Matthewの映画日記?

Matthewの独断と偏見に満ちたお気楽日記

死体を買う男 / 歌野晶午

2008-09-07 02:28:52 | '08 読書
死体を買う男 (講談社文庫)






表紙のホームズ風の格好の絵と背表紙のあらすじに誘われて、購入してしまいました。

あらすじは、

平成二年、『月刊新小説』八月号に、「白骨鬼」なる江戸川乱歩の未発表作かと思しき作品が掲載された。
そのあらすじとは、主人公“私”が、南紀・白浜に出かけた折、昼間は普通の男子学生だが、夜になると顔に白粉を塗り、かつらを被り、振袖を着るという女装をし、月を見てはシクシクと泣いている“月恋病”なのだと噂されていた学生が首吊り自殺を遂げる。“私”と友人の詩人・萩原朔太郎が、その事件の謎に挑むと言う、本格推理小説だった。
それを読んだ、本格推理小説『夢幻』四部作で大作家だったが、自ら筆を折り執筆活動を辞めた“細見辰時”は唸った。
そして、“細見辰時”が『月刊新小説』の出版社・青風社に電話したことにより、作品「白骨鬼」内のストーリーと、現在のストーリーとが絡まっていく。


この小説、とっても面白かったです作中に登場する小説「白骨鬼」だけでも、乱歩調の昭和初期の雰囲気漂う作品で、十分に面白かったですし、現在の“細見辰時”のストーリーもとても面白く、「エェッー!!」って意外性のある最後では、「ヤラレタ」って感じでした。全く先が読めなかったです。

歌野晶午さん、他の作品も読んでみたくなりました。



密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)
歌野 晶午
講談社


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葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
歌野 晶午
文藝春秋


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遺伝子捜査官アレックス 殺意の連鎖 / ローリー・アンドリューズ

2008-07-14 01:40:25 | '08 読書
遺伝子捜査官アレックス/殺意の連鎖
ローリー・アンドリューズ





読み終わりました。途中、放っておいたりして、時間かかったな

あらすじは

AFIP(米軍病理研究所)に勤める遺伝子学者・アレックスは、2年前の9・11事件後、細菌兵器によるテロの可能性を考えた国防省から声が掛かかり、国防省の莫大な予算を使い、自分が研究しているスペイン風邪(インフルエンザ)の研究を出来ると考え、2年契約で勤めることを承知した。しかし、ジャック・ワイアット大佐のAFIP所長就任により、アレックスの研究を続ける環境は、一変する。
ジャック・ワイアット大佐は、FBI長官になれなかった事から、FBIが解決できないでいる、有名女優も被害者の一人となり、巷で話題の『刺青連続殺人事件』を解決しようとするため、法医学的な仕事をしなくても良いとの約束で勤めていたはずのアレックスは、犯人逮捕のためのDNA科学捜査を自身の研究よりも優先して行うことになったのだ。そして、それがアレックスを大きく変える事となる・・・


この作品、AFIPの設立理由(南北戦争の時代)とか、米政治の裏側や、軍隊の話DNA研究の事も書かれていて、ミステリー以外にも楽しめました。

この作品も、作者ローリー・アンドリューズの処女作で、米では次作も発表されているそうです。次作も、日本でも刊行されるそうです。
作者のローリー・アンドリューズ自身、法医学と遺伝子学の専門家で、国際的にその名声は知られている人なのだそうです。遺伝子についての学術書なども書かれる人が、こういうミステリー作品も書くのですねぇ。面白い


遺伝子捜査官 アレックスシリーズ2冊目
遺伝子捜査官アレックス/復讐の傷痕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ローリー・アンドリューズ
早川書房


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重力ピエロ / 伊坂幸太郎

2008-06-05 22:09:49 | '08 読書
重力ピエロ (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社


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伊坂幸太郎の『重力ピエロ』、読みました。
読書レビューを書いている方たちのブログなどに、恩田陸とともに良く出てくる作家さんです。以前は、邦人作家の作品も読んでいましたが、ここ最近は、興味を惹かれないので、読んでませんこの間、失敗したばかりだし・・・
でも、この『重力ピエロ』、本の帯に「本屋大賞」と大きく書かれていたのと、伊坂幸太郎氏の作品は、レビューを書かれている人たちの人気も高いので、読んでみようと思いました。
この作品、直木賞候補にもなった作品らしいです(ほんと興味ないんだよね)
あと、伊坂幸太郎氏は、この間まで、上映されていた『Sweet Rain 死神の精度』の原作者でもあり、この作品『重力ピエロ』も映画化されるのだそうです。


あらすじは

主人公“私”には、半分だけ血の繋がった弟“春”がいる。“春”は、母が、見知らぬ男にレイプされ、身籠ってしまった子供だった。しかし、そんなことは、私たち家族には、何の関係もないことだった。

“春”は、不法に書かれた落書きを消す仕事をしている。そんな“春”が、最近頻発している放火事件の発生現場に対するある法則を見つけたというのだ。そして「放火犯を、俺たちで捕まえよう」と言うのだ。無理やり説得され、放火発生現場になる場所と思われる所を、二人で張り込みするが・・・



 春が二階から落ちてきた

こんな印象的な一文から始まる今作品は、主人公の勤める会社が、遺伝子検査を行うため、遺伝子に関する文章も多く書かれており、父親が、癌にかかり入院しているため、癌という病気についても書かれていて、勉強になりました。そして、最後の最後、主人公“私”の考えていたことは、あの相手に対し、対峙するつもりはあったのでしょうが、本当の目的は、わかりませんでした。

登場人物も、個性的で魅力的な人物が多く、読みやすかったです。春を追いかけるから、夏子というのも、面白いなぁと思いました。
ただ、難をいうなら、小さく小さく54にも、区切られた章でしょうか。それにはそれで、意味があるのですが、自分的には、ウザかったです
話の内容も、それなりに面白かったし、読ませる作品だとは思いますが、多分、自分は、もう読まない作家さんになりました。
ちょっと、兄弟のやり取りなど、頭が良すぎて、高尚なカンジ~の漂う作品で、自分には、ちょっと合わないなと感じました。
やっぱり、自分には、気楽に読める海外ミステリーくらいが、丁度良いんですよね

“春”の犯罪に対する発言や考え方は、乱暴すぎるのでしょうが、激しく同感です。


ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎
新潮社


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フィッシュストーリー (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社


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死神の精度 (文春文庫)
伊坂 幸太郎
文藝春秋

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18秒の遺言 / ジョージ・D・シューマン

2008-05-18 13:54:24 | '08 読書
18秒の遺言 (ヴィレッジブックス)
ジョージ・D. シューマン
ヴィレッジブックス


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『18秒の遺言』読みました。
題名に惹かれて、読んだのですが、なかなか面白かったです。
この作家の処女作で、シリーズ化して2作目も発表されているそうです。

あらすじは

主人公シェリー・ムーア、彼女は5歳の時、フィラデルフィアの病院の外階段で、意識不明で倒れているところを発見され、保護された。その階段から転落した時に頭を強く打ったのが原因で、記憶を失い、盲目となってしまった。彼女の両親探しはメディアを通じ、大々的に行われたが、彼女を知る者は現れずに、市の施設に預けられ、大人になり、一人つつましく生活を送っていたのだが、あることがきっかけで、彼女の生活は一変する。

そのあることとは、彼女には死者に触れると、その人の死ぬ前18秒間の記憶を読み取ることができるのだ。
23歳の時、偶然、死者の記憶を読み取ってしまい、それが巷を騒がす「トラック組合委員長事件」につながったことから、世間に知られ、依頼の話が舞い込み、盲目の自分が、人々の役に立てる(必要とされる)ことが嬉しく、その能力を生業として生きて行くことにしたのだ。

そんな中、「トラック事件」から9年の付き合いになるジョン・ペイン刑事に、「被害者(死者)の記憶を読んで欲しい」と頼まれる。ペイン刑事は、シェリーのよき理解者であり親友であったが、今までそんな頼み事をしてきたことはなかった。しかし、今回の事件は、「聖人のような人」と周りから言われるほどの善人で、被害者の女性の周りには、射殺されるほどの恨みを抱く人物も、手がかりも、何も掴めず、君に頼るしかないというのだ。彼女は依頼を快諾し、捜査に関係がないよう遺族にわからないように、告別式のときに知人を装い、死者に手を触れ、最後の記憶を読み取る。そして・・・



ちょっと、死者の記憶を読むという、超能力というか霊能力というか、特殊能力を持った女性が主人公の話なので、「どうかなぁ?」と思ったのですが、作者のジョージ・D・シューマンは、元警部補だったと言うことで、事件捜査や警察内の内情など、詳しく描かれていて、ミステリーとしても読み応えのある作品でした。
最後、ちょっと残念でしたが・・・



主人公 シェリー・ムーアシリーズ2作目
最後の吐息 (ヴィレッジブックス)
ジョージ ・D ・シューマン
ヴィレッジブックス


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災いの古書 / ジョン・ダニング

2008-05-05 04:21:47 | '08 読書







ジョン・ダニング著の『災いの古書』読みました。

この本は、一作目「死の蔵書」、二作目「幻の特装本」、三作目「失われし書庫」に続く、クリフ(クリフォード)・ジェーンウェイ・シリーズの四作目です。
元警察官で、古書店主となったクリフが、本に関する事件を解いていく、ミステリー作品です。


あらすじは、

弁護士をしている恋人のエリンから、「蔵書家射殺殺人事件を調べて欲しい」と言われる。この事件の被告人ローラ・マーシャルが、夫ロバート・マーシャルを射殺したのだ。その被告人から、弁護の依頼を受けたのだが、エリンは過去に起こった事により、ローラの依頼を受けるのを躊躇していた。

かつて、エリンと被害者ロバートは恋人同士であったが、ロバートと親友ローラ(被告人)の裏切りにより、以来、二人とは疎遠になっていた。
エリンは「この依頼を受けるか、わからない・・・」と言い、そして「ローラを赦していない・・・」とも。
エリンの気持ちを察したクリフは、エリンの依頼を受け、事件を調べていくが・・・



このシリーズは、ミステリーだから面白いというのもありますが、古書店主というだけあって、古書商の裏事情みたいなものが描かれていたり、古書の薀蓄が書かれていたりで、とっても面白いです。
あと、なんといっても、主人公のクリフが、とってもカッコイイ(顔ではありません) 漢なのです
クリフは、優秀な警察官だった(自分でも言ってる所がイイ)のですが、自分の正義感に基づいて行動したことで、捜査に行き過ぎがあり、それが元で退職してしまったのですが、古書店主になっても、何故か、本をめぐる事件に巻き込まれ(自ずから?)、事件の真相を暴いて行くんです。元警察官の血が騒ぐってヤツですね
クリフの正義感は、自分の考えに近い気がするので、好きなんだと思いますね。


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