他の作品も読んでみたいと思います。

ウォリス家の殺人 (創元推理文庫)
D.M. ディヴァイン
東京創元社


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↓ この作品を読んだことがありました。この人か。なるほど 確かにこれも、面白かった。
悪魔はすぐそこに (創元推理文庫)
D.M. ディヴァイン
東京創元社


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漆黒の王子 / 初野 晴

2009-10-12 18:38:55 | '09 読書
漆黒の王子 (角川文庫)
初野 晴
角川書店(角川グループパブリッシング)

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タイトルに惹かれ(懲りない)、めずらしく国内ミステリ『漆黒の王子』を、読みました。

初野晴さん、もちろん初めて読む作家さんです。
第22回 横溝正史ミステリ大賞を、『水の時計』という作品で受賞され、作家デビューをされたようです。
今作は、そのミステリ大賞受賞後に書かれた長編小説、第一作目です。


あらすじは

ある地方都市で勢力を拡げる暴力団藍原組の組員が、一人、また一人と不審死を遂げていた。
その遺体には、殺傷された傷もなく、検視の結果、体内から毒物の痕跡も見つからず、眠るように亡くなっていた。
 しかし、組員が亡くなるたびに、組長代行紺野と紺野の右腕高遠のもとに、“ガネーシャ”と名乗る人物から、Eメールが一通届いていた。
 そのEメールの送信者名は、一通ごとに違っており、王子(prince)、時計(watch)、墓(grave)などの英語表記で、件名には、eta、zetaなどのギリシア数字が英語表記されたものだった。
そして、何よりもEメールの本文が、暴力団に送りつける脅迫文とは思えないものだった。
それは、中世ヨーロッパの詩文のように書かれており、要は「命が惜しければ眠るな、睡眠を差し出せ」という内容だった。
“ガネーシャ”と名乗る人物の目的とは・・・



この作品、序章を読んだ時点で、内容が「おっ、重っ!!」って思って、読むのが憂鬱になったのですが、本編が始まったら、面白くて、ぐいぐいと最後まで一気に読んでしまいました。

暴力団が出てくる作品ですから、そこには凄惨な暴力シーンも描かれていて、グロいの苦手な自分は、ちょっと読みながら、目を瞑りたくなるって感じだったのですが(読めないじゃん)、本編の中にファンタジーっぽく(?)描かれている部分があって、そこがあったからこそ、読みきることが出来たように思いました。
登場人物、紺野も高遠も、そして“ガネーシャ”にも、感情移入できるというか、こういう風になってしまうのも、「ムリもないよなぁ」と思える、説得力のある作品でした。
(高遠の心の捻じ曲がり方は、王子の説明で理解できた感が強い・・・かな?)
とても、登場人物たち一人一人の深層心理まで、深く深ーく描かれているなぁと思いました。

とても読み応えのある作品で、すごい読ませる作家さんだと思います。
ミステリーに、うまくファンタジーを取り込んでいる作家さんのようです。
他の作品も読んでみたいと思うのですが、あとがき(?)の作品紹介文を読むと、青春ミステリーみたい・・・苦手分野


デビュー作
水の時計 (角川文庫)
初野 晴
角川書店


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退出ゲーム
初野 晴
角川グループパブリッシング


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これは、装丁だけ見ると読まないかな・・・
1/2の騎士 harujion (講談社ノベルス)
初野 晴
講談社


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川は静かに流れ / ジョン・ハート

2009-09-24 07:08:10 | '09 読書
            
川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ハート
早川書房


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ジョン・ハートの『川は静かに流れ』を読みました。
初めて読む作家さんです。
今作で、二作目らしいです。

あらすじは

 NYに住むアダム・チェイスは、戻ることはもうないだろうと思っていた故郷ソールズベリへと、5年ぶりに帰郷した。
5年前、人殺しの嫌疑をかけられ、裁判の結果、無罪釈放となったものの、故郷には、家族の中にも、自分の居場所はなかった。
3週間前にかかって来た、旧友ダニーからの1本の電話が、僕の中の何かを故郷へと、導いた。
そして、故郷についた僕は、思わぬ事から、辛い過去の出来事の真相と対面することとなる・・・



初めて読んだ作家さんでしたが、ストーリーは面白かったです。
真犯人は、勘の良い人なら、すぐに分かってしまうと思いますが、アダムと彼の父親、家族、昔の恋人との葛藤などが、丁寧に描かれていて、読み応えがありました。
事件解決後の終わり方も、また良かったと思います。
 
 

ジョン・ハート、デビュー作
キングの死 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン ハート
早川書房


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日曜哲学クラブ / アレグザンダー・マコール・スミス

2009-09-15 17:30:00 | '09 読書
               
日曜哲学クラブ (創元推理文庫)
アレグザンダー・マコール・スミス
東京創元社

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あらすじは、

 古都エディンバラに住むイザベルは、アッシャー・ホールで行われたコンサートで、天井桟敷から落下する男性を目撃してしまった。
イザベルは、哲学者で哲学ジャーナル誌の編集を仕事にしている。
好奇心旺盛で、物事を考えるのが好きなイザベルは、警察の到着前に、男性が落下したと思われる最上階の席へと、駆けつける。
 現場には、被害者のものと思われるパンフレットが一部落ちているだけで、人影も無く、自殺・事故のように思われた。
 あくる日、昨日の目撃事件を忘れられず、眠れぬ夜を過ごしたイザベルは、姪のキャットが営むデリカテッセンへと、足を運ぶ。
キャットに、目撃事件の話をすると、「彼を知っていたわ。フラットメートと何度か店に来たことがあるの」との話を聞き、キャットに目撃した状況を話しているうちに、イザベルは、落下する彼と目が合った気がして、彼が何か伝えたかった気がして、事件を調べる気になってしまった。
 キャットに、彼のフラットの住所を調べてもらい、事件の捜査を開始するのだが・・・


題名に惹かれ、手に取った本書ですが、作者アレグザンダー・マコール・スミスは、初めて読んだ作家かと思ったら、以前に『No.1レディース探偵社、本日開業』という、ボツワナで初となる女性探偵事務所を開いた素人探偵マ・ラモツエを描いた作品を、読んだことがありました。
記事を書くのに調べたら、マ・ラモツエシリーズもすでに4冊刊行されていたようです。
 マ・ラモツエの方は、日常のちょっとした事件を解決するというものでしたが、考えてみると、なんとなく雰囲気、似てましたね。

 今作のイザベルシリーズも、本国では、すでに五作刊行されているのだそうです。
なかなか、楽しい作品だったので、シリーズ邦訳されることを望みます。
 
 あとがきに『第二巻「友達、恋人、チョコレート(仮題)」もご期待ください』との一文があったので、第二巻の刊行は、ありそうです。


マ・ラモツエシリーズ

No.1レディーズ探偵社、本日開業―ミス・ラモツエの事件簿〈1〉 (ヴィレッジブックス)
アレグザンダー・マコール スミス
ヴィレッジブックス

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キリンの涙―ミス・ラモツエの事件簿〈2〉 (ヴィレッジブックス)
アレグザンダー・マコール スミス
ソニーマガジンズ


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No.1レディーズ探偵社、引っ越しす―ミス・ラモツエの事件簿〈3〉 (ヴィレッジブックス)
アレグザンダー・マコール スミス
ソニーマガジンズ


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新参探偵、ボツワナを騒がす ミス・ラモツエの事件簿4 (ヴィレッジブックス)
アレグザンダー・マコール・スミス
ヴィレッジブックス


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