Matthewの映画日記?

Matthewの独断と偏見に満ちたお気楽日記

審判 / ディック・フランシス,フェリックス・フランシス

2011-11-06 10:37:12 | '11 読書
審判(ハヤカワ・ミステリ文庫) (競馬シリーズ)
ディック・フランシス,フェリックス・フランシス
早川書房



入院前から、読み始めていたんですが、なかなか読み進まなかった作品。
今回の入院中に、読み終えました。


あらすじは、


弁護士のメイスンは、弁護士の仕事のかたわら、趣味の範疇を超え、障害競馬レースのアマチュア騎手として、レースに参加していた。
そんな中、障害競馬のプロ騎手が殺害され、その犯人として逮捕されたのが、殺害された騎手と犬猿の仲のライバル騎手ミッチェルであった。
常々、騎手の控え室でも二人は衝突しており、「お前を、殺してやる」等の発言もしていたミッチェルが逮捕されたのは、納得のいくことだったが、「ミッチェルの弁護を受けろ。そして、裁判に負けろ」と脅迫があったことから、事件の真相を探りはじめるのだが・・・

感想は、

ディック・フランシス、この作者の作品は、はじめて読みました。
主人公は違いますが、競馬界を題材にしたミステリー作品を多数、発表しているようです。
この作品、騎手が出てきたので、競馬界の話かと思っていましたが、競馬界の話も書かれてはいますが、メイスンの事件の真相を探り当てて行く話でした。
今回の事件には、メイスンの過去に担当した事件との絡みもあり、その時の事件の真相や、自身の過去の心情との決別も等あり、今回の事件の裏に隠された謎解きもあり、かなり面白かったです。

日本でも始まっている陪審員制度などの裁判制度の問題点も描かれており、かなり内容の濃い作品でしたが、楽しんで読むことができました。

競馬シリーズとして、たくさんの作品が発表されていますが、主人公が話ごとに異なるようで、またこの作者の作品を読むかは、微妙ですね。





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震える岩 / 宮部みゆき

2011-05-04 19:27:04 | '11 読書

震える岩 霊験お初捕物控 (講談社文庫)
宮部 みゆき
講談社





知り合いに借りた宮部みゆきさんの『震える岩』を、やっと読み終わりました。
今作は、時代怪奇物(?)小説です。


あらすじは、


お初は、赤ん坊のときに橋のたもとに捨てられていた。そして、馬喰町で紙屋を営む夫婦に拾われたのだが、三つの時に、その両親を亡くし、育ての親の息子で、今では岡っ引きとなった兄・六蔵夫婦に引き取られ、十六の娘になっていた。
お初には、人には見えないものが見える力を持っており、たびたび、その力をもって、兄・六蔵の手助けをしたりしていた。
お初の力を知っているのは、六蔵夫婦と六蔵の上司に当たる同心・石部正四郎だけだったのだが、事件解決への報告書を書くにしろ、いつまでも、あいまいなことは書けず、南町奉行根岸肥前守の知れるところとなってしまった。
南町奉行根岸肥前守は、少し変わったお方で、侍なのに巷に流れる奇妙で奇怪な話を耳に入れては、『耳袋』とか名づけた記録を録っているのだとか。
そんなお方だから、お初の能力に興味津々で、直々にお初を呼び、お初の話を聞いたところ、いたく感心してしまい、それ以来、お初を呼んでは、自分が聞いた奇怪な噂を調べさせたりしていた。
今回も、死んだ男が生き返ったという『死人憑き』なる噂を仕入れ、お初に調べて来てほしいというのだ。
お初は、御前さまのお頼みならと、『死人憑き』と言われる吉次という男を調べに行ったのだが、あいにくの留守で、帰り道、油問屋の前を通った時に、店の奥にある見えないはずの油樽の中に、幼女の浮いている姿が見えてしまった。
兄・六蔵に見えた映像を伝え、調べてみると、確かに、幼女の遺体が発見されるのだが・・・



感想は、


時代物で、怪奇ものということで、ちょっと食指が伸びず、借りてから大分経ってしまいましたが、読みおわりました。
最初は、怪奇ものということで、なかなか読み進みませんでしたが、お初の登場で、内容が推理物に取って代わったため、一気に読み進められました。
時代物で怪奇ものではあるけれど、推理物としても、とても面白く、登場人物たちも、お初をはじめ六蔵や備前守、その他のわき役も、それぞれに魅力的で、ページ数もそんなに無く、とっても読みやすかったです。
やはり、宮部みゆきさんの手腕は、さすがとしか言いようがないですね。
ファンタジー物も、時代物も、現代ものも、なんなく書けてしまうすごい人ですね。
有名な『耳袋』を題材に、ここまで書けてしまうのが、本当にすごいです。
しかも、宮部さんらしく、超能力(霊能力?)を時代ものに上手く取り入れ、いくつもの伏線が張られたストーリーは、本当に最後まで、飽きさせませんでした。

この作品、シリーズ化するのかはわかりませんが、霊験お初捕物控とのサブタイトル(こっちが本題?)として、もう一冊『天狗風』という本が出ているようです。
そっちも、機会があれば、読んでみたいですね。




前にも書きましたが、同じ作品が、別の出版社からも出ているですね。
天狗風 霊験お初捕物控(二) (講談社文庫)
宮部 みゆき
講談社


天狗風―霊験お初捕物控 2
宮部 みゆき
新人物往来社






コミック化もされていたようです
天狗風~霊験お初捕物控 1 (プリンセスコミックスデラックス)
宮部 みゆき
秋田書店


天狗風~霊験お初捕物控 2 (プリンセスコミックスデラックス)
宮部 みゆき
秋田書店



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いとけなく愛らしき者たちよ / ジリアン・ホフマン

2011-03-19 06:53:56 | '11 読書
以前に読んだ『心神喪失』の作者ジリアン・ホフマンの新作『いとけなく愛らしき者たちよ』を読みました。





いとけなく愛らしき者たちよ (ヴィレッジブックス)
ジリアン ・ホフマン
ヴィレッジブックス





あらすじは、


フロリダで、13歳女児レイニーの失踪(家出?誘拐?)事件が発生。通常なら、警察の一般捜査で終わり、FDLE(フロリダ法執行局)特別捜査官ボビー・ディーズのところに持ち込まれるような事件ではないのだが、昨年、ジャービィスで起きた事件に対する警察の対応への批判があったため、その轍を踏まぬよう、念には念をと、警察署長自らが、FDLEに捜査依頼をして来たというのだ。特別捜査官であるボビーは、未成年者をめぐる事件の解決に多大な実績をあげており、雑誌『ピーブル』にも取り上げられるような人物であった。警察からの要請を受け、レイニーの家に向かい、レイニーのPCを調べたボビーは、「これは、ただの家出ではない」といった長年培った捜査官としての“勘”を感じた。インターネットの普及により、変質者(犯罪者)たちは、自分の姿を隠し偽り、罠をかけずとも、幼い子供たち(弱者)がネットの中でさらけ出す、孤独感などの気持ちの弱さに漬け込み、獲物を得ることが容易にできるようになってしまった。捜査を進める中、記者会見の際に、ボビーと激しく遣り合ったTV局のアナウンサー宛てに、一枚の絵が送られてきた。そこには、レイニーとは別の少女だが、目を抉られた、一目で死体と分かる絵が、描かれていた。そして、新聞から切り抜いたボビーの名が同封されていた。





感想は、

面白かったです。少し読み始めて、ゲームのせいで、止まってしまっていたのですが、再度読み始めたら、一気に読んでしまいました。

特別捜査官ボビー・ディーズが、格好良いです(仕事に対する姿勢が)。
そして、まさかの犯人に、驚きました。全然読めなかったです。ボビーと一緒に気付きました。
今作は、男性刑事が主人公ということで、ストーリー内の主人公の立ち回り(アクション)も激しくて、スピード感がありました。
そして、今回の事件の犯人ピカソ(通り名)の不気味さも、また、ストーリーを盛りたててます。

ジリアン・ホフマンの次回作は、いつになるのかなぁ。






報復 (ヴィレッジブックス)
ジリアン ホフマン
ソニーマガジンズ


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